Steam向けクトゥルフ風航海ローグライク『Abandon Ship』日本語対応。大海原を駆け、教団の野望を打ち砕く

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イギリスのインディーゲームデベロッパーFireblade Softwareは、Steamで配信中の『Abandon Ship』を日本語に対応した。『Abandon Ship』は、ランダムに生成される海を旅し、教団に立ち向かうクトゥルフ風航海ローグライク。ゲームの通常価格は2570円、現在開催中の旧正月セール対象になっており、1月28日まで25%オフの1927円で購入できる。なお、日本語については、一部選択肢において意味を把握しづらいテキストもあるが、イベントの進行に支障はない印象だ。

『Abandon Ship』は、水中に蠢く巨大な触手を神と崇め、周囲を恐怖に陥れている教団から逃れ、大海原を航海していくゲームだ。主人公は、元は教団の一員だった人物。狂信者たちが神を賛美する儀式の最中、神の正体を目撃したことをきっかけに正気を取り戻し、その場から脱出。牢屋に捉えられていた船員たちを従え、教団の船を奪取し、船長として広大な海へ漕ぎ出す。教団は、反逆者である主人公を許しておらず、教団の船や人ならざるもの、巨大なクラーケンといった追手を差し向けてくる。主人公は、教団の魔の手から逃れるため、あるいは野望を阻止するため、大海を駆ける。

ゲームプレイでは、教団の追手が迫る中、目的地へ向けて帆を張り、船上で生き抜いていく。突発的に逃げ出した一行には、十分な食料の備蓄はなく、金銭も心許ない。また、次の海域へ進む条件にもなっているので、マップ上に設置されたイベントを発生させることになる。アイコンである程度の種類は判別できるものの、イベントの内容はランダム。救助を求める小舟が出現するものや、幽霊船に襲撃されるものまで、船旅で起こりそうなトラブルが色々と用意されており、選択肢によってイベントを進めていく。選択肢によっては海賊行為もできるが、代わりに指名手配レベルが上がってしまう。イベントの中でもハイリスクハイリターンなのは、敵との戦闘だ。戦闘は、各船員に逐次指示を出しながら、決着が着くまで行われる。リアルタイムに進行するが、一時停止もあるので、じっくり考えることも可能。状況を上手くコントロールし、最小の犠牲で制圧できれば、相手の船に積載されていた積み荷が入手できる。

一方、戦闘の度に船へのダメージは蓄積されていくし、船員が重傷を負ってしまったり、高波や強風にさらわれてしまったり、船の耐久値がなくなれば当然沈没してしまう。また、ゲージが溜まると教団からの刺客も出現。耐久値は港などで補修できるが、当然お金がかかるので、船が沈没しないよう、常に選択を繰り返していくことになる。このあたりのリスク管理が結構難しく、意気揚々と戦闘を挑んで撃沈されてしまったり、補修費用が足りずボロボロの状態で航海を続けていたら、教団に襲われしまうこともあり、一筋縄では行かないように練られている。

港では、補修以外に船の改造や新たな船員の雇用も可能。新しい砲台を積んだり、もっと大きく頑丈な船に乗り換えたりなど、船員も含めて好みの船が作り上げられる。総じて、ローグライクらしいジレンマを持ちつつ、海とクトゥルフ風の要素で染め上げ、高難易度に仕上げた作品と言えるだろう。なお、難易度にはカジュアルやイージーも用意されている。

本作を手掛けたFireblade SoftwareのGary Burchell氏はイギリスのゲーム開発会社Climax Studiosに所属し、『Assassin’s Creed Chronicles: China』でエグゼクティブプロデューサーを務めるなどAAAタイトルを手掛けてきた人物。同氏には2つの野望があったそうで、その一つ、インディードリームを果たすため、元同僚Adam Thacker氏と共に本作の開発をスタート。ゲーム業界で一緒に仕事をしてきたベテランフリーランス開発者たちの協力もあり、本作は作り上げられている。また、本作は『FTL: Faster Than Light』『Sunless Sea』『Assassin’s Creed IV Black Flag』などに影響を受けているといい、ゲームプレイ中にもそれらのエッセンスは感じられる。

Fireblade Softwareのデビュータイトルながら、500件以上のユーザーレビューを獲得し、高評価を得ている『Abandon Ship』。クトゥルフ風ながら、実にらしいシチュエーションの数々が用意されているので、クトゥルフ系の作品が好きな方や、同ジャンルに興味のある方は、日本語対応を機に手にとってみてほしい。

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