SIEがE3 2020への不参加を表明。PS5発売に向けて、独自の取り組みを続ける


ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は1月14日、今年6月に開催予定の「E3 2020」への出展を見送ることを、海外メディアGamesIndustry.bizなどを通じて明らかにした。同社は昨年も参加を見送っており、2年続けての不参加となる。

SIEの担当者は、世界最大規模のゲームイベントであるE3の主催団体ESA(Entertainment Software Association)には大いに敬意を払っているとした上で、検討をおこなった結果、E3 2020はSIEが今年注力しているものを披露する場として最適ではないと感じるに至ったと、参加見送りの理由を説明した。

一方で、今年は世界中でおこなわれる数百のコンシューマイベントに出展する戦略を立てているという。ちなみにE3は、近年は一般のゲーマーも参加できるイベントに移行してきているが、基本的には小売店やメディア向けの見本市である。SIEは、ファンがPlayStationファミリーの一部であると感じ、好きなコンテンツをプレイできる環境を作ることを目指していると述べる。そして、PS4向けの素晴らしい新作ラインナップがあり、PS5のローンチも控えているこの年を、ファンと共に祝うことを楽しみにしているとのこと。

先述したように、SIEは昨年に続いてE3に出展しないことになった。同社はE3が発足した1995年から毎年参加してきたが、昨年もやはりファンと直接交流することを重視した旨を不参加の理由として説明していた。また、E3は時代に追従できておらず、インターネットの普及もありかつて持っていたインパクトはもうないとも(関連記事)。そうした考えは、初のE3不参加を経ても変化はなかったようだ。

なお昨年には、SIEは東京ゲームショウやgamescomなどには参加し大きな存在感を見せたが、ファンイベントの側面もある独自イベントPlayStation Experienceについては2017年以来開催していない(アジア版は2018年にタイで実施)。また、新たな試みとしてWeb番組「State of Play」を開始して新情報を発信している。

今年はPS5のローンチをこのホリデーシーズンに控えており、SIEとしてはなるべく多くのファンに実際に触れてもらうため、コンシューマイベントを重視する方針を取ったのだろう。まずは、PS5の全貌がいつどのような形で披露されるのか注目が集まる。

【UPDATE 2020/1/14 14:55】

マイクロソフトのXbox事業責任者Phil Spencer氏は1月14日、E3 2020に向けてスタッフが熱心に取り組んでいるとして、同社は今年もE3に参加することを明らかにした。また同氏やXboxチームにとって、ファンとの触れ合いは毎年のE3における素晴らしい一部分であるとコメント。マイクロソフトとしては、E3もまたファンとの繋がりを持てるイベントのひとつと捉えているようだ。同社は、今年のホリデーシーズンにXbox Series Xを発売する。