『Fallout 76』にて、またもや極悪トラップ施設がつくられる。今度は「数学の問題を解かないと焼き殺される学校」

『Fallout 76』にて、またしても珍妙かつ奇怪なロケーションがウェイストランドに建てられたようだ。数学の問題を解かないと焼き尽くされて死ぬ部屋。

一昨年11月のリリースから今もなお精力的にアップデートが重ね続けられている『Fallout 76』。バトルロイヤルモードをはじめ、新規クエスト・ロケーションやレイドミッションなど、現在に至るまでさまざまな要素が追加されてきた。これらは公式が提供するコンテンツであるが、一方でデスクロー迷宮(関連記事)など、C.A.M.P.機能を駆使するユーザーらによる建築物も、同作を賑わせてきたコンテンツと言えるだろう。そして今回、またしても珍妙かつ奇怪なロケーションがウェイストランドに建てられたようだ。

数学の問題を解かないと焼き尽くされて死ぬ部屋。そんな奇想天外な建物におびき寄せられしプレイヤーの顛末を収めた映像が1月7日、aswiftkickinthejunk氏のYouTubeチャンネルにて公開された。動画の冒頭、小部屋に入るなり突然閉じ込められるプレイヤー。そして、その様子を柵の外側から監視するプレイヤー。どうやら前者は罠に引っかかってしまったようだ。エモートで意思疎通を図る両者。しかし、一向に扉は開かない。そして閉じ込められたプレイヤーは気づく。扉の横にキーパッドが設置されていることに。

動画上では確認しづらいが、実は部屋の奥側、赤い矢印で示された壁面には計算式が貼り付けられている。この計算式の解答は4桁の数値。つまり、計算から算出できる正しい答えをキーパッドに入力することで扉は無事開くというわけだ。そうした仕掛けを把握したのか、罠にかかったプレイヤーは計算式を解こうと必死に試みる。しかし、ここで極悪トラップが発動。突然の爆発とともに、激しい炎がプレイヤーを襲う。その後、部屋をのたうち回り生存をはかるも、あえなく息絶えるプレイヤー。と同時に、ハートのエモートを使用する柵の外側のプレイヤー。罠の成功に喜びを隠せない様子だ。ちなみにその後は、7名中4名が生き残り、3名が燃え尽きている。

Math Campと呼ばれる今回のトラップ部屋は、RedditユーザーのVault101manguy氏により建築された。同氏は、冒頭にも挙げたデスクロー迷宮やプレイヤーオーブンといったトラップ施設をはじめ、テスラアークをうまく活用したバラモンディスコなる小屋など、数多くのユニークな建築物を生み出してきたC.A.M.P.界の巨匠とも言える人物である。ブラックなユーモアを前面に出した施設を中心に建築しており、同氏の作る建物に入ったプレイヤーは悲惨な末路を辿ることが多い。そのため、コミュニティにて施設が話題となることもしばしば。今回のMath Campも例に漏れず、手ひどい仕打ちを受けるものとなっている。

一方でVault101manguy氏はRedditにて、嫌がらせだけがMath Campの目的ではないと説明している。というのも同氏は、他のプレイヤーが建築したトラップ施設を見ていく中で、ただ人を罠にかけて殺すだけではゲーム性がなく、面白味がないと感じたようだ。罠にハマったプレイヤーに生存手段を与え、あくまでゲームとして楽しんでもらうことが重要だと考えているという。その結果、今回は数学の計算式が生き残る術として採用されたということなのだろう。

またVault101manguy氏は、Math Campの建築におけるこだわりについても言及している。まず、部屋に入ったプレイヤーが何をすべきか即座に把握できるような導線づくりに時間を割いたようだ。たとえば、柵の近くには「後ろの壁にある文章を読め」との看板が掲げられており、プレイヤーがどの方向を向いていても問題文の場所が分かるようになっている。くわえてキーパッドと問題文の場所は、ともに巨大な矢印で示されており、どこに注目するべきなのか、一目で判別しやすいデザインに。そして罠にかけられたプレイヤーが全てを把握した時のみ、トラップを作動させるよう心掛けているという。

さらに、プレイヤーが死亡した際に落としたアイテムバッグは必ず取り戻せるようにしているとのこと。罠にかかったプレイヤーが再び訪れた際は、Vault101manguy氏がトラップ部屋まで同行する形でアイテムを返すようだ。ほかにも教室の掲示板に「数学の教科書9ページの宿題 月曜締め切り」との張り紙が貼られていたり、トラップ部屋のドア上部に「個別指導室」の文字があったりと、学校という舞台設定を活かした細かな演出にも力が入れられている。罠の内容こそ残虐だが、一方でプレイヤーに楽しんでほしいという愛に溢れた施設とも言えそうだ。

最後にVault101manguy氏は、『Fallout 76』におけるC.A.M.P.システムの可能性についてBethesdaに提言。C.A.M.P.は、プレイヤーとゲームワールドの間でインタラクティブな物語やイベントを生み出す重要な機能だと述べたのち、建築機能は他のプレイヤーにユニークな体験を与えられるものであるべきだと主張している。そして、今年配信予定の大型アップデート「Wastelanders」の実装とともにC.A.M.P.機能の拡充、しいてはゲームプレイ全体の自由度および選択肢の増加を願うとして、建築に対する熱い思いを締めくくっている。

ちなみに『Fallout 76』のコミュニティマネージャーLadyDevann氏は、今回のVault101manguy氏の作品に対して「アハハ、これは素晴らしい!また天才的なキャンプを作ったのね」と称賛のコメントを寄せている。Vault101manguy氏と公式との間で今後、何らかの新たなアイデアが生まれることに期待したいところだ。

Nobuya Sato
Nobuya Sato

最近Apexにハマり始めた人。幾度となく倒されながら高ランク帯を目指す。でも疲れる時もあるよね。その時はソロ専用ゲームをちょっとプレイして寝ます。

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