Nintendo Switchのパッケージ版ソフトに使用するカートリッジ「ゲームカード」は、これまで32GBが最大容量とされているが、2020年には64GBのものが登場するかもしれない。海外メディアAnandTechなどが報じている。
台湾に拠点を置く不揮発性メモリメーカーMacronixは12月9日、設立30周年を祝うイベントに合わせてプレスカンファレンスを実施。この中で同社設立者でチェアマン/CEOを務めるMiin Wu氏は、48層3D NANDを採用するフラッシュメモリチップの製造と出荷を2020年後半に開始し、最初の顧客は任天堂になると述べたという。具体的にどういった製品に使用されるのかについては明かされなかったが、本社に新設されたショウルームには、同社の技術を採用する製品のひとつとしてNintendo Switchが展示されていたとのこと(Taipei Times)。
Showcasing 30 years of success: As @MacronixM celebrates its 30th
anniversary, we're opening our new showroom that highlights the
breakthrough #NonVolatileMemory products and significant milestones that
have defined our success as an trustworthy partner to customers worldwide. pic.twitter.com/sypZkdLSub— Macronix (@MacronixM) December 10, 2019
Nintendo Switchにてフラッシュメモリを使用するものとしては、ひとつにはゲームカードが挙げられる。ゲームカードをめぐっては、任天堂は64GBのゲームカードを2018年後半に投入する計画だったが、技術的な問題により延期すると開発者に伝えたと、関係者の話として報じられていた(WSJ)。あくまで噂ではあるが、こうした背景からMacronixが来年に新たに製造開始するフラッシュメモリチップは、その技術的な問題を解決し、従来の最大容量を上回るゲームカードに採用されるのではないかと推測されている。
Nintendo Switch向けゲームの基本容量は、現状のゲームカードの最大容量である32GB以内に収められていることがほとんど。パッケージ版を販売するためには、そうせざるを得ないということだろうか。たとえば『ウィッチャー3 ワイルドハント』をNintendo Switch向けに移植したSaber Interactiveは、32GBをひとつの目安に最適化をおこなったことを明かしている(関連記事)。容量は少ないがよりコストの安いゲームカードを採用し、ユーザーに追加ダウンロードを求めるタイトルもあるが、すべてのタイトルにてそうした手法を利用できるとは限らないだろう。もしゲームカードの最大容量が倍増すれば、特に大型タイトルを手がけるメーカーにとって朗報と言えるかもしれない。
もっとも、64GBのゲームカードが2020年に登場するというのはあくまで推測でしかない。現状の容量ラインナップのままMacronix製品を採用するのかもしれないし、あるいはNintendo Switchの本体保存メモリーに利用される可能性もあるだろう。いずれにせよ、同社のフラッシュメモリチップがNintendo Switchに採用される点については可能性が高そうであり、2020年後半には関連する報告を聞けそうだ。