PS4『P.T.』通常は見られないゲームプレイ中の「ノーマン・リーダス」の顔が確認される


コナミが2014年にPS4向けに配信し、翌年配信終了した『P.T.』。謎の多いタイトルだったが、そのエンディングにて、本作は当時同社に在籍していた小島秀夫氏が手がける新作『Silent Hills』のプレイアブルティザーであったこと、そして俳優のノーマン・リーダス氏が主人公であることが明らかになった。

これによりプレイヤーは、それまでノーマンとしてプレイしていたようだと察することになるが、一人称視点を採用する本作のゲームプレイ中に、実際にその姿をはっきり確認することはできない。しかしTwitterユーザーのLance McDonald氏は12月12日、本作のカメラをハックすることで主人公の顔を捉えることに成功し、その映像を投稿している。

『P.T.』のゲーム内で、プレイヤーが主人公の姿を見ることができる場所としてはバスルームが挙げられる。洗面台に設置された鏡に自身の姿が映るためだ。しかし、その鏡はちょうど顔が映るあたりだけひどく汚れており、主人公が誰なのかは絶妙に見えそうで見えない。そこでMcDonald氏は本作のカメラをハックし、比較的汚れの少ない鏡の下部分に主人公の顔が映るよう、通常は動かせない下の方へと視点を下げている。

真っ暗闇に懐中電灯の明かりしかなく、また鏡の汚れもあって明瞭ではない部分もあるが、顔の特徴はノーマンそのもの。エンディングで見られた髪型とも一致する。もともと、通常のゲームプレイでも確認できるパーカーなどの服装から、エンディングのノーマンと同一人物であろうことはうかがえたが、これで明確になったと言えるだろう。ゲームプレイに使用できるノーマンのキャラクターモデルが、当時既に制作されていたことになる。また、懐中電灯を顔の横に構えて照らしていながらも、手には何も持っていないことなども分かる。

McDonald氏は、これまでにも『P.T.』へのカメラハックなどによる発見を報告していた。たとえば、プレイ中に時折遭遇するおぞましい女性の幽霊リサは、実はゲームプレイ中は常にプレイヤーの背後にいたことや(関連記事)、バスルームのバスタブに満たされた水にリサらしき女性の遺体がある、実際のゲームプレイでは見ることのできない(と思われる)シーンがゲームデータに収録されていたことなど(関連記事)。今回は新たな発見というよりも、これまで曖昧だった部分を明確にするという内容だったが、本作はティザーながら細部まで作り込まれた作品だったことを改めて知ることができたのではないだろうか。

なお、『Silent Hills』はその後開発中止となり、小島氏はコナミを退社。同作に携わるはずだったノーマン・リーダス氏や映画監督のギレルモ・デル・トロ氏は、今年11月に発売された小島氏の新作『デス・ストランディング』にて競演を果たすこととなった。