低評価を受けたPC版『セインツ・ロウ2』長年行方不明だったソースコードの発見により、オリジナル版開発元の手で改善へ

デベロッパーのDeep Silver Volitionは10月14日、『セインツ・ロウ2(Saints Row 2)』の発売11周年を記念したライブ配信を実施。この中で、PC版の改善をおこなう予定であるとファンに報告した。

デベロッパーのDeep Silver Volitionは10月14日、『セインツ・ロウ2(Saints Row 2)』の発売11周年を記念したライブ配信を実施。この中で、PC版の改善をおこなう予定であるとファンに報告した。海外メディアDestructoidなどが報じている。

『セインツ・ロウ2』のPC版は、コンソール版から1年遅れて2009年に発売。当時THQの傘下にあったVolitionが手がけたPS3/Xbox 360版は高い評価を受けたものの、PCへの移植は外部スタジオ(CD Projektの関連スタジオ)に任せたことが影響してか、パフォーマンスの最適化不足やバグなどにより評価を下げた。これを受けて続編『セインツ・ロウ: ザ・サード』では、PC版を含めすべてVolitionにて制作されることとなる(Shacknews)。

その後、親会社のTHQが2012年に破産。資産が競売にかけられ、Volitionや『セインツ・ロウ』シリーズの権利はKoch Mediaが獲得し、Volitionは同社傘下のDeep Silverに所属するDeep Silver Volitionとなった。そして現在は、当時THQブランドを獲得したNordic GamesあらためTHQ NordicがKoch Mediaを買収したため、Deep Silver Volitionもその開発スタジオのひとつとして活動を続けている。

Deep Silver Volitionは、破産したTHQの資産が競売にかけられた際に、『セインツ・ロウ2』のPC版のソースコードが失われたとファンに伝えていた。しかし、その後も捜索は続けられていたようで、今回おこなわれた配信の中で、もう最後という土壇場でソースコードを発見できたことを報告。これによって、就業時間外にではあるが、PC版の改善に取り組むことができるとしている。

具体的な内容としては、パフォーマンスや安定性の改善、描画距離の拡張、さらなるモニタの解像度への対応、オーディオの品質向上のほか、コンソール版にのみ配信されたDLC「Ultor Exposed」と「社内紛争」のリリース、そしてSteamworksへのサポートが挙げられている。本作のPC版では、もともとGameSpyが提供するオンラインサービスを採用していたが、2014年にGameSpyが閉鎖されたためオンラインプレイができない状態にあった。Steamworksを導入することでマッチメイキング機能が復活し、またModにも対応する計画とのこと。

Deep Silver VolitionのシニアコミュニケーションマネジャーのMike Watson氏は、PC版『セインツ・ロウ2』に存在した多数の問題を自ら改善することは、長年抱えてきた個人的なミッションだったとし、夢が叶ったようだとコメント。そして、本作をすべての面で美しいものに仕上げたいと述べている。

PC版『セインツ・ロウ2』はSteamGOG.comにて販売中。2017年には両ストアにて無料配布がおこなわれたことがあるため、ライブラリに入っているという方も多いかもしれない。なお、Deep Silver Volitionは現在『セインツ・ロウ』シリーズの最新作を開発中だ(関連記事)。こちらの続報にも期待がかかる。

 
Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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