Nintendo Switch『オーバーウォッチ』パッケージ版にはゲームカード無しとの海外情報。追加ダウンロード頻度や読み込み速度を考慮か

『オーバーウォッチ』Nintendo Switchのパッケージ版にはゲームカード無しとの海外情報。かわりに『オーバーウォッチ』のダウンロードコードが封入される。追加ダウンロード頻度や読み込み速度を考慮か。

Blizzard Entertainmentのチームアクション・シューター『オーバーウォッチ レジェンダリー・エディション』のNintendo Switch版が、10月16日にいよいよローンチを迎える。本作はダウンロード版のほかにパッケージ版も発売予定で、日本ではパッケージ版は11月29日発売予定とされているが、海外では同時発売。そのパッケージ版について、ゲームカード(ゲームカートリッジ)が同梱されないことが明らかになった。

欧州版パッケージの注意書き。本稿のヘッダー画像は北米版のもの。

米国任天堂公式サイトや、欧米の販売店に掲載された『オーバーウォッチ レジェンダリー・エディション』のパッケージ画像の表面には、地域によって表現はやや異なるが、ゲームカードが同梱されていないことを明記。そして、代わりにダウンロードコードが封入されており、本作のゲームデータはすべてダウンロードして入手する必要がある注意書きが確認できる。また、英国Amazonでは商品概要にも同様の記載があり、少なくとも16GBのストレージ空き容量が必要であると記されている。ちなみに、本作の日本版のダウンロードサイズは13GBだ。

Nintendo Switchゲームのパッケージ版では、基本的にはゲームカードが同梱されており、パッチやDLCは別として、特にダウンロードの必要なくプレイできる。もともとパッケージ版とはそういうものだろう。ただ、Nintendo Switchが2017年3月にローンチして半年ほど経った頃から、パッケージ版であっても追加のダウンロードを求めるタイトルが出てきた。たとえば『NBA 2K』シリーズや『DOOM』『L.A.ノワール』などはゲームカードのみでもプレイ可能だが、一部のゲームモードなどはダウンロードしないとプレイできない。

追加のダウンロードを求める理由としては、ゲームの容量がゲームカードに収まらないことが挙げられる。ゲームカードには容量の異なるいくつかの種類があり、大きなサイズのものを利用すればすべて収まるかもしれないがゲームカード自体のコストがかさむ。マルチプラットフォームタイトルにて、Nintendo Switch版のパッケージ価格だけ少し高いものがあると話題になったこともあったが、あまり大幅に価格を上げられない中でより多くの利益を確保するために容量の少ないゲームカードを採用し、追加ダウンロードという形で妥協しているものと考えられる。

そして近頃は、ゲームカードを同梱せずすべてのゲームデータをダウンロードしなければならないパッケージ版も、数は少ないものの見られるようになってきた。上に掲載した画像は、いずれもすべてのゲームデータをダウンロードする必要のあるタイトルだ。『Wolfenstein: Youngblood』のように20GBを超えるものもあるが、ジグソーパズルゲーム『Animated Jigsaws Collection』は1GB程度、『フォートナイト』も基本容量は約7GB。こうしたタイトルでは、ゲームカードのコストの問題はあまり大きくなさそうに思える。

『フォートナイト』に関しては、そもそもオンライン接続を前提にしたゲームであり、また定期的に追加されるコンテンツを楽しむ作品だ。上に挙げた基本容量は、配信開始当初は2GB程度だったことから分かるように、いずれにせよ追加ダウンロードを繰り返すことになる。そうしたタイトルにおいては、ゲームカードの必要性はあまりないのかもしれない。これは『オーバーウォッチ レジェンダリー・エディション』にも当てはまる。

また、かつてNintendo Switch版『フォートナイト』にてローディングのパフォーマンス低下の問題が発生した際に、開発元Epic Gamesはプレイヤーに対して、ゲームデータをNintendo Switch本体の保存メモリにインストールするよう推奨していた(関連記事)。ゲームカードはデータの読み込みスピードという点で、本体保存メモリやmicroSDカードと比べてもっとも不利だとされるため、ゲーム体験を優先してパッケージ版であってもあえて使用を避けたのかもしれない。

ダウンロード販売の普及が加速している現在においても、パッケージ版を好むというゲーマーは根強く、Limited Run Gamesのようにダウンロードゲームを数量限定でパッケージ化するメーカーが熱い支持を受けている。そうした熱心なファンにとっては、ゲームカードのないパッケージ版はナンセンスに映るようで、Redditでは「プラスチックの無駄使いだ」といったコメントも見られる。ただ、コレクションとして手元にパッケージを残しておける点では、小売店でダウンロードコードのみを購入するよりも価値があると言えるかもしれない。

なお、11月29日に発売されるNintendo Switch版『オーバーウォッチ レジェンダリー・エディション』の国内パッケージ版について、予約受付をおこなっているAmazonなどでは、日本版でもゲームカードを同梱しないのかどうかについては現時点では記載はない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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