『CoD』で負けた相手に報復するために、虚偽通報の嫌がらせ「Swatting」の“依頼”をした人物に実刑判決


今月9月15日、オハイオ州に住まう19歳の少年Casey Viner氏が有罪判決を受けたとBBCなどが報じている。懲役15か月の実刑判決である。釈放後も2年にわたりゲームのプレイが禁じられるという。氏は、虚偽の911番通報により他人の家などに警察部隊を出動させる「Swatting」を依頼した罪に問われている。一連の事件は、2017年末に『Call of Duty: WWII』のトラブルで、無関係の人物が死に至らしめられた悲劇に関連したものである(関連記事)。

Image Credit : NBC News

かなり複雑な事件であるので、その概要をおさらいしておこう。2017年12月に『Call of Duty: WWII』を遊んでいた、今回有罪判決を受けたCasey Viner氏は、1.5ドルの賞金をかけチームデスマッチを遊んでいた。しかし同じチーム内にいたShane Gaskill氏とトラブルになり、フレンドリーファイアーを繰り返し敗戦。敗戦しわずかな賭け金を失ったことに怒ったCasey Viner氏は、Shane Gaskill氏を脅迫。Shane Gaskill氏はCasey Viner氏に自分の住所を伝えたが、それはまったく無関係の男性の住所だった。Casey Viner氏は、Twitterにて日常的にSwattingの仕事を請け負うTyler Barriss氏に、Shane Gaskill氏から教えられた住所へのSwattingを依頼。何も関連のない28歳のふたりの息子を持つ男性のもとへ通報を受けたSWATが出向き、突撃による銃撃を受けて男性が死亡してしまったという流れだ。

依頼を受けてSwattingをおこなったTyler Barriss氏は、死亡を引き起こした虚偽通報やサイバーストーキングなど51もの罪に問われており、今年4月に懲役20年の判決を受けている(関連記事)。その後、自身は手を汚していないながらも、Swattingを依頼したCasey Viner氏の罪を問う裁判が展開されており、今回判決が出た形である。Stephen McAllister判事は、今回の件について、Swattingは向こう見ずで危険な行為であり、惨劇を引き起こし得る事例であることを証明することになったとコメント。決して単なるいたずらではなく、ゲーマー同士の揉め事を解決するものではないとし、ゲーマーたちのSwattingという習慣は、コミュニティで自治しなければならないと警鐘を鳴らしている。

法廷にてCasey Viner氏は、自身の罪を認めがっかりとうなだれており、起こってしまったことについて「本当に申し訳ない」とコメント。来る日も事件のことについて考えていたという。一方で事件に関わった警察官については、不条理な行動を起こしたという証拠が欠けているがゆえに、罪には問われていないそうだ。

米国では、Swattingは現在でもおこなわれており、つい最近でもFortnite World Cup のソロ部門優勝者であるBugha氏がSwatting被害にあっていたように(関連記事)、住所などがわかりやすいストリーマーを標的となり悪質ないたずら行為が続けられている。Swattingを実際にした者だけでなく、依頼をした人物にも具体的な量刑が下ったことが、こうした悪質行為の抑止になることを祈るばかりだ。