アークシステムワークスは9月5日、『熱血硬派くにおくん外伝River City Girls』をNintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One向けに発売した。PC(Steam)版も予定されており、こちらは米国時間に合わせて同日発売される。価格はNintendo Switch/PS4版が3132円、Xbox One版が2900円(いずれも税込)。
本作は「くにおくん」シリーズの最新作で、『シャンティ』シリーズなどで知られるアメリカのインディースタジオWayForwardが、アークシステムワークスの監修のもと開発したベルトスクロール・アクションゲームだ。
『熱血硬派くにおくん外伝River City Girls』の主人公は、くにおの彼女「みさこ」と、りきの彼女である「きょうこ」の最恐女子高生コンビ。ふたりは補習を受けていたところ、くにおとりきが何者かに誘拐されたというメッセージがスマホに入ったため、教室を抜け出し救出に向かう。主人公のふたりは『新・熱血硬派 くにおたちの挽歌』などにも登場したキャラクターで、同作と同じく頭身の高いデザインを採用している。みさこは普段はクールだが感情表現が攻撃的になる女の子。一方のきょうこは、カワイイものに目がない天然娘である。
本作は、ソロもしくはローカルでの2人協力プレイに対応しており、ソロの場合はみさこかきょうこのどちらか1体のみでプレイする(ゲームを進めると、くにおとりきもプレイアブルになる)。CPUとタッグを組んだり、プレイ中のキャラクター切り替えはできない。ただ、ゲーム開始時にキャラクターを選択できるため、同じセーブデータでふたりを使い分けることは可能だ。また、2人協力プレイ時の同士討ちはON/OFF可能。難易度はノーマルとハードから選択できる。
本作には、みさこときょうこが通うリバーシティー高校や、アップタウンのような市街地など合わせて6つのステージが存在し、それぞれ数多くのエリアによって構成されている。最初からすべてのエリアにアクセスできるわけではなく、物語を進めることでエリアがアンロックされていく形。なお各ステージはすべて繋がっており、いつでも自由に移動できる。バス停にてファストトラベルも可能だ。
主人公のふたりは、くにおとりきがどこにいるのか分からないため、「くにおくん」シリーズの過去作にも登場したさまざまな人に聞き込みをしていく。その中では、たとえばお使いを頼まれたり、特定のアイテムを入手したり破壊したりといったクエストも発生し、それをこなすことで次の展開へと進んでいく。
ステージ内では、チンピラや女子高生、警官やチアリーダー、プロレスラーなどさまざまなキャラクターが襲ってくるため、容赦なくぶちのめしていこう。攻撃は、連打するだけでコンボが繋がるクイックアタック、モーションは大きめながら強力なヘビーアタック、ゲージを消費する特殊技があり、また「くにおくん」シリーズらしく、ステージ内に落ちているアイテムを拾って武器にすることもできる。アイテムにはゴミ箱やベンチのほか、ヨーヨーやボール、ブーメランなども。ダウンさせた敵を掴み、別の敵に叩きつける技も使えるようになる。
敵を倒すと経験値を獲得し、同時にお金をドロップする。経験値は、一定値まで貯まるとキャラクターがレベルアップ。ステータスがアップし、新たな技がアンロックされることも。技は、街の道場にて購入すれば覚えることができる。みさこときょうこでは共通の技もあるが独自の技も多く、みさこはパンチ技メイン、きょうこは蹴り技メインという大まかな特徴がある。トータルでの性能差はあまりないと言えるが、プレイスタイルによっては好みが分かれるかもしれない。技の中には敵を浮かせるものもあり、2人協力プレイ時のコンビネーションに活かせそうだ。
特に市街地には多くのショップがあり、ショッピングするにはお金が必要である。購入できるアイテムは、体力を回復させるものがもっとも種類が豊富。ステージ内ではあまり頻繁に入手できないためか、飲食店だけでなくさまざまなショップが回復アイテムを扱っている。また、いわゆるPerkとして機能するファッションアイテムを売っているショップもあり、ふたつまで同時に装備可能。たとえば、男性の敵に対するダメージ量をアップさせたり、武器アイテムが壊れるのを防いだり、あるいは特定の条件で体力が一定値回復するものなどがある。
敵はエリアを移動して戻って来れば復活するため、お金を稼ぐ手段には困らないが、死ぬと所持金が減ってしまう。ちなみに2人協力プレイ時に死んだ場合は、魂が抜けていってしまう前に、もう片方のプレイヤーにゲシゲシ踏んづけてもらうことで目が覚め、体力半分の状態で復活できる。
敵を攻撃して弱らせると命乞いしてくる場合があり、その敵を許してやると舎弟にすることが可能だ。舎弟になった敵は、バトル中に呼び出して敵を攻撃させることができる。大技を1回繰り出して帰っていくため、あくまで攻撃手段のひとつという感じだが、特にソロプレイ時には役立つだろう。舎弟にしたキャラクターは、メニューから簡単なプロフィールや特徴を参照でき、収集要素としての側面もある。
クエストをこなしてステージを進んでいくと、最後にはボスが待ち受けている。たとえばリバーシティー高校では、他校生ながら警備員のバイトをする「みすず」が登場。クロスタウンでは、悪のパワーに目覚めた「やまだ」と戦う。いずれも「くにおくん」シリーズでおなじみのキャラクターだ。『ダブルドラゴン』シリーズのキャラクター「アボボ」が待ち受けるステージも存在する。
ボスはそれぞれ特徴的かつ強力な技を持っており、体力が一定値まで減るごとに攻撃パターンを変えてくる。また、ボスによってはステージが横軸の移動だけになるなどゲームプレイが変化することも。それぞれの攻撃パターンを見極めて攻撃を叩き込んでいこう。どうにも歯が立たない場合は、通常エリアに戻ってレベルを上げたり、技を増やして再挑戦すると良いだろう。
『熱血硬派くにおくん外伝River City Girls』のゲームプレイは、「くにおくん」シリーズらしさを開発元WayForwardなりに解釈・アレンジしたものだと言える。また、細部までこだわったドット絵のアートワークやキャラクターのモーションは、同スタジオの実力がうかがえる見所のひとつ。全編にわたってキャラクターたちがよく喋るのも大きな魅力だが、英語ボイスのみである点は、日本人的にやや残念に思う人もいるかもしれない。
漫画風のカットシーンにて物語を伝える手法も面白い。カットシーンでは、みさこときょうこの出会いなど、シリーズのキャラクターの過去を知ることができる場面もあり、本作は「くにおくん」ファンにとって興味深い作品となるだろう。また「くにおくん」をよく知らなくても、ベルトスクロール・アクションゲームが好きな方にとって注目すべき作品である。
[キョウコ]
ホントに上げたかったのはこっち。キマってる???#rivercitygirls pic.twitter.com/pimKa6gu6T— アークシステムワークス公式ツイッター (@ARCSY_Event) August 30, 2019