PC用ミステリーADV『シロナガス島への帰還』完全版のDL配信スタート。絶海の孤島「シロナガス島」で繰り広げられる殺人事件

島根県出身の作家である鬼虫兵庫氏は8月16日、PC用ミステリーアドベンチャーゲーム『シロナガス島への帰還』完全版の販売を開始した。価格は500円。

島根県出身の作家である鬼虫兵庫氏は8月16日、PC用ミステリーアドベンチャーゲーム『シロナガス島への帰還』完全版の販売を開始した。価格は500円。BOOTHにて、ダウンロード版の配信が行われている。『シロナガス島への帰還』は、2018年末に開催された「コミックマーケットC95」にて通常版が公開された同人ゲーム。通常版のプレイ時間は6時間程度。今回公開された完全版は、本編後の一幕を描いた2時間程度のおまけシナリオと、CGライブラリを追加したものだ。通常版を完走済みのプレイヤーへ向けて、おまけシナリオをいきなりプレイ可能にするパッチの配信も行われている。なお、冬を目安に英語にも対応したSteam版が配信が予定となっている。

『シロナガス島への帰還』は、アリューシャン地方にある架空の島「シロナガス島」を舞台に繰り広げられるノベルADV。主人公の池田戦は、ニューヨークに事務所を構える私立探偵。ニューヨークに住む名家の娘、エイダ ヒギンズから、父の遺書に書かれていたシロナガス島の調査を依頼されたことをきっかけに、絶海の孤島へと足を踏み入れる。

完全記憶能力を持ち、主人公池田戦の助手として活躍する一方で、初対面の人間とはまともに会話することも出来ず、頭脳以外が色々と残念な少女出雲崎ねね子。名門エッジワース家の令嬢であり、父の代役としてシロナガス島を訪れた少女アキラ エッジワース。シロナガス島に隠された秘密の一部を知っており、いつも酒を飲んでいる男ジェイコブ ラトランドなど、多数の怪しげな登場人物たちがシロナガス島には集っている。池田戦と出雲崎ねね子の2人は、何者かによって外界との連絡手段が絶たれたシロナガス島で、隠された真実や巻き起こる不可解な事件の数々に巻き込まれていく。また、おまけシナリオでは本編後の時系列を舞台に、シリアスでサスペンスなストーリーの描かれた本編とは一変して、少し不思議で混沌とした状況が描かれている。

本作はテキストベースのADVゲームらしく、テキストを読みつつ選択肢を選ぶことで物語が進行する。全体的にテキストが読みやすく、シナリオが綺麗にまとまっているのは勿論、犯人当てや時間制限付きのイベントシーン、直接画面内に描かれたオブジェクトをクリックして捜査を進めていく場面もあり、ただ読み進めていくだけでなく、1本のゲームとしてメリハリをもって遊べるように仕上げられていた。。また、一部のシーンでは思わず驚いてしまうような演出も用意されており、鬼虫兵庫氏の作品に対する熱意が感じられるだろう。なお、『シロナガス島への帰還』の価格は500円とお安い。過去のブログ記事によると、多くのプレイヤーに遊んでもらいたいことがこの価格設定の理由となっているようだ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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