『Apex Legends』の新ルートボックスが高すぎると批判集中。全種揃えればレアアイテムの「購入権」を得られるという仕組みにも嘆き

『Apex Legends』の最新アップデートにより、8月14日から「アイアンクラウン コレクションイベント」が開幕した。目玉となるのは期間限定ソロモードの実装。こちらに関しては開幕早々チーミング報告が大量に寄せられており、日本ではTwitterでトレンド入りするほどに不正行為が盛んとなっていた(関連記事)。

だが海外メディアやコミュニティでは、チーミングよりもマネタイズの方に目が向けられている。同イベント中には期間限定のルートボックス(コレクションイベントパック「アイアンクラウン」)が購入可能。こちらは提供アイテムが偶然性により決まるランダムアイテム課金品であり、「期間限定・重複なし・高レアリティ確定」ということで、通常のルートボックスよりもプレミアム感がある。提供割合もスーパーレア50%、レジェンダリー50%と良心的だ。

では同イベントパックの何がプレイヤーの反感を買っているのだろうか。論点は大きく3つに分けられる。(1)通常Apexパックの7倍(700Apexコイン=約700円)という高価格(2)わずか2個という無償取得可能個数の少なさ(3)全24種の提供アイテムを揃えると別アイテムの「購入権」を得られるという仕組み。この3つである。

一番わかりやすいのは(1)の価格設定の問題だろう。単純にルートボックス1個の価格として高すぎるというわけだ。スーパーレア以上のアイテムをゲーム内ストアで直購入するよりは低価格であるが、提供アイテムがランダムであり、欲しいアイテムを手に入れるまでに必要な出費額が運により変動することや、期間限定ゆえに2週間という短期間のうちに出費が集中することを踏まえると、ユーザーフレンドリーとは言いにくい。ほかのF2Pバトルロイヤルゲームのルートボックスの相場と比べても高額だ。

(2)の無償取得分が最大2個しかないという点も、ユーザーの不満に影響している(同イベント中のチャレンジを完了することで無償入手)。仮にゲームを長時間プレイすることで、より多くのイベントパックを無償取得できる仕組みになっていれば、「時間のある人は無償取得、時間がない人は有償取得」という風に、基本プレイ無料タイトルのマネタイズモデルとして納得し得るバランスになっていただろう。筆者個人としては、無償取得可能な個数を調整するだけでも印象は大きく変わると考えている。有名ストリーマーのShroud氏も、無償取得分が最大2個のみという点には「そんなわけないだろ」と驚きを見せていた(Dexerto)。

(3)は課金施策として特に攻めていると感じる点である。イベントパック全24種を揃えると、ブラッドハウンド用のスーパーレジェンドセット(レイヴンズバイト)の購入権を得られるというもの。全24種揃えた上で、3500Apexコインを支払うことでようやく入手できる。つまりスーパーレジェンドセットを手に入れるには、18900~20300Apexコインが必要ということになる。

日本で言う、明確な規制対象となるコンプリートガチャに該当するわけではないし、イベントパックを最大24個買えば、確実に購入権を得られる。だが2週間という短期間で2万円近くの高額課金を誘引する手口であり、強気の課金施策とは言える。なおスーパーレジェンドセットは、イベント終了後に通常のApexパックより入手可能となる。約3500円相当の金銭価値があるという実績を作った上で、有償ルートボックスの排出アイテムリストに組み込む点には、金銭の損得という観点からも懸念が生じ得る。
(2019/08/19 16:25追記:論点3について説明補足)

イベントパックおよびスーパーレジェンドセットが高すぎるという点は、PC GamerPolygonなど複数のメディアが取り上げており、強欲さを覗かせる販売元・開発元の判断を嘆くredditユーザーMr-LLoydizle氏の投稿には、すでに3万近くの賛成票が集まっている。有名ストリーマーのDr DisRespectも「いろんなショップを見てきたけど、なんだこれは」と呆れ気味に感想を漏らしていた(reddit)。

一方で、イベントパックから排出されるスキンアイテムのクオリティに関しては、高く評価する意見が多い。『Apex Legends』はリリース当初から魅力的なスキンアイテムが少ないと指摘されてきたが、イベントパックには品質の伴うスキンアイテムが多い。欲しいアイテムがあるからこそ、手を出しにくい課金モデルを残念がる声が多いのだろう。

『Apex Legends』初期から配信を続けてきたShroud氏も、イベントパックの内容には満足している様子であった。ただイベントパックの仕組みについては、現代のF2Pゲームにおいてマイクロトランザクションは不可欠であるものの、改善の余地はあると述べていた。報酬のランダム性は開発元が収益を上げる上で必要な要素であると理解を示しつつ、何をアンロックするのかプレイヤーが選択できる方法があれば好ましいとも意見している。

全体的にマイクロトランザクションの存在そのものではなく、イベントパックの価格帯と仕組みが懸念視されているのが現状。また最近では海外でのルートボックス規制に向けた動きや、ルートボックスという仕組みそのものに対する印象悪化もあり、今月には『ロケットリーグ』が有償ルートボックスの廃止を発表するという事例も発生した。ルートボックスを販売するにしても、良心的な実装方法が求められる傾向にある。『Apex Legends』開発元のRespawn Entertainmentは、『タイタンフォール』シリーズにてユーザーに受け入れられやすいマネタイズ手段を心がけてきた。コミュニティとの対話の重要性を強調してきたRespawnは、はたして今回のコミュニティの反応に対し、どのような姿勢を取るのだろうか。

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