悪夢そのもののような2Dアクション『不思議な夢の海のとばり†ナイトメア†』配信開始。世界一残機が奪われるゲームを目指した作品

同人ゲームサークル「ですのや☆」は、超高難易度2Dアクションゲーム『不思議な夢の海のとばり†ナイトメア†』を配信開始した。『不思議な夢の海のとばり†ナイトメア†』は、世界一残機が奪われるゲームを目指して開発された悪夢のような2Dアクションゲーム。

同人ゲームサークル「ですのや☆」は、超高難易度2Dアクションゲーム『不思議な夢の海のとばり†ナイトメア†』を、BOOTH/DLSite/メロンブックスDLにて配信開始した。『不思議な夢の海のとばり†ナイトメア†』は、『不思議な夢の海のとばり』をベースに、世界一残機が奪われるゲームを目指して開発された、悪夢のような2Dアクションゲーム。ナイトメアを冠するに相応しい、過酷な戦いが待ち受ける作品だ。対応プラットフォームはPC(Windows 7以降)。価格は1080円(BOOTHのみ1000円)。なお、本作は8月9日から8月12日まで開催された「コミックマーケット96」4日目の会場内で頒布された作品となる。

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『不思議な夢の海のとばり†ナイトメア†』に触れる前に、オリジナルである『不思議な夢の夜のとばり』について少し紹介したい。『不思議な夢の海のとばり』は、常識的な難易度のステージクリア型2Dアクションゲーム。プレイヤーが操作するのは、魔法の杖を持ち、殴った相手の魔法を獲得できる少女とばり。彼女が夢の中で助けを求める声を聞き、冒険の旅に出る作品だ。

敵から取得出来る魔法には、炎を撃ち出す「ファイア」や泡を飛ばす「アクアバブル」などオーソドックスな魔法から、空中での2段ジャンプを可能にする「エアバウンド」や水面に浮かべるようになる「ホバー」など、多様な能力が設定されている。ゲームとしての特徴は、2個まで所持できる多彩な魔法と、魔法を駆使して進んでいくステージギミックにある。

ゲーム序盤こそ鳴りを潜めているが、中盤以降は「ファイア」で草を燃やしたり、どうやって進んでいけば良いのか考えながら遊ぶようになっていて、パズル要素が強め。クリアだけでなく星を集める際には、それなりに頭を使うことになる。とばりはステージをクリアすると魔法を何故かその場に置いてくるので、1ステージごとに完結していることもポイントだろう。なお、終盤のステージやクリア後のおまけコースは、かなり歯応えのある難易度設定となっているので、物好きな死にゲーマニア以外にはまずはオリジナルの『不思議な夢の海のとばり』をオススメしたい。

そんな魔法を使って進んでいく王道2Dアクションゲームに殺意を詰め込み、悪夢で染め上げたのが『不思議な夢の海のとばり†ナイトメア†』だ。『不思議な夢の海のとばり』の全ステージが大変なことになったバージョンという表記もあるが、正直原型を留めていない。慈愛に満ちていたステージは、即死する赤いトゲや不安定な足場でいっぱいに。ステージギミックの難易度もゲーム序盤から飛ばしており、残機を容赦なくすり潰しに来る。ステージのあらゆるところにこれでもかと設置された1UPは、命の価値を表現しているようだ。筆者がプレイしているのはまだゲーム序盤の1Wだが、既に本作の過酷さは十分すぎるほど伝わってきている。

だが、本作は面白い。難易度が高いので疲労もするし、フラストレーションの溜まる瞬間は当然ある。それでもステージギミックを解き明かし、キャラクターを操作しきった時の気持ちよさは高難易度のゲームならではだ。製品版付属のreadmeには『不思議な夢の海のとばり』開発時に「魔法の使い方とかもっと極めたステージを作る欲望が残っていた」ことが開発の動機として語られているが、本作にはシステムをギリギリまで活用したギミックとの戦いが搭載されている。

まだ序盤ということもあってか、そこまで高い操作精度も要求されない上、中間も多めに設置されている印象なので、快適に死にながら少しずつクリアに近づいていけることは、本作の魅力と言えるだろう。。また、ゲーム内のショップではヒントが解禁出来るので、ギミックでいつまでも詰まってしまうパターンも回避出来るようになっている。なお、初見のプレイヤーへ向けた警告がストアページ上などに記載されているがそれは冗談ではなく、「コミックマーケット96」の会場においても過去作をプレイ済みかどうかの確認がなされていた。序盤からおかしな難易度の作品になっているので、購入の際には最低限覚悟を決めておいたほうが良いかもしれない。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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