【UPDATE】うんこイベントに展示されている『うんこレース』が、今年話題となった“寿司が走るゲーム”に似すぎているとして批判を受ける
個人開発者ksym氏が開発中の3Dレースゲーム『寿司がはしるやつ』。ユニークなアイデアとして今年に入り注目されたが、同作に酷似したゲームが登場したとして、SNS上で話題となっている。『寿司がはしるやつ』は、寿司が舗装されたコースを駆け抜ける“次世代寿司レーシングゲーム”。スピード感溢れるエフェクトと、シャリの上でぷるぷる震えるネタ。宙に浮かぶいくらや柔らかいいなり寿司。マグロやうにの軍艦巻きなど寿司が走ること自体もそうだが、異様な世界観や壁に触れるとクラッシュしてゲームオーバーになる高めの難易度も相まって、注目を集めている作品である。
寿司がはしるやつ(開発中) pic.twitter.com/O67mbGGWnH
— ksym (@mt_kuso) January 15, 2019
そんな『寿司がはしるやつ』と酷似していると話題になっているのが、うんこが走るゲーム『うんこレース』だ。『うんこレース』は、アカツキライブエンターテインメントが運営し、カヤックが企画制作を手掛ける「うんこミュージアム」TOKYO会場内の「クソゲーセンター」内に展示されているゲームの一つ。ゲームが始まると、ピンク色のうんこが集中線のエフェクトを伴い、ぷるぷると震えながら街灯に照らされたコース上を奥へと進んでいく。加速ゾーンに触れて加速度を獲得している様子や、カーブで曲がりきれずゲームオーバーとなるところまでが確認できる。8月8日に『寿司がはしるやつ』開発者のksym氏がSNS上で抗議し始めたことにより、この問題は認識され始めた。
https://twitter.com/unko_museum2019/status/1159794623109160961
https://twitter.com/mt_kuso/status/1085081230746431488
3D空間に設置されたコース上を、何かが走るゲームは珍しいものではない。『寿司がはしるやつ』は、寿司が高速でコースを駆け抜ける3Dレースゲームだが、同じ寿司を題材に3D空間を走るゲームなら、ふりーむでは2015年に公開されたフリーゲーム『高速廻転寿司』がある。高速で3D空間を走るゲームなら、『F-ZERO』シリーズや『ワイプアウト』シリーズなど枚挙にいとまがないほどだ。
パクリ。という点についてざっくり言うと、一般的なレースゲームのフォーマットをベースに「うんこが走るレース」を作ったとして、自機の挙動、カメラ制御、画面構成、エフェクト、ゲーム性(難易度の高い死にゲーとのこと)等の各要素がここまで酷似することは有り得ない、との判断からそう考えてます
— ksym (@mt_kuso) August 10, 2019
つまり、ただうんこがコース上を走っているだけなら問題なかったのだが、トレイラーを見比べればksym氏が『うんこレース』に関わっているのではないかと思わせられるほど、両者はよく似ている。『寿司がはしるやつ』の開発者ksym氏も具体的に類似しすぎている点を指摘している。
たとえば、一般的なレースゲームのフォーマットをベースにゲーム作ったと仮定した場合、寿司とうんこの挙動や、カメラの制御やエフェクト、難易度の高さなどの要素が、ここまで酷似することはありえないという。それでもトレイラー公開当初は傍観するつもりだったのだが、オリジナルコンテンツであるかのような既成事実を作られてしまう点と、家庭用展開により競合してしまう可能性から、懸念してやんわり釘をさすツイートをしたという。氏の指摘後、開発関係者のツイートが一斉に消滅。さらに関係者からフォローされていたが、フォローを外されたという。そうした経緯もあり氏は、「うんこミュージアム」公式アカウントに抗議を寄せたようだ。
以前にも穴になるゲーム『Hole.io』が、それ以前に発表されていた、同じく穴になるゲーム『Donut County』のアイデアを盗んだのではないかとして開発者から抗議されていた(関連記事)。ゲームを作る以上類似点が生まれることは避けられないが、あまりに類似しすぎれば疑問を呈されてしまうのは自然。リソースに限りのある個人開発者のゲームを、法人会社が参考にするとすれば、開発者側が危機感を覚えるのも無理はない。イベント限りの企画であったとしても、抗議せざるを得ないだろう。
AUTOMATON編集部は現在、アカツキライブエンターテインメントとカヤックに対しコメントを求めている。続報があり次第、その内容をお伝えする。
【UPDATE 2018/8/10 23:10】
カヤックは、『うんこレース』について、8月10日夕方に提供を中止したと発表した。ksym氏から類似点の指摘を受けて調査を行った結果、オマージュの域を超えて酷似していると判断したことから、提供中止の判断がなされたそうだ。開発者のksym氏と、関係者への謝罪と共に、発表は締めくくられている。同様の声明が、アカツキライブエンターテインメントから弊誌に向けておくられている。