『フォートナイト』で名をあげたNo1ゲーム実況者Ninjaが、マイクロソフトのMixerへ電撃移籍。Twitchの認証マークは外れる


TwitchストリーマーのNinjaことTyler Belvins氏は、Twitchの配信を引退し、今後はMixerでのみ配信を行うことを発表した。同氏はMicrosoftの配信プラットフォームMixerでのみ配信し、世界最多の登録者を持つTwitchでの活動を封印することになる。

Ninja氏はTwitterとYouTubeに投稿した記者会見をテーマにした動画で、「これから話すことは多くの人に衝撃的なものになると分かっています。私はこれからMixerでのみ配信をします。」と述べた。動画内の記者に対して「これは私が自分のルーツに立ち返る良いチャンスだと思っていて、私がなぜストリーミングが大好きになったのか思い出させてくれます。」と語った。ちなみにNinja氏はかつて『Halo』シリーズを熱心に実況していた過去がある。

Ninja氏はバトルロイヤルゲーム『フォートナイト』を中心に配信を行うストリーマー。Twitchのフォロワー数は世界最多で、8月2日の時点で1470万人となっている。2018年の時点では月に50万ドル(5500万円)以上を配信で稼いでいるとも言われるトップストリーマーだ。また、2018年にもっとも視聴されたストリーマーでもあり、二億時間以上も視聴された。ちなみに二位は『League of Legend』のRiot Gamesの9900万時間、3位はShroud氏の9700万時間となっており、Ninja氏の配信はTwitchではダントツで人気のコンテンツだった。

Image Credit: The Esports Observer

MixerはNinja氏を迎えるにあたり、チャンネルのサブスクリプションを期間限定で無料にした。サブスクリプションの登録者は広告が無くなり、コメントでNinja氏の絵文字が使用できる。MixerのチャンネルにはNinja氏を歓迎するコメントが流れている一方、TwitchのNinja氏のチャンネルからは認証マークが外れており、同氏の引退を悲しむユーザーがコメントを残している。

一方TwitchはPolygonにたいして、「TwitchでNinjaの配信を視聴することを長年楽しんできました。そして彼が、彼自身と彼の家族、ゲームのコミュニティのために成し遂げた全てのことを誇りに思っています。」とコメントした。

MixerはMicrosoftが運営する配信プラットフォームで、一秒未満という非常に低遅延な配信や高画質での視聴が可能。また4人共同で配信でき、Xbox Oneユーザーは配信者と視聴者で操作を共有することも可能だ。MixerはAmazonが運営するTwitchに比べて知名度や人口は及ばないが、Twitch以上に快適でインタラクティブなサービスを提供している。

なぜNinja氏は多くのファンがいるTwitchをやめてMixerに移行するのか、理由は明らかではない。推測の域は出ないが、MixerがNinja氏に多額の金額の契約を提示したと考えてよさそうだ。Kotakuは、Mixerは人気ストリーマーの獲得のために100万ドルを提示することもあると解説した。またGame RantもMixerがNinja氏にどれだけ金額を用意したのか考察しており、TwitchストリーマーのForsen氏によるとその額は600~800万ドルになると見積もっている。

Ninja氏配信プラットフォームを移行する一方で、既存のRed Bullとの契約はまだ続けるようだ。会見動画ではRed Bullの“冷蔵庫”がNinja氏に無言の質問を投げかけ、Ninja氏は「今まででもっともいい質問だね。」と答えるなど、シュールなやりとりをしている。

冷蔵庫の質問内容はともかく、MixerはNinja氏のファンを引き込み、プラットフォームの視聴を伸ばす狙いがあるはずだ。Ninja氏が彼の人気の基盤となるTwitchを引退するのは意外だが、これからはNinja氏の活躍を見るにはMixerを使う必要がある。Twitchに比べると利用人数的にはまだ小さな配信プラットフォームだがこの機会にMixerに登録してみるのもいいだろう。