テンセントと株式会社ポケモンが『ポケモン』新作タイトルを共同開発中。「大型タイトル」「Nintendo Switch向け」などが有力視

画像は『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』より

今月7月22日、中国大手会社テンセントの公式Weiboアカウント「テンセントゲーム」(中国語:腾讯游戏)は、テンセント傘下にあるゲーム開発スタジオTIMIグループ(中国語:天美工作室群)が株式会社ポケモンとパートナー契約を結び、共同で新たな『ポケモン』タイトルを開発していると発表した。後に、中国の「ポケモン」公式Weiboもこの情報を承認している。

公式発表された内容の詳細

スタジオTIMIは、テンセントの社内ゲームスタジオの中でもっとも「実力ある」スタジオの一つだ。TIMIの代表作としては、中国で常にトップクラスの人気を誇る『伝説対決 – Arena of Valor』(中国タイトルは『王者荣耀」』)のほか、今後リリースするタイトルとしては『Call of Duty® モバイル』などが挙げられる。なお、今回の発表では新作タイトルの内容について詳しい説明は一切見受けられず、ゲームの対応プラットフォームについてもはっきりしないようだ。

中国国内のコメントを見ると、モバイルゲーム制作に携わってきたテンセントが開発するゲームということで、今回の新作タイトルもモバイル向けではないかの意見が主流だ。しかし、日経などの報道によると、合同開発の新作タイトルは、これからテンセントが中国向けに販売するSwitchの新タイトルだと予測した。テンセントは今年4月ごろ、任天堂と協業すると発表し、中国市場に向けてゲーム機Nintendo Switchを販売すると発表した(関連記事)。今回のタイトルは、こうした動きとリンクしたものであると予測したのだろう。

実際、今回のポケモン新タイトルがNintendo Switch向けのものであるという予測をある程度裏付ける情報がある。熱心なファンがテンセントの公式サイトを訪れ、スタジオTIMIグループの新たな求人情報を発見した。求人の内容としては、スタジオがインターナショナルチームを結成し、これから国際的に影響力があるIPなどの(おそらくは)共同開発をリードできる人材を探しているとのことだ。求人情報を詳しく見ると、「AAAタイトルの開発経験が必須」と明記されているほか、ポケモンというIPに深く理解がある人材を求めているようだ。この求人情報は、おそらく今回のタイトルのためのものだろう。

また、スタジオTIMIグループが開発したゲームの中には、すでにNintendo Switch向けに発売されていたタイトルがある。『伝説対決 – Arena of Valor』だ。同作は、モバイルとNintendo Switch向け両方に配信しているタイトルである。この開発経験を活かすならば、今回のポケモン新作も両プラットフォーム対応の形で販売されうるだろう。ゲーム形式は『伝説対決 – Arena of Valor』と同様に、MOBAになるのかもしれない。

ちなみに株式会社ポケモンは先日、同じくゲーム業界で存在感を見せる中国のIT企業のNetEaseと協業し、モバイルゲーム『ポケモンクエスト』を中国展開すると発表していた。 ビジネスの関係性はそれぞれ異なると思われるが、中国の両雄と取引を進める株式会社ポケモンのビジネスには今後も注目が集まりそうだ。