Nintendo Switchの生産の一部が中国からベトナムに移管へ。米中貿易の追加関税の回避は否定

任天堂の広報担当者は7月9日、ロイターに対しNintendo Switchの生産の一部を中国からベトナムに移管することを明かした。ゲームハードNintendo Switchは外部に委託してほぼ全てを中国で生産しているというが、その一部を今夏からベトナムに移管するようだ。

最近になり、トランプ大統領政権下の米国通商代表部(USTR)は、中国製品への制裁的追加関税として、中国からの3000億ドル分の輸入品に最大25%の追加関税を検討していた。対象となるリスト4の中には、家庭用ゲームハード、ゲームハード用コントローラー、アーケードゲーム機で使用されるコインなどが含まれている。

アメリカで販売されるゲームハードの96%は中国で生産されており、追加関税が正式に決まれば家庭用ゲーム会社は大きな影響を受ける。これを受け、任天堂とソニーそしてマイクロソフトのゲームハード3社が共同声明を出し、この施策に反対する姿勢を見せていた(関連記事)。追加関税の対象となることで、ゲームハードの値上げを余儀なくされ、ビデオゲーム市場が減退するという懸念である。

一方で、ロイターの取材に応じた任天堂の担当者は、一部移管はリスクを分散する観点から以前から検討していたとし、米国の輸入関税を回避するためにベトナムに移管するわけではないと、米中貿易の追加関税からの回避的な側面での移管を否定している。しかしながら、前述したように追加関税の施策を反対している声明を見ると、こうしたトランプ政府の追加関税の動きは移管にまったく関係していないわけではないだろう。

追加関税への警戒を強めているのは任天堂だけではないようで、Nikkei Asian ReviewはPCメーカーであるHPとDELLが中国でおこなわれているノートパソコンの生産のうちの30%を国外に移管することを検討していると報道。同紙はHPとDELLだけでなく、そのほかのPCメーカーや、GoogleにAmazon、そして任天堂やソニーにマイクロソフトなども一部中国国外への移管を検討していると伝えている。マイクロソフトについては、ベトナムではなくタイやインドネシアを考えているようだ。これらの移管は単に追加関税の問題だけでなく、米中関係の不安定さや中国における製造コストの上昇を考慮した、多面的なリスク分散という意味での検討であるとも報告されている。

経済や国際情勢など複数の側面を加味したリスク分散として生産の一部国外移管がなされるのは、多少コストがかかるとしても、自然な選択だろう。任天堂だけでなく、そのほかの家庭用ゲームハードメーカーやPCメーカーもまた、中国一極集中を脱すべく、生産地の移管を進めていくのではないだろうか。

なお米トランプ大統領は、6月に大阪で開催されたG20サミットでの首脳会談を終えたのち、リスト4の追加関税賦課の当面の延期を発表している。

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