Unityを使った1週間ゲームジャム「unity1week」参加作品が公開中。1週間で作ったとは思えない作品を一部紹介

ゲームエンジンUnityを使って1週間でゲームを作るオンラインゲームジャム「unity1week」が開催され、7日に参加作品がunityroomにて公開された。今回のテーマとなったのは、「あつめる」。現時点で292作品以上がunityroomにあつまっているので、いくつかの作品を紹介したい。

ゲームエンジンUnityを使って1週間でゲームを作るオンラインゲームジャム「unity1week」が2019年7月1日から開催され、7日に参加作品がunityroomにて公開された。「unity1week」は、unityroomの作者であり、Unityアンバサダーにも認定されているnaichi氏主催による、お題に沿ってゲームを作るイベントだ。今回のテーマとなったのは、「あつめる」。「つながる」をテーマに301作品が参加した前回に続き、現時点で292作品以上がunityroomにあつまっているので、いくつかの作品を紹介したい。

Tetra』は、同人ゲーム制作ユニット「ハルカナゲーム」によるちょっとダークな2Dパズル作品。マウス操作で生成できるオブジェクトを活用し、穴から湧いてくるねずみを、猫娘テトラが待ち受ける皿へあつめるゲームだ。

怯えるねずみと、表情からも食欲が伝わってくるようなテトラの可愛らしいイラストは勿論魅力的だが、物理演算を活用したパズル部分も本格的。単純そうなステージでも、ねずみはちょっとした隙間に詰まったりするので、試行錯誤を繰り返しながら正解へ近づいていくのが楽しく、夢中になって小一時間遊んでしまったほど。特に中盤以降はしっかり考えてオブジェクトを生成する必要があり、ステージごとのギミックも1週間で作られたとは思えないほど練られている印象がある。なお、ハルカナゲームのTwitterによれば、当初はリソースを使いまわして作る予定だったそうだが、ほぼ全部のリソースが本作のために新規に用意されたものとなったそうだ。

アトラクターズ』は、Unityインターハイ2016で殊勲賞を獲得した「るっちょ」氏による惑星を操るSTG。ゲームが始まると天体が流れてくるので、惑星が天体にぶつかってしまわないように避けつつ、天体を惑星の重力圏に捕らえて、衛星をあつめる作品だ。

衛星をあつめていくと、惑星の周りを飛び交い続けるカラフルな衛星が深遠な宇宙に彩りを加え、幻想的な世界が広がっていく。また、4人までのマルチプレイに対応しており、衛星を相手に向かって放つことでぶつけられ、1人でプレイした時とは違ったゲームプレイが展開されるそうだが、筆者はソロでしか遊べていないので未確認だ。なお、るっちょ氏によれば、本作は1年半前のunity1weekに参加した作品『天体ブン投げ アトラクタ』の精神的続編でもあり、当時出来なかったことに対する思いが、本作に込められているという。

AtoZ』は、ゆるふわゲームクリエイターを目指しているという「青木とと」氏によるUFOキャッチャーゲーム。アームを操り、画面内に散らばっているAからZまでのアルファベットを、より少ない手順であつめる作品だ。

ゲームセンターにやってきたかのようなポップで楽しげなサウンドとグラフィック。絶妙な弱さでアルファベットを取りこぼしていくアーム。UFOキャッチャー特有の位置取りを考えるゲームプレイ。全体にまとまりがある印象で、大作のゲームセンターにミニゲームとして実装されていそうなゲームだった。ランキングにも対応しているので、アームと格闘しつつ、最短手順を狙ってみるのもいいかもしれない。

夕暮れの教室。空っぽになった椅子と机。どこからか響く帰宅を促すメロディー。『NICCHOKU』は、そんな在りし日を思わせる、ノスタルジー全開のADV。

プレイヤーは日誌を書いていたら下校時刻になってしまった小学生を操作して、黒板を消し、散らばった紙くずをあつめ、日直の仕事を済ませてから下校する。率直に言うと本作はそれだけなのだが、ドットで描かれた誰も居ない教室の様子と、ゆったりと流れるメロディーが情緒に溢れていて、そんな体験はしたこともないのに、懐かしくも寂しいような気分にさせてくれる作品。開発者の漬物区画氏は、ドット絵のゲームを制作している人物で、鹿を消費して猿と戦うゲーム『MOVING』をitch.ioにて公開中。作風は異なるが、こちらも5分で終わるそうなので、遊んでみるのもいいだろう。

生類無慈悲の令-たのしいキメラのお友達-』は、Unityインターハイ2016で技能賞を獲得した「TomokiTanaka」氏によるばらばらになった動物を完成させるゲーム。

ゲームがスタートすると、お題が公開されると共にばらばらになった動物のパーツが降ってくるので、フリー素材の清掃員を操作しパーツをあつめていく。動物のパーツは次々に降ってくるが、高速なこともありパーツを見極めつつ集めるのは難しく、結果的に“キメラ”が出来上がる。意図せず誕生してしまった合成獣は、名前の方も合成されてしまっていて、なんとも言えない味わいがある。バカゲーが好きな方や、小ネタを求めている方にはオススメできる作品だ。

作品数が多いだけあって、紹介したゲームは一部に過ぎない。流行りのタピオカを題材にした作品から、硬派で面白さを理解するのに時間がかかりそうな作品まで、多様な作品が公開されているので、参加作品を漁ってみるのもいいかもしれない。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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