一人用人狼ADV『グノーシア』配信開始。『メゾン・ド・魔王』の「プチデポット」が時間をかけ作り込んだPS Vita専用作品

 

メビウスは6月20日、一人用人狼ゲーム『グノーシア』の配信をPlayStation Storeにて開始した。対応プラットフォームはPlayStation Vitaのみ。価格は2480円。発売に合わせて公式サイトが更新されており、キャラクター紹介の追加と、開発スタッフによるコメントが公開中だ。

『グノーシア』は漂流する宇宙船を舞台に、人間を襲う未知の敵「グノーシア」との対決を描くSF人狼ADVだ。宇宙船の船員たちは、「グノーシア」によって船員が減らされていく状況の中、事態の解決を図るため疑わしい人物をコールドスリープにより排除することを決定。プレイヤーは、コールドスリープ対象を決定する会議に参加する。発言をヒントに他者の正体を見抜き、コマンドを使った議論と、投票を通じて自身の生存を目指していく。

テーブルゲーム「人狼」がモチーフとなっており、まさに一人用の「人狼」とも言うべき体験が用意されているのが本作の特徴だ。「人狼」と同様に、狼に該当する「グノーシア」以外にも役職があり、空間転移時に誰か一人を守れる「守護天使」、二人揃って名乗り出ると人間であることを証明できる「留守番」、人間でありながらグノーシアに勝たせようとする狂人「AC主義者」、「エンジニア」「ドクター」にただの人間を加えて、役職は7種類。船員は最大15人。プレイヤーキャラクターのステータスは設定可能。人数や役職の有無も含めて自由に設定できるようになっており、人間側として「グノーシア」をコールドスリープさせるだけでなく、「グノーシア」側でプレイし、船員の殲滅を目指すことも可能だ。

登場人物は14人。白い衣装に黒い髪が印象的で、高い能力を持つという少女「夕里子」。知性を持ち人語を操るシロイルカの「オトメ」。喋らない代わりに豊富なボディランゲージによってコミュニケーションを成立させる少女「ククルシカ」など、人狼にとても向かない人物から、人に数えていいのかわからない生物まで、多彩な登場人物たちがゲームを盛り上げてくれる。

また、本作は「人狼」が一人でプレイできるだけではなく、1プレイ15分程度のループを繰り返していく中で、進行していくストーリーも魅力の一つとなっている。プレイ中に発生するさまざまなイベントや、会議の合間に発生する移動パートで各キャラクターと会話し、14人の登場人物を知っていくことで、ループする宇宙の謎に迫っていくのだとか。

『グノーシア』を開発したのは、「メゾン・ド・魔王」で知られるインディーゲームデベロッパー「プチデポット」だ。前述のとおり、開発メンバー4人のコメントに加えて、本作の販売を手がけているメビウスのプロデューサー喜多村明夫氏のコメントが、公式サイトにて公開されている。コメントを一部抜粋すると、構想時は1年もかからないと想定されていたようで、延期を重ねた背景には自分たちの納得できる物語を作ることがあったといい、『グノーシア』は4人で徹底的に作り込んだのだとか。ループの謎を追いかけていくシナリオだけでなく、一人用の人狼として遊べるゲームシステムも作り込まれているようなので、PlayStation Vitaが手元にある方は、ダウンロードして遊んでみてはいかがだろうか。