淫魔ホラー『SUCCUBUS』の宣伝手法が面白い。地獄でスマホを拾ったサキュバスが、自撮りを楽しむなどプライベート全開

ポーランドのインディースタジオMadmind Studioは6月18日、現在開発中の『SUCCUBUS』の最新トレイラーを公開した。地獄を舞台にサキュバスが主人公となる本作だが、SNSやPVを絡めた宣伝手法がなかなかどうして面白いのだ。

ポーランドのインディースタジオMadmind Studioは6月18日、現在開発中の『SUCCUBUS』の最新トレイラーを公開した。本作は、地獄を舞台にしたサバイバルホラーゲーム『Agony』およびその無修正版である『Agony UNRATED』のスピンオフ作品で、PC(Steam)向けに発売予定だ。発売時期は未定。

『SUCCUBUS』は、サキュバス(淫魔)であるVydijaを主人公とするアクション・ホラーゲーム。地獄の支配者が姿を消し、新たに築かれた帝国の女王となったVydijaであったが、殉教者の皮膚を縫い合わせたカーペットの上を歩くような贅沢暮らしには馴染めず、ふたたび地獄の荒野へと戻ることに。そして殺戮の日々を満喫していたある日、King Nimrodの魂を探し求めるBaphometとその軍隊と遭遇し、屈辱的な裏切りにあったことからVydijaの復讐の旅が始まる(関連記事)。

今回公開されたトレイラーは、悪魔の襲撃を受けたらしき人間界の様子をスマホで撮影している場面から始まり、そして撮影者は地獄へと引き込まれていってしまう。その後、撮影者の生死は不明だがスマホの撮影は続いており、「なんか降ってきたぞ」といった様子で近づいてくるサキュバスVydijaの様子を激写。そしてVydijaはスマホに興味を示し、ついには自撮りを楽しむといった内容となっている。

ちなみに、スマホ画面の右上に映っている前回撮影した映像・写真のサムネイルは、Madmind Studioが開発中の別のホラーゲーム『PARANOID』のスクリーンショットである(関連記事)。

https://twitter.com/vydija/status/1139147020214689793

トレイラーの最後では、Twitterアカウント「@Vydija」を宣伝しているが、これは実際に存在するアカウントで、Vydija本人があの拾ったスマホを使って地獄からツイートしているという設定になっている。今年6月12日からツイートを開始した彼女は、もともと携帯電話の存在は知っていたようだが、ガラケー世代なのか「(人間のように)触れて欲しがる」タッチ操作のスマホに戸惑ったり、ツイートに写真を添付する方法が分からずイライラする様子を見せる。

しかし、彼女はすぐにスマホを使いこなす。『DOOM Eternal』にて主人公がデーモンを撃ちまくるゲームプレイ映像を貼って「こいつ、あたしの親戚たちを皆殺しにしてんじゃん。超やべー!」とツイートしたり、カメラの設定をいじりながら自撮りしたり、セルフタイマーでの撮影を試してみたり。また、淫魔として相手をしたシャイな男が数分で果ててしまったとか、女悪魔Onoskelisと一緒に血みどろの女子会を楽しんだなど、近況報告もしている。ただ、早くもバッテリーが切れそうになっており、地獄でどうやって充電すれば良いのか困っているようだ。

https://twitter.com/vydija/status/1140738518139977728

ゲームなどのキャラクターになりきった公式SNSアカウントというのはそう珍しくはないが、運用を始めるに至る様子を映像にしてファンを誘導する手法は面白い。ましてや本作のVydijaが暮らすのは地獄。異世界から突然ツイートを始めるよりも、ある意味説得力を持たせることができ、主人公となる彼女への親近感も増すだろう。

Vydijaは、特に『SUCCUBUS』の宣伝ツイートをするわけでもなく、地獄での生活を楽しむ様子を伝えている。実際のゲーム内の出来事とリンクさせているのかはまだ分からないが、本作の発売が近づくにつれ、復讐劇へと繋がる様子がツイートされていくのかもしれない。Vydijaは、ファンへの返信もおこなっているようなので、本作に興味のある方は彼女のアカウントをフォローしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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