あなたはもう『サイバーパンク2077』をとにかく嬉しそうに紹介するキアヌ・リーブスを見たか。観客と掛け合い「Breathtaking」で雰囲気は最高潮

CD PROJEKT REDが開発する『サイバーパンク2077』が2020年4月16日に発売されることが明かされた。同作にはあのキアヌ・リーブス氏が出演する。その出演だけでなく、観客との掛け合いがクールであると話題を呼んでいる。

本日おこなわれた「Xbox E3 2019 Briefing」にて、CD PROJEKT REDが開発する『サイバーパンク2077』が2020年4月16日に発売されることが明かされた(後述するが、発売日発表はBriefingの一番後)。しかしサプライズはこれだけではない。同作にはあのキアヌ・リーブス氏が出演するのだ。その出演だけでなく、観客との掛け合いがクールであると話題を呼んでいる。

キアヌ・リーブス氏は、今回用意されたひとつ目のトレイラーの最後で“ゲーム内キャラクター”として登場。義手化した左腕を見せ、丸いサングラスと機械のまじったサイバーパンクらしい衣装をまといながら、「目覚めろよサムライ」「街に火をつけるぞ」と言いながらサングラスを外す。厳しくも美しい眼が露わになりキアヌ氏であることがはっきりとわかるだろう。映像が終わった後、スタジオにキアヌ本人が現れるという粋な演出となっている。これだけでもファン垂涎ものであるが、その後の観客とのやりとりが熱かった。カンファレンスを見逃した方、日本語で視聴していなかった方向けにおさらいしよう。

世界屈指のスターであるキアヌ・リーブス氏の登場に、ステージは大熱狂状態。「調子はどうだい?」「やあ、ロサンゼルス、E3!」と尋ねる氏に、観客のテンションは落ちる気配なし。本題に入れないキアヌ氏は慌てて「わかったわかった(Alright, Alright)」と笑顔で客たちをなだめだした。重要な話があると氏は切り出し始め、『サイバーパンク2077』のオファーを受けた時のことを話し始めた。しばらく前にCD PROJEKT REDより、新たなプロジェクトについての相談を受け、『サイバーパンク2077』に登場しないかと打診されたという。広大な世界や分岐する物語。ゲーム内の選択によってキャラクターがいかにカスタマイズされていくか。これまでゲームにはあまり馴染みがなかったが、魅力的なストーリーは常に渇望しているということで、興味をもったそうだ。

その後キアヌ氏はギークっぽく「サイバーパンク」と切り出し、嬉しそうに『サイバーパンク2077』の概要を紹介し始めた。未来の巨大都市、人々が人体改造に取り憑かれてしまった時代。プレイヤーはならず者の傭兵として、街の吐き捨て場で働く。そうした説明途中でも客席からはテンションが上がりすぎたファンの「最高!」という大声が飛び、思わずキアヌ氏も「そうだ」と吹き出しながら返答。「話をさせてくれ」とくだけながら、ゲーム紹介を再開。未来都市のストリートを歩いているかのような気分にさせてくれるこのゲームは、本当に(息を飲むように)最高(Breathtaking)なものになるだろうとコメントした。

このコメントを受け、観客は「お前が最高だよ!(You’re breathtaking)」とキアヌ氏へアンサー。キアヌ氏も少し照れながら、「君こそ最高だ!(You’re breathtaking)」「君たち全員が最高だよ!(You’re all breathtaking)」と切り返し。会場の盛り上がりは最高潮となった。今年のE3のもっとも大きなハイライトとなるであろう、熱気むんむんのムードがステージを充満した。そしてもう一度「わかったわかった」とたしなめつつ、時間が押していることをにおわせながら、『サイバーパンク2077』の発売日について知りたいだろうと促す。そして「ご覧あれ!」と、巨大モニターを指さしながらもうひとつのトレイラーを流した。そしてトレイラーの最後に冒頭に述べたように、2020年4月16日という日付が告知されたわけだ。

代表作である「マトリックス」や「ジョン・ウィック」シリーズで名演したキアヌ氏を起用するというだけでも素敵であるが、キアヌ氏自身が観客の人々と対話しながらゲームについて嬉しそうに語る場面は、多くの人を興奮させたことだろう。誠実であるとしばしば評される、氏の人柄が色濃く反映されているだろう。このシーンを映し出したXbox公式アカウントの動画などは、飛ぶ鳥を落とす勢いでシェアされており、それほど日常的には用いられないであろう「breathtaking」という言葉が、全世界のSNSで飛び交っている。同単語をSNSで検索すると、キアヌ氏の顔しか出てこない状態だ。2019年6月10日に限定すれば、もっともホットな形容詞のひとつ。

E3といえば、メーカーが新たなソフトやコンテンツを発表する場であるが、Tango Gameworksの中村育美氏(関連記事)のように、観客との対話を通じて生まれる盛り上がりも存在する。かつてカンファレンスで構成されていたE3では、多くの企業がライブストリーミングに移行し、それが主流になりつつある。しかしながら今回のようなシーンは、プレスカンファレンスを実施するからこそ生まれ得るムードであるといえそうだ。

『サイバーパンク2077』は、国内でも2020年4月16日発売予定。GOG.com/Steam版の予約受付はすでに開始されており、スパイク・チュンソフトより発売予定のPS4向けパッケージ版も近日予約開始されるという。キアヌも出演する、今世紀の最大級の野心作をいちはやく予約しておこう。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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