サイキックアクション『Psychonauts 2』ゲームプレイ映像が初公開。開発元のDouble Fine はマイクロソフト傘下に
デベロッパーのDouble Fine Productionsは6月10日、現在開発中のサイキック・アクションゲーム『Psychonauts 2』の最新トレイラーを公開し、そのゲームプレイを初めて披露した。
本作は、2005年に発売されたDouble Fine Productionsの処女作『Psychonauts』の続編だ。クラウドファンディングにより資金を集め、2015年から開発が続けられている。若くして強力な超能力を扱う主人公のRazは、国際超能力スパイ組織Psychonautsへの加入を夢見て冒険してきた。そして本作にてPsychonauts本部を訪れたところ、悪の超能力者の復活を企む二重スパイが潜んでいた。Razは、その秘密の計画を阻止すべく奔走する。
このトレイラーが公開されたマイクロソフトのプレスカンファレンス「Xbox E3 2019 Briefing」では、驚きの発表もおこなわれた。マイクロソフトがDouble Fine Productionsを買収し、同スタジオはXbox Game Studiosの一員になるということがアナウンスされたのだ。
Double Fineは、業界のベテランTim Schaffer氏が2000年に設立し、これまでに『Brütal Legend』や『Costume Quest』『The Cave』『Broken Age』など数多くの作品を開発。パブリッシャーとしても、『Gang Beasts』や『Everything』などの個性的な作品を世に送り出してきた。また、インディーゲームイベント「Day of the Devs」を主催するなど、インディースタジオとして確固たる地位を築いてきた。
一方のマイクロソフトは、このところファーストパーティスタジオの拡大に熱心で、昨年にはObsidian EntertainmentやNinja Theoryなどの有力スタジオを次々に傘下に収めてゲーマーを驚かせた。今回のDouble Fine買収も、その延長にあるのだろう。ちなみに、Ninja Theoryは「Xbox E3 2019 Briefing」にて、Xbox Game Studiosとしての最初の新作『Bleeding Edge』を発表している(関連記事)。
マイクロソフト傘下に入ったことについて、Double Fineの代表Tim Schaffer氏は、まず『Psychonauts 2』を含めこれまでに結んだ契約については履行すると説明。同作はPC/Xbox OneのほかPS4向けにも開発中だが、その発売予定に変わりはないとのこと。また、開発中の週末世界アクションゲーム『RAD』の販売元もバンダイナムコのまま。モンスター育成&農業ゲーム『Ooblets』の販売をDouble Fineが手がける計画にも支障はないようだ。
Schaffer氏は、長年にわたり独立スタジオとして運営してきた中で、独自のアイデンティティーやユニークさを求める精神はより深化したとし、いまさらそれを変えることなど誰もできないし、求めてもいないと述べる。マイクロソフトもまた、Double Fineにはスタジオ文化や開発するゲームのスタイルは、今までどおりでいてほしいと求めたという。そうしたマイクロソフトの姿勢は、これまでに買収されたスタジオからも明かされていた。
一方で、『Psychonauts 2』はマイクロソフトの協力により、当初計画していたよりもより良い作品に仕上げることができるとしている。同作はStarbreezeが販売を担当する予定だったが、その販売権を1320万ドル(約14億円)でマイクロソフトに売却したことが本日は6月10日に発表されている。Starbreezeが経営難で厳しい状況にあるという事情もあったのかもしれないが、マイクロソフトとしては期待作への投資は惜しまないということなのだろう。
Double Fineではゲームジャムを定期的に開催しており、Schaffer氏自身を含め皆ゲームのアイデアに溢れているという。それをいざ開発して発売したいとなると、世界中のパブリッシャーに掛け合う必要があったが、マイクロソフトの傘下に入ることでそうした作業は必要なくなるとし、今回の買収のメリットを語っている。Schaffer氏は、信じてもらえないかもしれないけれどと前置きし、Double Fineの次なるチャプターは、これまででもっともエキサイティングなものになる気がすると、今後への期待を述べてファンへの報告を締めている。