インディーゲームパブリッシャーであるTeyon Japanは5月23日、サバイバル2Dアクションゲーム『Smoke and Sacrifice』のNintendo Switch版を同月30日に発売することを発表した。なお、本作は既にPC版(Steam)が発売されている他、北米版がPS4およびXbox Oneに対応し発売中である(いずれも日本語対応済み)。
物語の始まりとなる舞台は、生贄の風習が今もなお残存する、極めて閉鎖的な集落。永久凍土に覆われた大地の中で唯一安息の地となり得たその村は、「太陽の樹」と呼ばれる光り輝く奇怪な装置によって生きながらえているという状況であった。主人公である一人の母親「サチ」もまた、悲哀の中、風習に従い太陽の樹に愛する我が子を捧げることとなる。その7年後、突如凍てつく大地から怪物たちが襲来。周囲が混沌に包まれる中、サチはふと村に纏わる秘密を知ってしまう。「愛しの我が子にもう一度会えるのなら。」一握の希望を胸に、サチは生贄の祭壇、その真下に広がる地下世界へ向けて旅立つのであった。
本作はサバイバルアクションとして、空腹の概念こそ存在しないものの、時間の概念と素材を用いたクラフト要素、そしてアイテムに付随する耐久値の存在により、極限の環境を演出する。サチが冒険を繰り広げるオープンワールドな地下世界は、夜になると視界を遮る有害な煙霧が漂いはじめ、時間経過によって大気中の濃度は変化する。しかし、それが薄くても濃くても、人体に影響があるという事実には変わりない。プレイヤーは常に作成した光源を携え、霧払いを行い続けなければならない。
またサバイバルゲームとして当然の如く、地下には外敵となる怪物達が跋扈している。彼らを退けるための武具は全て自前で用意する必要があり、傷を癒す回復アイテムも同様、クラフトを通じて作成しなければならない。なお、本作には所謂レベルの概念は存在せず、装備品の質がサチの戦闘力に直結する。装備品をはじめとしたクラフトに用いるレシピは、地下世界の住民との交流を通じて入手することが可能だ。
そして、光源にしろ、武具にしろ、回復アイテムにしろ、クラフトで作成できるアイテムには全て耐久値が備わっている。光源は使用し続ければ消耗し、武具は戦闘を繰り返す度に摩耗する。回復アイテムは時と共に腐っていく。採取や修理をするためのアイテムにも洩れなく耐久値は備わっているのであしからず。
素材収集とダンジョン進攻のバランス、補修と消費のバランス。母と子を主題に掲げたダークで重厚な物語はもちろん、草原から雪原へ、廃工場から灼熱地帯へと、ゲームの進行に伴い目まぐるしく変化する環境と、それに合わせた必需品の作成及び管理といった、シンプルながらもプレイヤーの思考を常に試すかのようなサバイバル体験が本作の醍醐味である。
既に“カジュアルなサバイバルゲーム”として高い評価を受けている『Smoke and Sacrifice』。PC版は勿論のこと、今回はじめてコンソール対応版が国内から正式発売ということで、Nintendo Switchをお持ちの方は、是非チェックしてみてはいかがだろうか。