Valve Software(以下Valve) が開発する『Left 4 Dead』シリーズの新作を匂わせるティザートレイラーが今月2日、動画共有サイトへ投稿された。
タイトルには「20190611wVLACgXBSwO4eVv.021162_h264」と、謎の文字列が記載され、その内容はスーパーマーケットと思わしき場所を舞台に、封鎖された”EXIT”の扉や、頭頂部に斧が刺さるゾンビの生首、臓物が絡まるジープ、最後には『Left 4 Dead』の象徴ともいえる親指のない左手がアップになるといった、シリーズ新作を期待させる要素満載な映像となっている。しかし、海外メディアPC GamerがValveに確認を取ったところ、投稿された映像はフェイクだということが判明した。
映像自体のクオリティはかなり高く、鎮痛剤や斧といったおなじみのアイテムから、スタート、ゴール地点を指し示す“Safe House”の文字が貼り付けられた地図などが映し出され、シリーズの特徴を捉えている。また、『Left 4 Dead』シリーズは過去に2作品リリースされており、前述した左手が、新作となる3作目を強調するために、三本の指を立てる演出で締めくくられるなど、こだわりを感じる仕上がりとなっている。そのため、一時的に各メディアを騒がせたが、同時にフェイクの可能性が高いと懐疑的な目も向けられていた。
理由としては、今回のティザートレイラーは、過去作のトレイラーと大きく趣が異なるといった点が挙げられている。これは、過去二作品のトレイラーは登場人物が大量のゾンビと戦う様子がダイナミックに映し出されているが、それに比べて今回の映像は、登場人物が一人も出演せず、蠢くゾンビも映し出されていないことから、Valveの今までの宣伝手法と違いすぎるということである。
また、映像に「life(主に米国にて販売されているシリアル食品)」など、実在する製品が映し出されている点も挙げられている。実在する製品をライセンス契約なしに宣伝や広告をすることはできず、Valveがこのようなことをするとは思えないといった見解である。結果的に、メディアがValveへ確認を取ったところフェイクだと判明した形である。ただ一方で、動画のコメント欄には、 フェイク映像そのものに対してはその質の高さを評価するコメントや、新作を待ちわびるあまりValveを揶揄するようなコメントも寄せられた。
『Left 4 Dead』シリーズの新作にまつわる噂やリークが出回るのは今回が初めてではない。まず、『Left 4 Dead 2』のリリースから4年後の2013年、突如シリーズ『Left 4 Dead 3』を示唆するカウントダウンサイトが発見された。が、Valveからフェイクだとして公式見解が出された。現在カウントダウンサイトはポルノサイトとなっているため、リンクの記載は控えさせて頂く。2016年にはValve開発者向けマニュアルにて『Left 4 Dead 3』を思わせるフォルダが写り込んだスクリーンショットが発見されたこともあったが、未だに正式な情報は明かされていない。詳しくは弊誌の過去記事を参照されたい。
『Left 4 Dead 2』のリリースから約10年の歳月が経とうとしている。その間にこれだけの噂やリーク情報が出回っていることから、同シリーズの人気が伺える。なお、現時点で『Left 4 Dead 3』に関して公式からの情報はないが、初代『Left 4 Dead』を開発したTurtle Rock StudiosはCoopゾンビFPS『Back 4 Blood』を開発中である。