Activisionが14本のPS4向け海外タイトルを販売取り下げ。突出した販売終了数記録を持つパブリッシャーの路線は続くか

 

海外フォーラムのResetEraにて、ActivisionがPlayStation 4向けに販売したタイトルのうち、これまでに14タイトルが販売終了しPlayStation Storeから取り下げられたと報告するユーザーが現れ議論が交わされている。その販売終了となったタイトルは以下のとおり。

・Angry Birds Star Wars
・Chivalry: Medieval Warfare
・Deadpool
・Ghostbusters
・Marvel Ultimate Alliance
・Marvel Ultimate Alliance 2
・Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutants in Manhattan
・The Amazing Spiderman 2
・The Legend of Korra
・Tony Hawk’s Pro Skater 5
・Transformers Devastation
・Transformers: Fall of Cybertron
・Transformers: Rise of the Dark Spark
・White Night

多くは版権モノ

これらのタイトルの多くで共通するのは、いわゆる版権モノということだろう。アメコミや映画作品などを原作としたゲーム化タイトルである。『Tony Hawk’s Pro Skater 5』については、プロスケーターのTony Hawk氏との契約のもと制作された。ちなみに上記14タイトルは、いずれの作品も国内コンソール向けに発売されなかったという点も共通点として挙げられる。

『Transformers Devastation』

例外と言えるのは『Chivalry: Medieval Warfare』と『White Night』で、これらはActivisionが販売元となりリリースされたインディーゲームだ。ほかのすべてのタイトルはPS4版以外もすべて販売終了となっているが、『Chivalry: Medieval Warfare』はSteam版が引き続き販売中。こちらは開発元Torn Banner Studiosが自主販売しているため影響がなかった。同スタジオによると、Activisionとの契約期間が満了したためコンソール版は販売終了したとのこと。

一方の『White Night』は一旦すべて販売終了となったが、Plug In Digitalを新たな販売元としてSteam版のみ配信再開され、その後Nintendo Switch版が発売された。こちらも当時、開発元Osome Studioから販売終了のアナウンスがあったが、Activisionが配信を止めたと述べるのみで、契約に基づいた予定通りのものであったのか別の理由があったのかは不明である。

『Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutants in Manhattan』

 

増加するActivisionタイトルの販売停止

コンソールでのダウンロードゲームの販売が一般的になって以降、突然販売終了し、ストアから取り下げられることが話題になることが多くなった。特に版権モノによく見られ、今回挙げられたタイトルについては特に驚きはないかもしれない。ただ、フォーラムでの議論の中心は販売終了となったことそれ自体ではなく、Activisionは版権モノを扱うパブリッシャーとして信頼できるのかという点だ。言い換えると、作品の良し悪しに関わらずわずか数年で購入不可になることへの不満だろうか。

今回リストアップされた14タイトルのうち版権モノの11タイトルについて、発売から販売終了までの期間をそれぞれ調べてみたところ、最長で約3年、最短で約1年だったことが分かった。3年だったタイトルが5本ともっとも多く、2年は4本、1年は2本である。版権元の違いや発売時期などによる規則性は見られないため、いつ契約更新を止めたかの違いでしかなさそうだ。

ちなみに、1年で販売終了したのは『Transformers: Rise of the Dark Spark』と、プラチナゲームズが開発を担当した『Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutants in Manhattan』だった。前者については、同じくプラチナゲームズ制作の『Transformers Devastation』や『Transformers: Fall of Cybertron』と同時に販売終了しているため、個別の事情というより、トランスフォーマーフランチャイズ全体として版権元であるHasbroとの契約が終了したのだろう。後者についても、同時期に『The Legend of Korra』も販売終了しているため、2013年にActivisionがNickelodeonと結んだ“複数年にわたるライセンス契約”が終了し、更新しなかったためと思われる。

『Marvel Ultimate Alliance』。このシリーズの最新作は任天堂からNintendo Switch向けに発売予定

現行コンソールにおいて販売終了したタイトルを販売元別に見ていくと、Activisionは突出して多く、そしてそのほとんどが版権モノであることが分かる(Delisted Games)。では、これをもってActivisionは信頼できないと言えるかというと、そう単純ではないだろう。この時期のActivisionは他社よりも多くの版権モノを扱ってきたため、結果的に販売終了となる本数も多くなったということがまず考えられる。また、包括的なライセンス契約の中で複数のタイトルをリリースしていたようなので、継続的に売れる作品が一定本数以上ないと販売を続けることは難しそうだ。上述したわずか1年で販売終了になったタイトルに関しては、いずれの作品もあまり良い評価が得られなかった。

一方で、このところActivisionは以前よりも版権モノのリリースをかなり絞っている。NickelodeonやHasbroなどとの契約を更新しなかったことは、そうした方針転換の現れと見ることもでき、その結果として突然販売終了となれば、ゲーマーとして振り回されているような印象を抱くのも無理はないだろう。また、ダウンロード販売が広まっていく中において、販売終了となれば入手手段が完全に絶たれてしまう不安感もあるのかもしれない。その点、パッケージ版を併売することの多いActivisionは、ありがたい存在とも言える。いずれにせよ、版権モノのゲームは基本的にほかのタイトルよりも早い時期に販売終了を迎えるもの。気になるタイトルがあれば、少なくとも1年以内には入手しておくと良さそうだ。