突如公開された謎のゲーム『Towers』のプロトタイプ映像がすごい。『ゼルダの伝説 BotW』や『モンハン』を彷彿とさせる世界

今月3月13日に『Towers』と呼ばれるゲームのプロトタイプ映像が公開された。映像のクオリティが高く謎めいていることから、海外コミュニティの一部から注目を集めている。

今月3月13日に『Towers』と呼ばれるゲームのプロトタイプ映像が公開された。映像のクオリティが高くゲームおよび開発元が謎めいていることから、この映像が報告されて以来、海外コミュニティの一部の注目を集めている。

映像ではまず、自然あふれた生き生きとした世界が映し出される。森林や砂漠、水辺などさまざまなロケーションが美しく描かれている。その後、主人公らしきキャラクターが登場。ガスマスクのような仮面をつけ、空を飛んだり巨大な敵と対峙したり水中にもぐったり動物に跨ったり。複数プレイヤーで狩りをしたりキャンプをするなど、マルチプレイに対応することも示唆されている。

そのほか、木を伐採したり作物を植えたり、建築をするシーンも見受けられる。終盤には野生動物とは別の“影”から生まれた謎の生物と戦ったり、巨体生物の上で弓を使い動物を狙ったり。獣人のようなキャラクターも登場している。フォトリアルな美しいビジュアルに加えて、多彩なゲームプレイや幅広いバリエーションの生物などを見せることにより、ゲームのスケールの大きさを感じさせる優れた映像といえるだろう。

ゲーム映像の説明欄には「ゲームのプロトタイプは6人のコアデベロッパー、12か月間で作りました。未知にあふれるファンタジー世界と、プレイヤーが探索と建築を一緒にできる冒険を追求しています。」と短いコメントが掲載されている。公式サイトを見る限り、どうやらここに防衛の要素も加わるようだ。ResetEraでは「オンラインマルチプレイに対応した、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ワイルド』と『ワンダと巨像』、『牧場物語』をかけあわせた作品」と“欲張り”な表現でスレッドが立てられ、多くのユーザーが映像を絶賛。確かに滑空するシーンは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ワイルド』と彷彿とさせるし、巨大な敵に乗るシーンは同作および『ワンダと巨像』を思い起こさせる。ゲームの世界観は『モンスターハンター:ワールド』を参考にしている可能性があるだろう。

とはいえ、この映像を見てあまり期待を膨らまし過ぎないほうがいいかもしれない。あくまでプロトタイプ映像であり、公式ホームページやロゴこそあるが、正式に公に発表されたタイトルではない。さらに、前述したタイトルは、ほとんどは大規模開発によって生まれ力作。6人のデベロッパーでそうしたビッグタイトルに比類するようなゲームを作るのは極めて困難。そもそも、『Towers』の開発元がこうしたビッグタイトルと並べられて困惑している可能性すらあるだろう。

また、ゲーム内容だけでなく、『Towers』の開発元であるDreamlit Entertainmentもまた謎に包まれている。検索をかけると、かろうじてロシアのサイトで情報が発見できる。どうやらこのトレイラーはゲームの初報だったようだ。ドメインをWhoisで調べてもたいした情報が出てこず、非常に謎の多いスタジオおよび作品である。

【UPDATE 2019/3/15 12:45】
『Towers』を手がけるDreamlit Entertainmentの開発者が、YouTubeにてコメントを残している。映像への肯定的な反応に感謝を示し、ゲームを現実にできるようにサポートを呼びかけた。映像については、80%がUnreal Engine 4のリプレイシステムで修正した、ネットワーク レプリケーションを用いたゲームプレイであるという。マルチプレイにおいて敵にしがみつくシステムの実装は一般的に困難であるが、実現できそうであるとコメント。

なお、開発者の正体についても謎めいていたが、マルチプレイ・メカアクションゲーム『Hawken』のコア開発者であることが判明。GDCにむけて、さらなるアップデートを続けていくと誓った。おそらく、パブリッシャーなどを探すために映像を公開したのだろう。また影響を受けたゲームは『ワンダと巨像』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『牧場物語』「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」だという。「考えてみるとすべて日本の作品でした!」と茶目っ気まじりに語った。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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