『Anthem』アイテムドロップ率が一時的に上昇。すぐに元の確率に戻されるも、再変更を望む声が多数寄せられる

『Anthem』のアイテムドロップ率が、2月22日のDay Oneパッチ配信後、一時的に上昇していたことがわかった。現在は修正済みであるが、コミュニティからは現在のドロップ率は低すぎるとの声が寄せられている。

アクションRPGAnthem(アンセム)』にて、222日に配信されたDay Oneアップデートの影響により、戦利品のドロップ率が開発陣の意図せぬところで上昇。アップデート配信から11時間後、Day Oneパッチ以前の確率にロールバックしていたことがわかった。本作のリードプロデューサーBen Irving氏がreddit上で説明している。

本作では、任務完了時や敵の討伐時に、一定確率で戦利品(武器・ギア・MOD)を入手できる。この戦利品のドロップ率について、Day Oneアップデート適用後のバージョン1.0.1.9と、223日に配信されたバージョン1.0.2.01適用後では大幅な差が見られるとの複数の指摘がコミュニティからあがった。開発陣がプレイヤーに知らせることなく、ドロップ率の調整を行ったのではないかと憶測を呼んでいたのだ。たとえばredditユーザーAlegost氏は、バージョン1.0.1.9、バージョン1.0.2.01適用後にそれぞれ同条件(グランドマスター1、サポート運+35%)でフリープレイを30分間遊んだ結果を報告(reddit)。戦利品のドロップ数が半減しただけでなく、高レアリティの戦利品のドロップ率が著しく低下していると指摘している。

画像左:Day Oneパッチ適用直後 画像右:ドロップ確率修正後。Image Credit:Alegost

そうした動きを受けて、今回Irving氏は、バージョン1.0.2.01の変更項目とは別途、ドロップ率を以前の状態に戻していたことを明かした。本来の確率に戻したというわけだが、Ben Irving氏のコメントに対して、Day Oneアップデート直後と比べて現在のドロップ率はゲームバランス的に低すぎるとの意見を寄せるユーザーも多い。ユーザーWadeyX1氏は、現在のアイテムドロップおよびインスクリプション(追加効果)のランダムロールの仕様を踏まえると、ゲームを遊び続けるインセンティブを与えるという意味で、修正前のドロップ率がちょうどいい述べている。ほかには、Day Oneパッチ適用前よりもさらに確率が低くなっているのではないかと懸念する声もあり、疑心暗鬼の状態は続いている。

なお219日には、フリープレイ中、ワールドイベント報酬以外の宝箱から高レアリティの戦利品を入手できる確率が下げられているが、こちらに関しては開発陣が意図したものである。本作には最高難易度(グランドマスター3)のフリープレイでマップ上の宝箱を回収しにまわることで、高レアリティの戦利品を簡単に集められるというファーミング方法が存在した。それを阻止するための確率変更であり、こうした開発陣が意図した変更については適用時に説明されてきた。

Anthem』はトレジャーハントが軸となる作品。その肝心のトレジャーが必要以上に制限されていたり、秘密裏にバランスが調整されているとプレイヤーが感じると、不満につながる。今回もパッチノートに記載されず静かに変更が適用されたわけだが、作品の評価に直結するものであるため、事後報告ではなく、変更適用時での報告が好ましかっただろう。

お本作の戦利品には、インスクリプションと呼ばれる追加効果がランダムで付与される。高レアリティの戦利品を入手しても、たとえば火属性の戦利品に、他属性のダメージ補正や物理ダメージの補正といった無関係の追加効果が付与されていれば、どんなにレアリティが高くても使いにくい。戦利品と直接関係のない追加効果もランダム付与の対象となっているがゆえに、そもそもの戦利品ドロップ率が低いと、ほしいものが一向に手に入らないという不満をさらに高めていってしまう。そうした点を踏まえ、不要な追加効果もランダムロールに含まれるのであれば、ドロップ率を高めることで埋め合わせをしてほしいとの意見も出てきている(redditユーザーEpicQuote氏)。

トレハン要素を肝としていた他作品でのバランス調整例として、『ディアブロIII』では、ゲームのリリース後に「Loot 2.0」と呼ばれる大幅な仕様変更を適用している。装備品のドロップ率は低いものの、ドロップする装備品に合った追加効果が付与されたり、高レアリティ品の性能を全体的に高めたりと、新しい装備品を入手した際に得られる喜びを高めるための仕様変更として、プレイヤーからは概ね好意的に受け入れられた。ライブサービスゲームとして長期運用が想定されている『Anthem』には、先日公開されたロードマップで触れられたような新規コンテンツ(関連記事)はもちろんのこと、ゲームの根幹部分とも言える戦利品の満足度向上も求められてくるだろう。なお『Anthem』の追加効果について不満の声があがっていることは、同作プロデューサーのDarrin McPherson氏も認識しており、高レアリティ(マスターワーク/レジェンダリー)の追加効果を近日中に改善すると、Twitter上で説明している。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

記事本文: 1953