パブリッシャーのQubicGamesは2月21日、2D対戦格闘ゲーム『One Strike一騎打ち』のNintendo Switch版の販売を再開したと発表した。価格は500円で、3月19日までは30パーセントオフの350円となるセールを実施している。
本作は、ブラジルのインディースタジオRetro Reactorが開発した対戦格闘ゲームで、Steamでも発売されている。体力ゲージがなく、攻撃がヒットすれば勝負が決するという一撃必殺スタイルを採用。侍や僧兵、くノ一など計7人の個性的なキャラクターから選んで戦う。操作は左右の移動と前後へのダッシュ(前ダッシュはキャラクターによっては不可)、そして攻撃と防御となっており、ジャンプやコマンド技などはなくシンプルだ。各キャラクターが持つ、日本刀や偃月刀、鎖鎌などの武器の、リーチや攻撃モーションといった特徴を見極め、間合いをはかりながらの緊張感あるバトルを楽しめる。
ゲームモードは、ライフ1つで死ねば終了のオンリーライフ、ライフを5つ持って戦うアーケード、3対3で戦うチーム戦(ライフは1つ)、そして最大8人のプレイヤー(CPU適用可)で楽しめるトーナメント戦の4つが用意されており、CPUの強さは3段階で設定できる。なお、今回の販売再開にあたっては、新キャラクターのオニと、その固有ステージが追加されている。オニはいわゆる金棒を武器とし、攻撃ボタンを押すと振りかぶり、もう一度ボタンを押すと前方に踏み込んで振り下ろす豪快なスタイルが特徴だ。
さて、ここまで本作について“販売再開”と述べてきたが、もともと本作は2018年10月11日に発売されたタイトルだ。しかし、そのおよそ1週間後にニンテンドーeショップから取り下げられてしまう。当時販売元のQubicGamesは、ゲーム内で使用されていたBGMの一部に著作権侵害に関わる内容が含まれていたと発表しており、弊誌の取材に対して“1990年に日本で発売されたゲーム”の楽曲が含まれていたと認めた(関連記事)。
具体的にはコナミのファミコン向けRPG『魍魎戦記MADARA』の楽曲で、両者を聴き比べてみると同一といって差し支えないほどの一致を見て一部で話題となった。QubicGamesの調査によると、開発元Retro Reactorが依頼した外部の作曲家のひとりが、自身が手がけた新曲だと偽って同作の楽曲を納品したことが原因だったという。当時QubicGamesは、本作を販売停止すると共に、該当楽曲をゲームから削除するパッチを購入者向けに配布していた。そして今回、楽曲の差し替えや新キャラクターの追加などの対応が完了したため、販売再開となったわけだ。本件においては、販売元として開発元との契約時に注意を払っていても、こうした事態は防ぐことがなかなか難しいことが浮き彫りにもなった。ともあれ、気軽に楽しめる対戦ゲームを探している方は、価格も手頃なので本作をチェックしてみてはいかがだろうか。