「ヨッシーの脱税疑惑」ネットミームに新展開。ヨッシーが“税金の支払い免除”を乞う資料が発見される

Image Credit : Know Your Meme

「スーパーマリオ」シリーズのヨッシーが、とある作品にて、税金の支払い免除を求めていたことが明らかになった。後述するが、ヨッシーはとある理由によって「脱税」と絡めたネットミームが存在しており、このシーンの発見がインターネットコミュニティを揺るがしている。当該ツイートは、すでに9000以上のRTを獲得していることから、物議を醸していることがわかる。

 

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ヨッシーの脱税疑惑とは

ではまず、「ヨッシーの脱税疑惑」について改めて説明しておこう。ヨッシーと脱税は、なかなか結びつけづらいテーマであるが、それもそのはず、実際に“なにもないところ”から生まれたネットミームとされていた。発端となったのは、YouTuberのReally Freakin’ Clever氏が投稿した「64 things wrong with yoshi(ヨッシーにまつわる64の悪いところ)」という動画である。「64 things wrong with」のシリーズは、任天堂タイトルの世界観に面白おかしく茶々を入れるというパロディ動画だ。

つまるところ、パロディの意味合いが強いジョーク動画なのだが、「64 things wrong with yoshi」というタイトルに怒ったのか、趣旨を理解していないひとりのファンが同動画に怒り、「ヨッシーの悪いところ」をすべて否定する怒りの声をTumblrに投稿したことから話が妙な方向に進み始めた。過剰反応するファンを面白がったのか、違うユーザーが「Yoshi committed tax fraud(ヨッシーは脱税をした)」とこの怒るファンにちょっかいを出した。当然、ヨッシーをバカにされたファンはさらに怒りの色を強め、証拠を見せてみろと反論。そしてちょっかいをかけたユーザーは、「I committed tax fraud(僕は脱税をしました)」という吹き出しのついた画像を証拠として投稿した。

ちなみに、「Yoshi committed tax evasion」というセリフパターンもある

見ればわかるとおり、この画像は単にヨッシーの公式画像に吹き出しをつけ、「I committed tax fraud(僕は脱税をしました)」と喋らせているにすぎない。いわゆる雑なコラージュなのだ。ただ、シリーズを通じてかわいらしく献身的で無垢に描かれがちなヨッシーが、脱税をしているという、似ても似つかない関連付けや、あまりにいい加減なコラージュ具合が笑いを誘い、投稿には多くの「イイネ」が集まり、一躍この「脱税ヨッシー」はネットミームの仲間入りをした(関連記事)。

この一連の流れが、誕生のきっかけである。さらに、ゲーム音楽をリミックスし投稿している人気YouTuberのSilvaGunner氏が、Tax Day(アメリカの確定申告締切日の呼称)である4月15日に、「Yoshi committed tax fraud(ヨッシーは脱税をした)」を連呼する動画を投稿したことで、このネットミームはさらに加熱。2018年には、ヨッシーと税金を絡めたさまざまなコラージュが投稿され、挙げ句にはヨッシーが税金を収めずにTax Dayを終え、警察のヨッシーに追われるという謎のファンゲームが作成されたり、『スマブラSP』のドイツ版のパッケージからヨッシーが消えた(おそらく、レーティング表記/レイアウトの問題)時も脱税をした影響であるとからかわれていたり、ネットミームとして海外コミュニティに定着していた。

しかし一方で、ヨッシーが気の毒だという声も根強く存在していた。なにせ、ヨッシーは根拠なく突如として脱税しているキャラクターに仕上げられたのだ。ファンならばその面白がられ方は複雑であるし、ファンでなくてもその“特有のノリ”を不快に思う可能性はあるだろう。「スーパーマリオ」シリーズには数々のネットミームが存在するが、「ヨッシーの脱税」については、やや賛否ある人気ネタでもあったわけだ。

 

税金の支払い免除を望んでいたヨッシー

では、本題に戻ろう。こうした背景もあり、脱税と無関係であったと考えられていたヨッシーが税金の免除を乞うシーンが発見されたことは、単なるワンシーン以上の意味がある。タイトルとしては、2011年に発売されたWii向け『いただきストリートWii』にて、ヨッシーが税金の免除を求めている。このシーンを発見したのは、「スーパーマリオ」シリーズに関する小ネタを研究するBlogであるSupper Mario Brothの運営者である。

流れとしては、プレイヤーがゲーム内に新たな税務署を建てた際に、ヨッシーがそのマスに止まると「ヨッシヨッシー?(プレイヤーさん、僕の税金の支払いを免除してくれませんか?)」と喋るという。『いただきストリート』シリーズにおける税務署では、同マスに止まった他のプレイヤーは資産の10%(通例)を保有プレイヤーに払わなければいけない。資産を持つプレイヤーほど、止まりたくないマスだ。このマスに止まった際に、ヨッシーは税金の支払い免除を願うわけだ。しかしながら、税金の免除を望むのは26キャラクター中ヨッシーだけなのだという。たとえば、ワルイージは、税務署は自分のお金を盗む合法のいい手段であると、皮肉をまじえて開き直るようだ。結局どのキャラクターもマスに止まった以上は、その規定に沿うことになるので、ヨッシーも税金を払ったことには間違いないが、26キャラ中、唯一税金支払い免除をお願いしたキャラクターであるという事実は興味深い。

 

アイデンティティをなくしたミーム

「税金と無関係であるヨッシーが、脱税をしていた」という文脈で面白がられていたこのネットミーム。ヨッシーが税金の支払い免除を願っていたシーンが存在していたとすれば、「本来は税金と無関係」という前提が失われてしまう。それゆえに、コミュニティに激震を与えたわけだ。『いただきストリートWii』は、国内ではスクウェア・エニックスが販売を担当し、国外では任天堂が販売を担当したコラボ作品。ゲームデザインは堀井雄二氏が担当し、開発はマーベラスAQL。他社が手がけたスピンオフ作品である。そして『いただきストリート』シリーズのお決まりとして、ゲームに登場すればほとんどのキャラがNPCとしてターンがまわってくるたびに饒舌に話をするという背景がある。テキストが多くなる関係もあり、普段のキャラクターとは異なる一面が顔を出す。本来のキャラ設定とは大きく離れがちなのだ。そうしたヨッシーを「設定」としてカウントすべきかは、難しいところ。

とはいえ、『いただきストリートWii』は任天堂が公認したタイトルであることは間違いなく、国外の販売を任天堂が担当していたことを考えれば、なおさらその設定は例外にはならないだろう。ヨッシーが税金の支払いの免除を求めていたというのは、事実。ただし気をつけてほしいのは、「税金の支払いの免除を望みながら、結局支払った」というのが事実である。脱税を示唆したわけでなく、かつ最終的に支払ったというのがポイント。脱税をしたわけではないというので、その点は誤解すべきではない。

前述したように、脱税と関連していなさそうなヨッシーを脱税と紐付けることで加熱していたこのネットミーム。税金の支払い免除を求めるセリフをヨッシーが発したことで、“前提が壊れた”このミームはやや歪なものになるのではないだろうか。このままヨッシーの脱税疑惑ネタは、免税を求めたことによってさらに人気になっていくのか、もしくは実際に脱税とのネタとの関連があったことにより、前提が壊れたネットミームとして人々は飽きていくのか。“異形のミーム”と化した「ヨッシーの脱税疑惑」がどう変化していくのか、気になるところだ。

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