Riot GamesとMarvelが共同で『LoL』公式コミックを制作すると発表。若きアッシュの日々を描く第一弾がまもなく配信開始

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは、11月19日にMarvel Entertainmentとの提携を発表した。『LoL』の世界を舞台にしたストーリーを共同で制作していく予定で、第一弾として12月19日より「アッシュ:アヴァローサンの戦母(仮)」が配信予定となっている。

リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは、11月19日にMarvel Entertainmentとの提携を発表した。『LoL』の世界を舞台にしたストーリーのコミックを共同制作していく見込みで、第一弾として12月19日より「アッシュ:アヴァローサンの戦母(仮)」が配信予定となっている。

 

豊かなゲーム設定を活かす道へ

全世界で大ヒット中のMOBAタイトル『LoL』のストーリー&舞台設定には、豊かな世界が広がっている。ゲーム内でプレイヤーが操るチャンピオンたちはファンタジー世界「ルーンテラ」の住人であり、それぞれに個性的な経歴と能力を持つ。個性豊かなチャンピオンを育むルーンテラ世界にも、さまざまな地域が存在する。「サモナーズリフト」や「ハウリングアビス」といったゲームモードごとのマップも、ルーンテラ内に存在するロケーションだ。こうした設定を集めたサイトとして、2016年11月にローンチしたのが「ユニバース」。ユニバースでは、各チャンピオンの経歴やショートストーリーを読むことができる。

ユニバース内にて昨年から展開が始まった要素が、コミックだ。最初に公開された「ダリウス:ノクサスの血」を皮切りに、チャンピオンの成り立ちや交流に重きを置いたコミックが配信されている。今年7月に公開されたコミック「ライズ:灼かれた大地」は、チャンピオン「ライズ」が危険な力を秘めるルーン収集のために訪れたある場所での一幕を描いており、ルーンテラ世界を俯瞰視点で冒険できるインタラクティブサイト「ルーンテラマップ」の公開とも連動していた。

こうしたコミックにてさまざまな表現やフォーマットが模索されていたという背景は、最初の4作の制作舞台裏を明かす記事でも語られている。ユニバース内コミックコーナーが始まる以前から、Riotは新規チャンピオン発表などに際してWebコミックを発表してきている(カミール、タリックのアップデートなど)。今回発表されたMarvelとの提携は、『LoL』関連のコミックを充実させ、豊かなゲーム設定を活かしてファンを喜ばせながら収益を得る取り組みの最初の一歩となるだろう。

 

第一弾は『LoL』プレイヤーなら誰もが一度は触るチャンピオン「アッシュ」

第一弾として発表されたタイトルは「アッシュ:アヴァローサンの戦母(仮)」で、チャンピオンのひとり「氷の射手 アッシュ」を主人公としている。発表されているあらすじはこうだ。

[perfectpullquote align=”full” bordertop=”false” cite=”” link=”” color=”” class=”” size=””]厳しい自然に囲まれた北の大地に生まれたアッシュは、氷に覆われた故郷との魔力的な繋がりを持つ戦士「アイスボーン」だが、その肩に母親の過度の期待が重くのしかかっている。古い神話の隠された真実を追い求める狂信的な母と危険な旅路につく部族の民、その先に待つのは、絆の崩壊。そしてすべてが白日の下に晒される時、ルーンテラはもはや彼らの知る世界ではなくなる。若きアッシュは民を率いる長となることができるのか。あるいはその運命は、空っぽの夢に過ぎないのだろうか。[/perfectpullquote]

ルーンテラ世界の北方に広がる極寒の地域「フレヨルド」では、その環境の厳しさから部族間の争いが絶えない。チャンピオン設定におけるアッシュは、その中でも進歩的な部族の集まりである「アヴァローサン」のリーダーだが、発表予定のコミックでは部族を率いる立場になる前のストーリーが描かれるようだ。

ストーリーを担当するのは、Riotでシニアナラティブデザイナーを務めるライターのOdin Austin Shafer氏。Shafer氏は『LoL』のチャンピオンや物語要素に関わるベテランライターだ。アート担当のNina Vakueva氏は代表作「Heavy Vinyl」で知られているほか、個人の活動の一環として『LoL』のファンアートを手がけてもいる。

Marvel編集長のC.B. Cebulski 氏はプレスリリースを通じて「ゲームコミュニティの人たちは物語に強い関心を持っているという点で、マーベル・コミックのファンやマーベル・ユニバースが好きな人たちと相通じるものがあります。リーグ・オブ・レジェンドは業界でも屈指の知名度を誇るゲームで、その独特な世界観や個性豊かなキャラクターはコミックにピッタリと言えるでしょう」と声明を出し、アメコミ出版社として歴史あるMarvelが『LoL』とタッグを組んだことで生じる化学反応に期待を寄せる。

今年8月に『LoL』デザインディレクターからクリエイティブデベロップメント部門に異動し、同部門の代表に着任したGreg Street氏もまた、「物語を語る手段として、コミックというフォーマットはとても気に入っています。コミックなら、ルーンテラを“読む”だけでなく“見る”ことができるからです。リーグ・オブ・レジェンドのユニバースとマーベル・ユニバースの共通点は、非常に多彩なバックグラウンドを持ったキャラクターたちだと思います。マーベルはコミックを通して世界を表現することに成功しており、その数々の素晴らしい物語は高い評価を受けています。そんなマーベルと一緒にリーグ・オブ・レジェンドの物語を語れるというのは、本当に楽しみです 」と、Marvelの表現力を通して語られる新たな『LoL』の物語を心待ちにしている様子だ。

第一弾コミック「アッシュ:アヴァローサンの戦母(仮)」は『LoL』公式サイトとデジタルプラットフォームにて今年12月19日より月刊配信が始まる予定。配信後の来年5月19日には、グラフィックノベルとしてMarvelとRiotから出版を予定している。日本での出版情報は明らかになっていないが、ファンとしては邦訳版も出版されることを願いたい。

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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