ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2019年のE3には参加せず。その狙いを推測

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は11月15日、2019年のE3に参加しない旨を海外メディアGame Informerへと伝えた。IGNも同様の声明を受け取っているという。

E3とは、「Electronic Entertainment Expo」と名付けられた世界最大のゲームイベント。近年では6月頃に開催され、その期間中にゲームメーカーたちがプレスカンファレンスやビデオプレゼンテーションをおこない、今後発売予定のタイトルや展開予定のサービスをユーザー・メディアに伝えてきた。第一回は1995年に開催され、23年にわたって続けられてきた中で、SIEもまた初回からE3と共に歩んできた。しかしながら、その皆勤記録は24年目にして途切れることになる。

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ソニーの広報担当者は、Game Informerに対し「業界の進化にともない、SIEはコミュニティと関わるユニークな機会を模索してきました。PSファンは我々にとって非常に大切であるので、常に革新的でありたいですし、別の考え方で、ゲーマーを喜ばせるための新たな実験をしたいのです。その結果、2019年のE3に参加しないことを決断しました。2019年には、コミュニティとは新しくかつ親しみのある交流の機会を模索しています。その計画を共有できることを楽しみにしています。」と語った。

また同社のコミュニケーション部門の幹部であるJennifer Clark氏は、「E3期間中に、EAのように会場外で独自の催しをする予定があるか」と問われた際には、E3の前後にプレスカンファレンスを実施する予定はないとも語っており、2019年のE3には全面的に不参加になるようだ。Clark氏は、ファンに語りかけ驚かせられるようなイベントを探しており、E3やPSXはそのタイミングではなかったと語っている。

氏が話すように、今年はここ数年12月に北米にて開催されていたPlayStation Experience(PSX)についても、実施しない。PSXとE3 2019をスキップすることを考えると、かなりの期間カンファレンスイベントをおこなわないことになる。何か別の形での発表を計画しているのだろう。なお、マイクロソフトと任天堂はE3 2019に好意的なコメントを寄せている。任天堂のレジー・フィザメイ氏は複数の海外メディアに「E3はファンや世界中のビジネスパートナーにゲームや体験を届ける素晴らしい機会で、毎年次のE3で人々を笑顔にできるベストな方法を議論しています」とコメント(Dual Shockers)。マイクロソフトのボスであるPhil Spencer氏もまた2019年のE3が楽しみであるとコメントし、Xbox公式アカウントは「E3 2019で会えることを楽しみにしています!」とツイート。両社がなんらかの形で参戦するのは間違いなさそうだ。

思い返せば、E3 2018でもSIEは発表タイトルごとに会場を変えるといった独自の方式をとっており、発表やイベントそのものにこだわりが感じられた。さらには、カウントダウンという形式で、E3前に新タイトルや発売日を発表するというイベントも実施しており、SIEならではのアプローチが光っていた。独自の発表を望むSIEが、E3という場から離れてイベントを実施したいと考えることは決して不自然ではない。

そもそも、E3ではプラットフォーマーの発表は、発表単独での評価というより、SIEとマイクロソフト、そして任天堂(ビデオプレゼンテーション)という3社での相対的な評価になりがち。どれだけ気合を入れても「優劣」という観点から評価される傾向にある。2018年のE3に関しては、マイクロソフトが先行し他メーカーと協力し、『サイバーパンク2077』や『ジャンプ フォース』など多くのマルチプラットフォームタイトルが同社のカンファレンスにて発表された。マイクロソフトのカンファレンスが極めて素晴らしかったことは疑いないが、「順番」自体が評価を変える要因にもなっているといえる。相対的な評価に基づく競争ではなく、PSファンと触れ合うための単独の場を設けることを望んだ可能性はある。

また、ソニー社長兼CEOの吉田健一郎氏は10月9日、経済紙Financial Timesに対して次世代機は必要だと述べ、準備を進めていることを示唆している。またSIE社長兼CEOの小寺剛氏は今年5月、PS4はライフサイクルの終盤に入っているとの認識を示し、これからの3年間は次世代機のための準備期間であることをほのめかしていた(WSJ)。PS5発表のための独自のイベントの準備を用意しているという可能性は多いに考えられる。

いずれも推測に過ぎないが、E3を離れることにメリットが存在することも確か。SIEは『Death Stranding』や『ゴースト オブ ツシマ』、『The Last of Us Part II』などビッグタイトルの発売を控えており、発表における弾不足ということはそうそう考えられない。攻めの姿勢でのアプローチの変更であると言えるのではないだろうか。今年10月にはPS4の全世界累計販売台数が8500万台を突破したことが、ソニーの2018年度第2四半期連結業績概要にて明かされていた。それでいて、9月の月間北米チャートではハードウェア売上の首位を飾るなど、その勢いは失われていない。蓄えつつある膨大なリソースはどこに注がれるのだろうか。2019年のSIEの動きには大きな注目が集まるだろう。

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