「PlayDiablo4com」なるサイトが突如出現、アクセスすると『Path of Exile』公式サイトに転送される。『ディアブロ イモータル』発表の波紋続く
Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)が11月2日にBlizzCon 2018にて発表した『ディアブロ イモータル』が波紋を呼んでいる(関連記事)。このモバイル向け新作については、ふたつの公式トレイラーはともに不評率が90%を超え、コメント欄では「批判的なコメントが削除された」と主張する声が埋め尽くされるなど、混沌とした様相を呈している。
そんな中、「PlayDiablo4.com」なるサイトが突如出現したと、ResetEraにて報告があがった。「Play~」というドメインはBlizzardが近年『Overwatch』や『Hearthstone』などで使用しているおなじみのもの。一見すると『ディアブロ』新作もしくは関連サイトのように思えるが、アクセスするとなんと『Path of Exile』公式サイトに転送されるのだ。
『Path of Exile』はSteamおよびXbox One向けに配信されている、基本プレイ無料のアクションRPG。ダークファンタジーの世界観を持つハック&スラッシュゲームで、プレイヤーは7種類のクラスから1つを選び、モンスターが巣食うWraeclastと呼ばれる大陸を探索し戦いを生き抜く。膨大なスキルツリーには1300種類以上のパッシブスキルが用意されており、キャラクター育成の自由度の高さが特徴だ。有料のコンテンツとしてはアイテム倉庫やスキンなど、キャラクターの強化に直結しないものが販売されている。
同作は、Steamでは毎日平均2万弱のプレイヤーが遊ぶ人気タイトルだ。自由度の高い育成とビルド構築が可能で、膨大なやりこみ要素が用意されている。ゲームシステムだけでなく、前述したフェアな課金要素や定期的なアップデートが実施されていることにより、根強い評価を得ている作品。「PlayDiablo4.com」を取得したのは、どうやらBlizzardではなくただのユーザーのようだ。『Diablo』シリーズ新作を待ち望んだファンが、モバイル向け新作に落胆し、『Path of Exile』を遊んだほうがいいという皮肉をこめてドメインを取得したのだろうか。真意は不明であるが、皮肉を意味することは間違いないなさそうだ。
NetEase共同開発のモバイル向けMMOアクションRPG『ディアブロ イモータル』に反発する声は、未だやまない。批判の声は多種多様だ。そもそもPC向けに発売されないことへの怒り。「Diabloらしさ」が存在しないというグラフィックやUIへの批判や、MOからMMOにジャンル転向することへの不安。不透明な課金形態への懸念。NetEaseの過去作の焼き直しなのではないかという疑念(Blizzardは、アセットはいちから作ったと反論済み)。さまざまベクトルから厳しい声が寄せられている。『ディアブロ 2』のプロデューサーを務めたMark Kern氏は、「モバイル版をひとつのオプションとして発表することは問題なかった」としながらも、「PCユーザーの期待を煽るようなことをし、その期待にこたえる発表をしなかった。ファンのことを理解していない」とも手厳しく批判している。
https://twitter.com/Grummz/status/1059207004407754752
実はBlizzardは10月17日時点で、BlizzCon 2018に先立ち『ディアブロ』新作を発表することについて「すべてのプロジェクトを発表する準備はできていない」ともこぼしており、今回の発表後も「複数のプロジェクトが進行している」と強調していた。発表したいが、できない“何か”が存在すると予想できる。そもそも、多くのスタッフが募集されていた『ディアブロ』シリーズの内製新作が、開発されていないとは到底考えられない。ただし、その発表の仕方を誤ってしまったということは否めない。E3 2018でモバイル向け新作『Gears Pop』を告知したのちに『Gears 5』を発表したマイクロソフトのように、『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』を発表したのちに『ポケットモンスター』シリーズ本編を発表した株式会社ポケモンのように、モバイル向け新作とPC向け新作の両方を発表していれば、ファンからの反応は大きく変わっていたかもしれない。
ちなみに本日、奇しくも『Path of Exile』のPlayStation 4版が発表された。海外向けに12月に配信されるとのこと。PS4版のアナウンスが掲載されたフォーラム上には「残念ながらモバイル版はありません(皮肉)」とのユーザーコメントも見られる。同作の開発元Grinding Gearは、この“ディアブロショック”を受けて、新たなファンを獲得すべく、熱心な動きを見せていくことだろう。