大ヒットしたRPG『UNDERTALE』に続く『DELTARUNE』発表。チャプター1をプレイできるPC向け体験版が無料配布中

人気RPG『UNDERTALE』のクリエイターToby Fox氏は10月31日、新作『DELTARUNE』を発表し、同時に公式サイトにてアプリケーションの無料配布を開始した。このアプリケーションは『DELTARUNE』のチャプター1をまるまるプレイできる一種の体験版となっている。

人気RPG『UNDERTALE』のクリエイターToby Fox氏は10月31日、新作『DELTARUNE』を発表し、同時に公式サイトにて「SURVEY PROGRAM」と呼ばれるアプリケーションの無料配布を開始した。WindowsおよびMac向けで、日本語版も用意されている。

なお、このSURVEY PROGRAMのアンインストーラーを使用すると、同じディレクトリにあるほかのファイルまですべて削除してしまう可能性があるとのこと。そのためFox氏は、アンインストーラーは使用しないよう注意を呼びかけている。またWindows版では、Windows Defenderによって起動を停止させられる場合があるが、警告文の中の「詳細情報」をクリックして実行を選択すれば起動できる。Mac版でも、App Store外アプリのため警告が出るが、こちらはシステム環境設定の「セキュリティとプライバシー」にて実行許可を与えれば起動可能だ。

このSURVEY PROGRAMは、結論から言うと『DELTARUNE』のチャプター1をまるまるプレイできる一種の体験版となっている。起動すると、まずは“器”を作るためだとして、キャラクターの頭・胴体・脚部・好み・血液型などを選択し、名前を決定する。しかし、この世界では自分が何者になるか選ぶことはできないと告げられ、クリスという名のニンゲンのキャラクターでプレイすることになる。とある家で暮らし、自室で眠っているクリス。そこに起こしに来たのは『UNDERTALE』のキャラクターであるトリエルだ。

学校に遅刻するからとトリエルの運転する車に乗せられ、モンスターたちで賑やかな街を抜けていく。ほかにも『UNDERTALE』に登場したモンスターたちがおり、学校に到着して教室に入ると、アルフィーが担任の先生となっている。授業を始めようとしたが黒板のチョークがないことに気づいたアルフィーは、クリスと、さらに遅れて来た問題児スージィに、物置に行ってチョークを取ってくるよう指示。そして、妙な雰囲気漂う物置に入ったふたりは、闇の王国へと転送されてしまう。

薄暗く奇妙な世界を進むクリスとスージィは、ふたりを勇者だと呼ぶ王国の王子ラルセイと出会う。ラルセイいわく、この世界を形づくる闇の泉を封じることができれば、世界が闇に包まれることを防げるという。言い伝えによると、それができるのはニンゲン、モンスター、闇の国の王子の3人だけ。まさにその3人が揃ったというわけだ。ラルセイは、この物語はハッピーエンドを迎えられるだろうとし、なるべく誰とも戦わないようにしようと提案。そうして彼らの旅が始まる。

本作は登場キャラクターやグラフィックスタイルだけでなく、ゲームシステムも『UNDERTALE』との共通点が多い。敵モンスターとのバトルはコマンド制になっており、攻撃や防御だけでなく、逃がしたり、さまざまなアクション(こうどう)で“やさしさを示す”ことが可能。アクションの選択肢は対象によって変化する。また、弾幕シューティングのような形でおこなわれる敵の攻撃を、ハート型の自機を動かして避けるスタイルも同じである。

『DELTARUNE』は、『UNDERTALE』の関連作であることは間違いないだろうが、どのような繋がりであるのかは謎に包まれている。「DELTA RUNE(デルタルーン)」とは、『UNDERTALE』の世界に存在する王家の家紋のことで、同作内のあらゆる場面で見られた。「UNDERTALE」のアナグラムでもある。また本作の冒頭にてトリエルは、大学に通っているアズリエルが来週帰ってくると気になる発言もしている。『DELTARUNE』は『UNDERTALE』の前日譚なのか、あるいは同じ世界観でのまた別の物語を描いているのだろうか。

開発者のToby Fox氏は10月30日、まだ完成には程遠い作品についてファンに質問をして、その回答を用いて実現を目指すとし、また昨日にはファンと共に築く未来が楽しみだと述べていた。その作品は『DELTARUNE』のことを指していたことが明らかになった形だが、このSURVEY PROGRAMをプレイした限りアンケートのようなものは見られない。『DELTARUNE』は、何らかの方法でファンからのフィードバックを得ながら開発していく計画なのかもしれない(あるいは、キャラクター作成時に告げられたように、そのような選択肢はそもそも存在しない可能性もある)。

なお、本作の日本語ローカライズは、『UNDERTALE』と同じくハチノヨンと福市恵子氏によっておこなわれている。プレイヤーの選択や行動によってセリフが変化するなど、かなり文字情報の多いSURVEY PROGRAMの中でもその丁寧な仕事が確認できる。エンディングではチャプター2に続くと表示されており、『DELTARUNE』が今後どのような形で展開していくのか注目である。Bandcampでは本作のサウンドトラックが販売開始しているので、興味のある方はこちらもチェックして見てはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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