『Dead by Daylight』ハロウィンイベントのルールが、“1週間で2度”変更される。コミュニティの声を聞き、運営が早期にテコ入れ

 

日本時間10月20日、『Dead by Daylight』でハロウィンイベント「The Hallowed Blight(神聖なる疫病)」が開始された。2016年のサービス開始から3度目のハロウィンを迎えた今回は、ゲーム内に新たなシステムを導入するという、過去に開催されたイベントと比較しても最大規模のものとなった。

今回のイベントの目標は、殺人鬼・生存者共に「Putrid Serum(腐敗の漿液)」を集め、キャラクターのスキンと交換することだ。イベント開始前日におこなわれた開発チーム生放送で交換できるスキンが発表された際は、ハロウィンにふさわしい外見のおぞましさがコミュニティの注目を集めた。

イベントのバナー画像。不気味な粘液がしたたり、異形の姿と化した殺人鬼達。

しかし、新スキンやイベントの情報が発表されて盛り上がりと同時に、ある仕様が公式フォーラム等で大きな批判を集めることとなった。それは、これらのスキンを全て手に入れるには課金が必要であるという点だ。

『Dead by Daylight』では、各キャラクターのスキンは3つのパーツで構成されている。1つのパーツを交換するためには、前述の「Putrid Serum」を10本集めなくてはいけないのだが、イベント期間中収集できる本数に30本の上限が設けられており、それ以上は課金通貨で購入する必要があることが発表されたのだ。

今回のイベントのスキンは7種類あり、それぞれが3つのパーツを持つため合計21パーツとなる。イベント目標達成で交換できるパーツは最大3個までなので、残り18パーツは課金により入手する必要があった。1つのパーツは400オーリックセル(約400円)なので、全て揃えようとすると約7,200円が必要である計算となる。ゲーム本体が1,980円であることを考えると、これは決して安くない金額だ。しかも30本の上限は殺人鬼で15本、生存者で15本と振り分けられており、普段片側のロールしかプレイしないプレイヤーにとっては更にハードルが高いものとなった。

1種類3パーツを同時にまとめて買うと10%の割引があるが、それを最大限に活用しても約6,500円。ゲーム本体の3倍以上の価格だ。

『Dead by Daylight』において過去に開催されたイベントで配布されたスキンは、数は合計2パーツ程度であったものの、全てゲームをプレイして所定の目標を達成すれば誰でも無料で獲得することができたため、この仕様が発表された直後から公式フォーラム等に批判が殺到した。

※ディレクターのマシュー・コート氏による、コミュニティに対して冷静かつ建設的なフィードバックを求めるツイート

そして翌日のイベント開始時、収集できる本数が30本から60本に引き上げられ、それに伴い殺人鬼・生存者それぞれで30本ずつ集められるようにルールを変更したことが発表された。無料で獲得できるスキンが6パーツとなって2種類をコンプリートできるようになり、片側の陣営しかプレイしないプレイヤーも1種類をコンプリートできるようになった。仕様の発表後24時間でルールが変更になるという、極めて異例の対応となった。しかし、問題はこれだけで終わらなかった。イベント開始数日後より、一部のプラットフォームで殺人鬼側でのマッチング待機時間が、非常に長くなり始めたのだ。

公式フォーラムより、殺人鬼の待ち時間が長すぎることを報告する書き込みのひとつ。試合開始に必要なプレイヤーが揃うまでに20~30分かかるとしている。

開発チームは、原因の根幹にあるものとして、「通常生存者側を多くプレイしているプレイヤーがイベント目標達成のために殺人鬼側をプレイしようとしているため、待ち時間が長期化していると思われる」と発表した。結果、殺人鬼・生存者でそれぞれ収集できる本数が30本ずつに限られていた仕様は両陣営共通で最大60本と再度緩和され、片側の陣営だけでもイベント目標を達成できるようになった。

イベントの発表から1週間で2度に渡りルールが変更されるのは『Dead by Daylight』サービス開始以来初の出来事である。単に方針に一貫性がないという視点で見ることもできるが、一方で新要素や従来のイベントより大幅に報酬の種類を増やしたことによるひずみを、コミュニティの意見を反映して柔軟かつ迅速に変更しているとも考える。コミュニティのフィードバックを受け、早期の改善を実現したという点は、評価に値するのではないだろうか。イベントはSteam版のフリープレイ・PlayStation 4版の体験版配信と並行しつつ、現地時間11月2日頃まで続く予定だ。