エログロ増し、レーティング審査規制無しの『Agony UNRATED』ストアページがSteamに登場。一度は開発中止が発表されていたバージョン
インディースタジオMadmind Studioが開発した一人称視点サバイバル・ホラーゲーム『Agony』のレーティング未審査版『Agony UNRATED』のSteamストアページがオープンした。開発元・パブリッシャーの名義はMadmind Studioではなく、『Agony』のクリエイティブ・ディレクターTomasz Dutkiewicz氏。配信開始予定日は10月31日で、『Agony』と同様に日本語字幕・インターフェイス対応予定と記載されている。
※今年5月に公開されたストーリートレイラー
『Agony』は亡者や悪魔に憑依しながら地獄を彷徨う一人称視点のサバイバル・ホラーゲーム。今年5月29日にPCおよび海外PlayStation 4/Xbox One向けに配信が開始された。プレイヤーは記憶を無くした人間の魂として、地獄からの帰還を果たすべく、その術を知っているという赤い女神(Red Goddess)を探す旅に出る。ステルス行動で悪魔から逃れたり、捧げ物や魔力印といったキーアイテムを探してパズルを解いたりしながら、肉片と血の海で覆われた猟奇世界を巡るのだ。
「ゲーム市場もっとも恐ろしい地獄」の構築を目指した『Agony』は、作品の目玉である地獄描写には力が入っているものの、地獄描写・雰囲気以外のステルスやパズル、悪魔への憑依アクションといったゲームプレイ部分が酷評され、レビュー集積サイトMetacriticではメタスコア46/100点、ユーザースコア4.3/10点と振るわぬ結果を残している。
リリース後には、敵キャラクターの大幅減、パズルの簡易化、チェックポイントの追加、スタミナの上昇といったストレス軽減につながるバランス調整が続いたが、ユーザーレビューによる評価は変わらぬままである。
本作は発売前から残虐な暴力・性的描写に期待が集まっており、5月の発売直前には、レーティング審査により成人指定を受けることを避けるため、ゲーム内の一部表現を緩和する旨が発表されていた。かわりに任意の規制解除パッチを配布する予定であったが、法的理由によりパッチ配布が取りやめになった。代替案としてMadmind Studioは、発売後の5月31日に規制対象シーンを収録した動画を公開。公式動画は現在削除されているものの、開発陣は「“agony deleted scenes”でググってね」とコメントを残している。規制対象となったのは、7種類あるエンディングのうち2種類、ゲームクリア後にアンロックされるサキュバスモードの数シーンなどで、いずれもエログロ表現満載の映像となっていた。
その後、6月7日に規制されたシーンを追加する『Agony UNRATED』が発表される。規制されたシーンだけでなく、よりエロチックなキャラクターアニメーション、高解像度の無規制テキスチャー・モデリング、新サウンド、自動生成マップを攻略してハイスコアを狙うAgonyモードのコンテンツ追加などが盛り込まれるとアナウンスされていた。しかしながら、同月26日にはスタジオの財政難、技術的・法的理由から開発を断念せざるを得なくなったと報告(関連記事)。パッチ配布の予告と取りやめ、映像の一時公開、無規制版の発表と中止。スタジオ方針が二転三転していたことがうかがえる。
現在、公式サイトからはゲームに関する情報が削除されており、開発者からのメッセージだけが残されている。同スタジオが財務的にも法律的にも多くの問題を抱えている旨を伝えるとともに、まだ開発チームは地獄に残って(地獄を題材にした『Agony』にかけての表現)本作に取り組んでいると記している。
『Agony UNRATED』が6月にアナウンスされた時点では、Steam版『Agony』の所有者であれば無料で取得できるDLCとして配信するか、99%オフの格安価格で購入できるようにすることを目標としていると告知されていた。今回Steamストアに登場した『Agony UNRATED』については、開発陣が連絡を絶っており多くが不明のまま。どのような形式で販売されるのか続報を待ちたい。