『LoL』人気の美少年チャンピオン「エズリアル」がパッチ8.20でアップデート。キャラクター性の強化とゲームプレイの改善へ
『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは、チャンピオン「エズリアル」のアップデートを予告した。フルリワークではなくゲーム内ビジュアルの刷新を目的としており、ゲームプレイ面の変更は小規模な改善に留まるものとなる。日本時間10月10日朝のメンテナンスで配信される最新パッチ8.20をもって、このアップデートが実装される。
【UPDATE 2018/10/10 17:20】
日本時間10月10日朝に発表されたパッチノート8.20に、エズリアルのアップデートの詳細が記載された。完全新規スキルとなったWの説明にくわえ、Qの性能調整も行われている。そのほかにも日本語版固有の変更として、英語のスキル名と合わせる形で全てのスキル名が変更された。さらにアップデート記念として、通常販売していないスキンを含む「光の冒険心セット」、エズリアルの新エモート3種からなる「大胆不敵な洒落者セット」が10月24日15時59分まで期間限定販売している。通常販売を終了したスキンも特別に販売を再開しているので、買い逃しているスキンがあるエズリアル使いはストアをチェックするとよいだろう。
スキル性能の変更はWのみ
エズリアルの実装は2010年3月、『LoL』の競技シーズンそのものが始まる前にさかのぼる。左手に装着したガントレットから魔法の光弾を放ち、不思議な力で短距離間の瞬間移動を行う少年探検家というキャラクターとして登場した。ゲーム内の性能は遠距離攻撃を行うダメージディーラーで、前方に光線を発射してダメージを与えるQ「ミスティックショット」、チャンピオンにのみダメージ等を与えるW「エッセンスフロー」のクールダウンが短いことを活かし、スキルと通常攻撃を織り交ぜてダメージを稼いでいくのが基本となる。短距離間の瞬間移動能力であるE「ミスティックシフト」は、危険な戦闘から瞬時に距離を取ることができるため、耐久性に欠けるエズリアルのプレイでは命綱として機能する。アルティメットスキルの「トゥルーショット」は、ごく短い溜めモーションの後に大きな光弾を発射するもので、発射後はあらゆるものを貫通してマップ全体を飛んでダメージを与える必殺技だ。全スキルが方向指定であり、試合中に結果を出していくためには偏差射撃や位置取りの先読み、非常に精密な操作などが要求される、テクニカルなチャンピオンとなっている。
上記動画は実装当時のチャンピオンスポットライトで、動画内に見えるスキル性能は現在までほとんど変わっていない。しかしWのみは長い間悩みの種であり続けてきた。実装当初のWは「敵チャンピオンに当てると魔法ダメージと攻撃速度低下デバフを与え、味方チャンピオンに当てると攻撃速度上昇バフに加え体力を回復する」という性能だったのだ。このため当初のエズリアルは「healing damage dealer」などと呼ばれ、強力なヒーラーとしても機能していた。ほどなくしてWから体力回復は削除され、攻撃速度低下デバフもなくなり、魔法ダメージと味方への攻撃速度バフのみが現在は残っている。Wは前方に発射する方向指定スキルであり、発射直後にEやサモナースペル「フラッシュ」でWの中に飛び込むことで、自分自身でバフを受け取るという使い方もできるが、操作のシビアさや使い方の難しさから、正直に言って一般的な実用コンボではない。
今回のアップデートで、Wは完全新規スキルへと作り直された。前方へオーブを発射し、当たった敵チャンピオンもしくはオブジェクトに対してオーブが4秒間貼り付く。Wのヒットそのものについてダメージは発生しないものの、オーブが貼り付いた対象に通常攻撃もしくはスキルで攻撃を行うと、オーブが爆発してダメージを与えるという、ダメージ強化コンボスキルへと変貌している。スキルでオーブを起爆した場合は、Wと起爆スキル使用の両方に消費したマナを回復させてくれるというおまけ付きだ。オーブは建造物に対しても貼り付き、インヒビターおよびネクサスに対しても爆発ダメージを与えられる(この場合起爆は通常攻撃でしか行えないため、消費マナは返ってこない)。オーブの爆発ダメージには攻撃力と魔力の両方が反映されるため、強力な攻撃アイテムを揃えたエズリアルの手にかかれば、ドラゴンやバロンからネクサスまでにとてつもない大ダメージを与えることも夢ではない(PBEでの検証動画)。
W以外のスキルや基礎ステータスにはほとんど変更がなく、開発からも「大きなゲームプレイの変更はない」と明言されている。各スキルも増加させた攻撃力と魔力の両方を反映し、物理・魔法ダメージの両方を与える「ハイブリッド」のままで、これまでのアイテムビルドなどもそのまま通用すると思われる。アップデート後もゲーム内での役割はあまり変わらず、ボットレーンやミッドレーンで姿が見られそうである。
ビジュアル・ボイス・ストーリーの全てを強化する形で刷新
今回のエズリアルのアップデートに際しては、ゲームプレイ面以外の要素が一新されており 、古びて魅力を失いつつある要素を現行水準に引き上げる形で差し替えが行われている。ゲーム内3Dモデル・テクスチャー・リグ・アニメーションは全スキンについてほとんど全てが一から作り直されたが、根幹をなすテーマは変わっていない(ダンスの「ハレ晴レユカイ」も健在)。豊富なギミックを持つアルティメットスキン「パルスファイア エズリアル」も例外なく、完全新規モデルへと生まれ変わっている。スプラッシュアートも古いものは新規アートが書き下ろされ、新しいものも若干の調整が加えられた。ゲーム内ボイスは完全新規収録となっており、ゾーイのように最近実装されたチャンピオンに対するセリフも追加されているのがうれしいところだ。
https://www.youtube.com/watch?v=d_MRuElp3dI
現在進んでいる「ユニバース」の増強に従ってキャラクター設定も書き直され、ショートストーリーも追加された。追加されたショートストーリーは3本で、ガントレットの能力を駆使して困難を乗り越え古代遺跡の秘宝を手に入れる「ウロアの霊薬」、ある探検の一部始終について彼自身が記述した日誌「探検家の旅」、街へと持ち帰った秘宝がさらなるトラブルを呼ぶ「キュレーターの策謀」。どれもエズリアルの人となりや世渡りを描き出す掌編となっている。『LoL』の舞台となっている世界「ルーンテラ」を案内する特設サイト「ルーンテラマップ」では、地図上のガントレットのアイコンをクリックすると、エズリアルが各地を旅した際に書き留めた調査ノートを読むことができる。「ルーンテラマップ」はライズを主人公としたコミックが発表された際も、ライズの足跡が地図上に追加されるなどの更新が続いており、今後エズリアルが新しい冒険に挑むストーリーなどが発表されれば、調査ノートも追加されていくかもしれない。
ゲームプレイやビジュアルが古くなってしまい、魅力を失いつつあるチャンピオンは『LoL』に多数存在しており、Riot Gamesは彼らを順々に検討してリワークやアップデートを続けている。過去にはゲームプレイ性能を全く変えずにビジュアルのみの変更を行う「ビジュアルアップデート」も行われていたのだが、スキルエフェクトなどを一から作り直す際に性能変更を伴わないのは変更コストの無駄遣いであるとして、現在は行われていない。今回のエズリアルのアップデートがうまくいけば、同様の小規模アップデートを今後増やすかもしれないとチャンピオンリードプロデューサーのReav3氏はコメント している。今後のチャンピオン関係としては、年内に新規チャンピオン1体が実装予定と発表済みで、古参チャンピオン「ケイル」「モルガナ」のアップデートも予定に盛り込まれている。