任天堂キャラクターの「キノピオ」が、ポルノサイトの急上昇検索ワードに浮上。普段の23倍検索されたその理由とは

今月9月19日より、ポルノサイトであるYouPornにて、任天堂のキャラクターであるキノピオ(Toad)の検索数が急増していることが、プレスメールを通じて報告された(GoNintendo)。以前までの平均に比べて310%増えた検索数は、18日には504%上昇。さらに19日にはなんと2296%上昇したという。約23倍増えたこの検索数の増加の裏側には、とある事件が関係していたようだ。

 

きっかけは“米国大統領”

ストーミー・ダニエルズ氏 Image Credit : Wikipedia

発端となったのは、ポルノ女優であるストーミー・ダニエルズ氏の自伝本「Full Disclosure(全部暴露します)」だ。10月2日に発売予定であるこの自伝本では、その名のとおりダニエルズ氏の過去が赤裸々に語られると告知されている。しかし、その内容は発売を待たずしてイギリス紙のThe Guardianがすっぱ抜いたことにより、一部明らかになった。この本に記載されているドナルド・トランプ氏とのやりとりが、特に注目を集めている。

ダニエルズ氏は以前より、現アメリカ大統領であるドナルド・トランプと過去に不倫関係にあったことを主張していた。この本では、不倫関係にあった2006年の情事について、生々しく描かれている。セレブ御用達のゴルフのペンションでトランプ氏と知り合ったダニエルズ氏は、のちに招待を受けてペントハウス(高層マンションの屋上部屋)を訪れた。そのまま一夜を過ごしており、その時の状況を描写した。

ペントハウスのベッドで交わりあったというふたり。ダニエルズ氏は、トランプ氏の陰茎について「平均よりも小さいが、奇妙なほど小さくもない 」と表現。亀頭の部分は大きく“キノコのようだった”と例えた。そして、このサイズ感にダニエルズ氏は満足できなかったようだ。氏は「横たわって、イエティのような陰毛と『マリオカート』のキノコのキャラクターのような陰茎を持つ男と行為に及んでいることに、苛立っていた」と綴った。ダニエルズ氏にとっては、生涯で最も魅力を感じさせない行為であったようだが、トランプ氏にとってはそうではなかったようであるとも付け加えている。

多くのユーザーの目に止まったのは、『マリオカート』と「キノコのキャラクター」というキーワードである。このキャラクターについては何を指すのだろうか。最新作である『マリオカート8 デラックス』に登場する、キノコ族のキャラクターは2名。キノピオとキノピコだ。ともに、実在するキノコのような頭部をしている。ダニエルズ氏のゲームについての知識は浅そうなのでなんともいえないが、おそらく知名度から考えてキノピオのことを指しているのだろう。かつての不倫相手が、米大統領の性器を間接的に“キノピオのよう”と表現したことにより、キノコの頭部をしたマリオキャラクターが思わぬ形で注目を集めたのだ。

『マリオカート 8』より

この話題はすぐにアメリカ全土に広がり、9月19日にTwitterにて「MarioKart」と「Toad(キノピオ)」がトレンド入り。そして、一度火がついた流行は止まらない。この騒動を知るユーザーも知らないユーザーも、キノピオとマリオカートの話題が世界を席巻していることを大いに喜んだ。多くの人を巻き込みこのフィーバーは続いていった。
【UPDATE 2018/9/25 17:20】
ニンテンドー・オブ・アメリカの投稿について、記述を削除しました。

ダニエルズ氏は脚本家や監督としても活躍しているが、冒頭で述べたように、ポルノ女優としての経歴がルーツにある。冒頭で、YouPornにてキノピオの検索数が増えたと述べたが、ダニエルズ氏の検索数も以前に比べて477%増加したと報告されている。ニュースで彼女の名前を聞いたのちに、登場作品を調べよう、もしくは見てみようと思った成人男性は多かったのだろう。 そしてダニエルズ氏の暴露の話題でしばし取り上げられる「Toad(キノピオ)」も巻き添えで検索対象に含まれたと考えられる。もしくは、キノピオのような形の性器を見たいと考えたユーザーがいたのかもしれない。

 

不運のキノピオ

ただし、ファンにとっては必ずしも喜べるお祭りだとは言えなかった。これまでマリオキャラにおいては、マリオの乳首ルイージの性器が注目を集めたが、いずれもゲーム内の描写にまつわるものだった。しかし、今回のキノピオはゲーム内の話ですらなく、もっといえばみすぼらしい性器を表現するための例えの“悪口”として使われただけに過ぎない。マリオシリーズでも、マリオをひたむきにサポートするキノピオが、事故的に性器に関連付けられるようになったこと自体を悲しむ人々は存在する。BBCは記事にて「かわいそうなキノピオ、ダニエルズがいかにマリオカートを破滅させたか」と見出しをつけたほか、トレンド入りしたことに最初は喜び、その経緯を知って悲しむTwitterユーザーの嘆きの声が寄せられている。同情をする人々は多い。

マリオキャラクターでいえば、以前にもヨッシーが、とあるユーザーの投稿をきっかけに、脱税を試みるキャラクターとして認定され、ネットスラングと化した(詳細記事)。こちらもゲームとはまったく関係はなく、ヨッシーがいずれの作品でも脱税したことをにおわせる描写はないのだが、それでも面白がったファンによる“いじり”は止まらない。ドイツの『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のパッケージイラストからヨッシーが消えた際も、アイコンのサイズの関係であることが濃厚でありながら「ヨッシーは脱税したから消された」とのコメントが寄せられていた(Nintendo Life)。ヨッシーもかなり気の毒であるが、“粗チン”として例えられたキノピオの風評被害は、さらに深刻なものであるといえる。ヨッシーとキノピオの共通点として、作中の無邪気さやかわいらしさがあげられる。そうした愛嬌のあるキャラクター性が、逆に“いじり”を誘発しているのかもしれない。

『スーパーマリオ オデッセイ』より

そういう意味では、先日より“クッパ姫”と呼ばれる二次創作キャラクターが世界を席巻し、この話題を塗りつぶしていったのは、キノピオにとっては幸運だったといえるだろう(詳細記事)。22日から本格的に爆発した人気は丸二日続いた。だが24日の夜より、Twitterのトレンドから、クッパ姫および派生のキングテレサ姫の名は姿を消した。これは、ふたつのキーワードが一般名詞と判断され、キーワードと判断されなくなったとの説が浮上しているが、25日午前2時や午前7時にクッパ姫とキングテレサ姫はふたたびトレンド入りしているので、その説の真偽は不明。トレンドから姿を消した理由について、沈静化したのか定かではないが、日本のTwitterの歴史に刻まれた現象であったことには間違いない。不祥事と関連付けられたキノピオと、公式設定から生まれた二次創作キャラクターのクッパ姫。9月後半は、任天堂が何も発表していないにも関わらず、関連キャラクターたちが注目を集める奇妙な月であった。

誤解なきように強調しておくと、最近の作品においては、キノピオは愛らしいキャラクターとして登場している。『スーパーマリオ オデッセイ』でも勇敢さやかわいらしさを味わえるが、その魅力をさらに堪能したい方は、今年7月にNintendo Switchとニンテンドー3DS向けに発売された『進め!キノピオ隊長』をプレイしてみてほしい。

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