PS4独占侍オープンワールド『ゴースト オブ ツシマ』は、日本の「古流武術の専門家」の協力を得て開発中。徹底した“和”へのこだわり見せる

PlayStation 4専用タイトル『ゴースト オブ ツシマ』は、蒙古襲来をテーマとしたオープンワールドゲーム。1274年の対馬をテーマとしたゲーム『ゴースト オブ ツシマ』をアメリカのスタジオが作っているが、本作では「古流武術の専門家」が開発に協力しているようだ。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から発売予定のPlayStation 4独占タイトル『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』は、蒙古襲来をテーマとしたオープンワールドゲームだ。モンゴル帝国に攻め込まれた1274年の対馬が舞台となっており、プレイヤーは侍のひとりとして反撃に出る。『inFamous』シリーズに携わったSucker Punch Productionsが開発を手がけており、同社はSNSなどで定期的に制作秘話や近況などを報告している。8月30日の投稿によると、Sucker Punch Productionsは、日本の「古流武術の専門家」を招いて本作を開発しているようだ。

Twitterの投稿では、和の衣装をまとった二人の日本人が何らかの収録に参加していることが確認できる。場所は、『inFamous』シリーズの看板があることから、おそらくSucker Punch Productionsのスタジオだろう。設備から見るに、モーションキャプチャーをしているのではないかと推測されている。この収録に参加しているのは、天心流兵法第十世 鍬海政雲氏と、天心流兵法 代範 井手柳雪氏であるという。ともに天心流兵法に深く関わる武術家だ。

天心流兵法は、時沢弥兵衛が、剣豪として知られる徳川将軍家の柳生宗矩に新陰流を学び生み出した古流武術(公式サイト)。宗矩に仕えた弥兵衛が、宗矩が編み出した二百数十の技法を整理し、独自の兵法を編み出し、天心流と名付けたという。天心流兵法は、剣術、抜刀術、槍術、十文字槍術、薙刀術、鎖鎌術、柔術を含む兵法であるとのこと。

天心流兵法は、第八世石井師家氏から天心流兵法第九世の継承を受けた中村天心氏によって、指導が続けられてきた。今回Sucker Punch Productionsの投稿で登場する鍬海氏は、2012年2月より天心流兵法第十世を継承した人物。井手氏は、修行を続け同じく2012年に目録を得た人物。天心流兵法を指導する古流武術の専門家ふたりであるというわけだ。両名とも、SNSなどで美しくも勇ましい武術の映像を配信中。熟達のプロの技を、垣間見ることができる。

https://twitter.com/ideryusetsu/status/1035753365639053312

『ゴースト オブ ツシマ』は、今年6月に開催されたE3にてゲームプレイ映像が初披露された。映像では、人物の衣装や建築物の外装および内装など、和を中心とした世界観づくりへの緻密なこだわりが垣間見えた。草花の揺れや迫力な天候描写、美しく舞い散る紅葉などにより、和でありながら、美しい世界が描かれていた。

武術の専門家がどのように本作に携わるかは公式には明かされていないが、おそらくモーションに関わる部分だろう。1274年の対馬が舞台という設定を忠実に描くのは、アメリカを本拠地としたスタジオにとって非常に難易度の高いミッションであることが予想できる。Sucker Punch Gamesは、昨年12月時点で2度取材および研究のためのロケーション・ハンティングを実施済み。またSIEは大量の資料を用意し、全面的なサポートをおこなっているという。そしてさらに専門家が協力し、 “ホンモノ”の日本古来の武術が再現されるとすれば、武術の歴史と作品設定の時代背景こそやや異なれど、日本を描くという点において、さらに忠実かつ刺激的なものになるだろう。

すでに最新映像の再生回数(英語版)は200万回を超えており、全世界の人々から期待を集めているPlayStation 4独占タイトル『ゴースト オブ ツシマ』。ゲームとしてだけでなく、日本文化への描写のこだわりにも、ぜひ注目していきたい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

記事本文: 5199