『サイバーパンク2077』先日公開された新画像に、秘密のメッセージが隠されていた。謎の文字列がさらなる謎を呼ぶ

CD PROJEKT REDは8月23日、現在開発中のオープンワールドRPG『サイバーパンク2077』のコンセプトアートを新たに4枚公開した。『サイバーパンク2077』の濃厚な世界観を堪能できる画像であるが、実はまたしてもこの画像には秘密が隠されていた。

CD PROJEKT REDは8月23日、現在開発中のオープンワールドRPG『Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)』のコンセプトアートを新たに4枚公開した。タクシーに乗る3人組の男や、女性が顔面の顎部分を取り外してメイクをする様子など、E3 2018にて披露されたトレイラーで見られたシーンが描かれている。

これらオリジナルのコンセプトが、E3 2018トレイラーにてどのように変化していったのかを見比べるのは楽しみのひとつであるが、ファンの分析はそれに留まらない。CD PROJEKT REDは、今年3月に開いた決算発表会見にて、プロジェクタの映像が乱れたように見せかけてE3での本作の披露を示唆したり、例のE3 2018トレイラーの最後の数フレームに、本作を待ち続けているファンに宛てたメッセージを忍ばせたりといった、手の込んだ“前科”があるからだ。そして、やはりこのコンセプトアートには秘密が隠されていたことが判明し、Redditなどのコミュニティにて話題となっている。

上に掲載した画像は、今回公式SNS上にて公開されたコンセプトアートのひとつである。『サイバーパンク2077』の公式サイトでも公開されているが、実は1点だけ異なる部分がある。それは、背景の右寄りにあるピンク色の看板だ。「BIT.LY/2KXFBFB」と書いてあるのが確認できるが、公式サイトのものには存在しない。BIT.LYというと、短縮URLサービスである。

このURLを“小文字にして”アクセスしてみると、CD PROJEKT REDのドメインに保管された以下の画像が現れた。ネオンカラーのラインが入り乱れるように描かれる中、所々にノイズがあり、そして「M0r3 7h4n m337s 7h3 3y3.」と書かれている。これらの数字を、似た形のアルファベットに置き換えてみると「More than meets the eye.」と読めなくはない。これは「目に見えている以上のものがある」という意味であり、言葉通りに受け取れば、この画像にはまだ何かが隠されているようだ。

この画像をXMLエディタで開いてみると、膨大な文字・数列が表示される。画像を開けばこのように表示されるもので、普通に読み取ることは不可能だが、今回の画像には一番最後の行に「Cesar said(シーザーは言った)」という書き出しから始まる「oaawz://jku-s-tra.jkwyvqlraylk.jvt/pthnl/zljvuk.qwn」という文字列が含まれていた。これもまた意味がわからないが、なにかのURLらしいことはコロンと2つのスラッシュからうかがえる。

解読のヒントは「シーザーは言った」という言葉だ。この文字列はシーザー暗号となっており、それぞれの文字をアルファベット順に19個ずらしていくと、「https://cdn-l-mkt.cdprojektred.com/image/second.jpg」という画像のURLが現れる。以下に掲載したのがその画像で、「C:\>Can’talk. They’re watching. Need my TT insurance renewed ASAP. Use the provided ID. Counting you.」というメッセージが書いてある。

そのメッセージは、「何者かが監視しており話すことはできないが、すぐにTT保険を更新する必要がある。提供されたIDを使ってくれ。頼りにしてるぞ」という意味である。気になるキーワードとしては「TT insurance(TT保険)」だろうか。TTというと、本作にはTrauma Team Internationalという救急医療をおこなう企業が存在し、E3 2018トレイラーにも登場した。Trauma Teamと呼ばれるブルーのユニフォームに身を包んだチームが現場に派遣され救命治療をし、またクライアントを危険から守るためには戦闘も辞さない。

そしてファンは、そのTrauma Team Internationalの(架空の)公式ホームページを発見。トップページには、ヘルスケア製品から健康保険までを扱う世界最大のメディカルサービス会社であると記載されており、やはりTT保険とはこの会社の商品を指していたようだ。では、メッセージにあった「提供されたID」とは何のことで、どこで使えば良いのだろうか。

Trauma Team Internationalのホームページには、製品やサービスを購入するには同社の自動アシスタントを利用するよう記載されている。本来なら、このホームページ上でDavidという名のアシスタントとチャットができるようだが、本稿執筆時点ではDavidはオフラインとなっており機能しない(本件が報じられてアクセスが集中したのかもしれない)。ただ当初はオンラインになっていたようで、Davidとのチャットに成功したファンもいた。

そのやりとりによると、健康保険の購入を申し出るとDavidは価格は12万500Eドルであると案内。それを了承すると、オーダーIDが発行されている。このオーダーIDが、例のメッセージにあったIDのことだろう。保険の契約書を発行するには、このIDをホームページのマイオーダーページにて入力する必要があるとされ、その通りにすると、アクセス過多により手続きには最大7日かかるというメッセージが表示されてやりとりは終了している。

『サイバーパンク2077』は、2077年のアメリカの巨大都市ナイトシティを舞台に、主人公である新鋭のサイバーパンクV(ヴィー)の活躍を描く。ナイトシティは国家ではなく大企業やギャングが支配しており、全米一住みにくいとされながらも、人を惹きつけるものがある街だという。今回、一枚のコンセプトアートから導き出されたメッセージは、そうした支配のもとに生きる何者かの存在をイメージしたキャンペーンということのようだ。一方で、Trauma Team Internationalでの健康保険購入時に案内された、手続きには最大7日かかるという案内は、実世界でのなにかしらの時期を示唆しているのだろうか。本作の続報には注目が集まるところ。『サイバーパンク2077』は、PC/PlayStation 4/Xbox One向けに発売予定(時期未定)。日本語吹き替えに対応し、国内でも発売される。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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