『ゼルダの伝説 BotW』や『FF14』などのあの物件は、日本円に換算するといくらで買えるのか?住宅の専門家がまじめに算出

ゲーム内で購入できる物件は、現実の価格ではどれほどになるのだろうか。そんなことを疑問に思った、住宅ローンや住宅保険のアドバイスをおこなう会社London & Countryが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『ファイナルファンタジーXIV』などを対象に、相場に照らし合わせて価格を算出した。

そろそろ夢のマイホームが欲しい。ずっと憧れていたあの家、いくつか目星はつけている。しかし、それらを購入するためにはどれくらいお金を貯めればいいのだろうか。値段はついているが、キャップやギル、ルピーではピンとこない。日本円では一体いくらなのだ。そんなゲーマーの疑問に答えるべく、イギリスを拠点に住宅ローンや住宅保険のアドバイスをおこなう会社London & Country(以下、L&C)が、ゲーム内で購入できる物件の価格は、実際のお金に換算するといくらになるのかを算出している。

Image Credit: Wikia

L&Cがまず取り上げたのは『The Elder Scrolls V: Skyrim』である。同作ではクエストをこなすことで家を購入できるようになり、休息を取ったりアイテムを保管しておける。もっとも手頃な物件は、ホワイトランに存在するブリーズホームで、値段は5000ゴールドである。これを現実のお金に換算するには、通貨であるゴールドの価値を算出する必要がある。そこでL&Cが目をつけたのは、同作の中で売買できるもので、なおかつ現実の世界でも売買されているものの値段だ。

たとえば、1ゴールドの価値があるニンジンは、イギリスでの平均的な価格は0.1ポンド。7ゴールドのスパイス入りワインは、9.99ポンドである(価格比較サイトMy Supermarketを参考)。このようにして、食料を中心に10数種類の価格を換算し、1ゴールドあたりの平均を割り出すと1.85ポンド/274円となる。これを交換レートとして使用するのだ。ブリーズホームに話を戻すと、5000ゴールドなので日本円だと「約170万円」という計算になる。2万5000ゴールドともっとも高価な物件である、ソリチュードのプラウドスパイヤー邸だと「約685万円」だ。

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『Fallout 4』で購入できる物件は、ダイアモンドシティマーケットに存在するホームプレートである。市長秘書ジェネバから2000キャップで購入でき、ワークショップが備え付けられている。そして同作でも食料から交換レートを割り出す。食料はたいていのゲームに存在し、実世界でも身近なものであるため価値を計りやすく、L&Cはこの手法を基本としている。同作のチキンヌードルスープの価値は23キャップで、英国では0.95ポンド。75キャップのガゼルのステーキは16.92ポンドである。このほかさまざまな食料から導き出された1キャップの価値は、0.33ポンド/27円。2000キャップのホームプレートは、「約9万6000円」という結果となった。ただL&Cは、ポスト・アポカリプスという『Fallout』の世界観を考慮すると、食料をベースとした交換レートはキャップの価値をもう少し高めに見積もっても良いかもしれないとしている。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』では、ハテール地方のハテノ村にて家を購入可能。価格は5万ルピーだが、工務店のサクラダに話しかけると3000ルピー(と薪の束)にまけてくれる。同作では食べ物に加えて、ルビーやサファイアといった宝石の価値も比較。たとえば、210ルピーのルビーは105ポンド、260ルピーのサファイアは63.91ポンドである。そして、1ルピーは1.03ポンド/153円と算出し、3000ルピーの家は「約45万9000円」で購入できる計算となった。ちなみに、5万ルピーの場合だと「約765万円」になる。

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『ウィッチャー3 ワイルドハント』では、追加拡張パック第2弾「血塗られた美酒」にて追加される、ワインの特産地トゥサンにある邸宅コルヴォ・ビアンコを所有できる。ゲーム内ではお金を支払うことなく入手できるが、L&Cはこの邸宅を一般的なブドウ農園だと仮定してその価値を算出している(詳細なマップを入手できなかったため)。ワインの産地として知られるフランスのブドウ農園(家屋含む)は、平均して8ヘクタールの広さがあり、1ヘクタールあたり平均13万6400ユーロで売り出されているという。ここからコルヴォ・ビアンコの価値は「約1億4300万円」としている。なお、同作の通貨クラウンの交換レートは、これまでと同じく食料の価値で算出し、1クラウンあたり138円となっている。

『Stardew Valley』では、プレイヤーは農場暮らしをすることになるが、農場は祖父から受け継ぐため、購入する必要はない。そこで今回も農場の広さを測っている。基準とするのは母屋の玄関だ。玄関の幅を一般的な30インチ(約75cm)と仮定すると、母屋のサイズはおよそ7.5 x 4.5mとなる。これを農場全体に当てはめると、およそ103.5 x 72mになるという。では、この広さの農場は実世界ではいくらで購入できるのか。L&Cは、イギリス・ノーサンバーランドで売り出されている3エーカーの母屋付きの農場を見つけ、その値段を同作の農場の広さ1.87エーカーに換算することで「約5700万円」とはじき出した。同作の通貨ゴールドの交換レートについては、食料や道具などの値段から1ゴールド27円としている。

最後は『ファイナルファンタジーXIV』である。同作ではフリーカンパニー(ギルド)単位あるいは個人で家を所有できる。ただ、土地と権利証書を別々に購入してから建築する必要があり、また土地価格は変動するためやや複雑である。このほか、アパルトメント(マンションの一室)を購入することもできる。同作では食材を含め多数のアイテムが登場し、ここから通貨であるギルの交換レートを算出。1ギルは212円という結果となった。そして家の値段であるが、まず価格固定でもっとも安いアパルトメントは「約1億600万円」。一方の家は3サイズあり、もっとも高額な場合で「約112億3600万円」という結果となった。なお、通貨の交換レート算出の参考にした食材では、たとえばクリームチーズ(1片)は92円、ミネラルウォーターが163円などと換算されており、現実世界に照らしてそう違和感のない価格である。エオルゼアの世界の家はいずれも超高額物件になるようだ。

今回交換レートの算出の参考にしたのは、主にイギリスの物価であることを念頭に置いておきたいが、いずれにせよ興味深い結果となった。算出をおこなったL&Cは、これらのゲームに登場するほかの家や、家具などのオプションをすべて購入した場合、また『The Sims 4』や『Grand Theft Auto V』(もともとドル表記ではあるが)で購入できる家についても価値をはじき出している。そのほか、それぞれの通貨レート算出の詳細や、各通貨の価値の関係(1キャップ=0.23ギルなど)をまとめている。興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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