『リーグ・オブ・レジェンド』エイトロックスのチャンピオンアップデート発表。1vs1に強い上級者向けのデュエリストに変貌

『リーグ・オブ・レジェンド』を開発運営するRiot Gamesは6月13日、チャンピオン「エイトロックス」のゲームプレイアップデートを予告した。ゲーム中のポリゴンモデルに大きな変更はないが、キャラクター性能とセリフ、さらにストーリーが大きく変更されることとなる。

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは6月13日、チャンピオン「エイトロックス」のゲームプレイアップデートを予告した。ゲーム中のポリゴンモデルに大きな変更はないが、キャラクター性能とセリフ、さらにストーリーが大きく変更されることとなる。

 

迷走する軍神

エイトロックスの実装は2013年6月、今からほぼ5年前にさかのぼる。世界にたった5人が残された古代種族「ダーキン」のひとりとされたエイトロックスは、周囲の軍勢を鼓舞する力を持つ軍神という設定だった。キャラクター性能としては体力回復と攻撃力を両立するファイターであり、敵中に飛び込んでいくダッシュを持つ「ダイバー」に分類されていた。しかし、初期チャンピオンデザインにありがちな「調整弁の少ない設計」であったため、攻撃しながらの体力回復が困難という欠陥を抱えてしまうことになる。この問題点を克服すべく、2017年3月に小規模なアップデートが行われたものの、問題が大きく改善されることは結局なかった。今回のアップデートでは、キャラクターの持つテーマとコンセプトが根本から見直され「モダンなチャンピオン」として再編されている。

 

新エイトロックスの能力

それでは早速、生まれ変わるエイトロックスの能力を見ていこう。ファイターに分類される近接攻撃チャンピオンという点は以前から変わらない。スキル使用にコストは要求されず、クールダウンが終了するたびに使用できる。

新Q「ダーキンソード」は、エイトロックスのプレイパターンの核となるスキルだ。最初に使用すると前方範囲にダメージを与え、2回目の使用で前方の扇形範囲に、3回目の使用で円形範囲に、徐々に与ダメージが上昇しつつ範囲攻撃を行う。再使用時には若干のクールダウンが入るため、合間に通常攻撃を挟むことが可能だ。既存チャンピオン「リヴェン」と似た挙動のスキルだが、1・2回目は「剣先」に、3回目は「中央」に敵がいた場合はノックアップも与えることができる(範囲表示有り)。新W「炎獄の鎖」は独特な挙動のCCで、剣で地面を叩くとそこから発生した衝撃波が敵にダメージと1.5秒間のスロウを与える。当たった相手が敵チャンピオンや大モンスターである場合、敵は地面に表示された範囲を1.5秒以内に出なければ、ノックバックとさらなるダメージをもらうことになる。この新Wは強力なピックアップであり、ダッシュやブリンクを持たないチャンピオンに当てればかなり確実にキルを狙うことができる。新E「影進撃」はごく短い距離のダッシュ(壁越え可能)を行うスキルで、このダッシュは2回までストックしておくことができる。ダッシュ後はしばらく攻撃力が上がるうえに、Qの使用を妨げずに使うことができるので、追撃しながら攻撃を加え続けることができる。

QWEの通常スキル群を総合すると、状況に応じて柔軟にコンボパターンを組み立てるタイプのスキルファイターであると言えるだろう。Qの1・2回目のノックアップ範囲に比べて通常攻撃の射程が短いところにちぐはぐさがあるように見えるが、新固有スキル「死兆の構え」が有効であれば通常攻撃の射程が50ユニット伸びるので、Qと通常攻撃を織り交ぜた攻撃をなめらかに当てていくことができるはずだ。固有スキルが有効になっている通常攻撃を当てれば対象が受ける回復・シールド効果が減少するのも、集団戦時にはうれしい効果だ。固有スキルのクールダウンはQWE使用とQの剣先が当たるたびに短縮されるので、攻撃すればするほど恐ろしい量のダメージを与えていく。

かつて持っていた回復能力は、固有スキルと新Eの自動効果に割り振られたため、能動的な管理を行う必要はなくなった。旧固有スキルにあった蘇生能力は新R「ワールドエンダー」に移され、体力を蓄えるストック「ブラッドウェル」もRの発動中のみ溜まるようになっている。新Rは発動すると12秒間、エイトロックスが大きな翼を広げて舞い上がり、移動速度と攻撃力が増加する。この効果中にデッドした時のみ、ブラッドウェルの獲得量に応じた体力で蘇生することができる。旧エイトロックスの蘇生能力は固有スキルに設定されており、蘇生アニメーション中は全く移動できなかったゆえに、敵に囲まれて結局デッドするということが多々あったが、新エイトロックスでは蘇生中にゆっくりながらも、移動することが可能になっている。Rは戦闘が起こればすぐに使ってしまい、大ダメージをなるべく継続して与えるのに使っていくのがベストだろう。

筆者はPBEにて新エイトロックスをプレイしてみたが、1対1に強いデュエリストという印象を強く受けた。手元でスキルを忙しく操作しなければならないが、その分上達する余地が非常に大きそうである。ソロレーンはもちろん、周回中に体力を高く保つことができるジャングルもよいだろう。アイテムビルドはクールダウン短縮と攻撃力・防御力を両立できるブルーザービルドで、ブラック・クリーバーやスピリットビサージュのようなアイテムがぴったりだ。スキルと通常攻撃を交互に織り交ぜたプレイで大ダメージを与えたいのであれば、ほとんどの能力値が噛み合っているトリニティ・フォースも良い選択肢になる可能性がある。使用ルーンとしては、栄華・覇道・不滅パスから2つを選択するのがよさそうであるが、魔道パスという選択もプレイスタイルによっては面白いかもしれない。

 

堕ちた神なる戦士

新ストーリーについてまだ多くは語られていないが、「ダーキン」の一員である点は変わっていない。ダーキンについてはヴァルスのストーリー で、古代に世界を侵略した後に封印された邪悪な存在であると語られている。エイトロックスもヴァルス同様、封印から解放されて世界を再び滅ぼそうとしている。ダーキンという設定のチャンピオンには他にも「ケイン」がいるが、封印によって肉体をなくしたダーキンたちが蘇るためには人間の肉体を乗っ取る必要があり、その肉体への侵食度も個体によって異なっているようだ。エイトロックスのアップデートにより、ダーキンに関する設定が今後さらに公開されるかもしれない。

テクニカルなスキルファイターへと生まれ変わるエイトロックス。サモナーズリフトに破壊と死をもたらす再臨は、6月27日ごろ実装の8.13パッチと見込まれている。

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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