『リーグ・オブ・レジェンド』公式トーナメント「Clash」を5月25日より隔週で開催。本格的ながらもカジュアルなオンライン大会

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは5月17日、クライアント内公式トーナメント「Clash」についてグローバルローンチを発表した。『リーグ・オブ・レジェンド』では昨年末に実装予定が発表されたが、いよいよ5月25日より正式開催がスタートする。

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは5月17日、クライアント内公式トーナメント「Clash」についてグローバルローンチを発表した。昨年末に実装予定が発表された後、世界各地のサーバーでベータテストに半年を費やし、いよいよ5月25日より正式開催がスタートする。

プロシーンと同じ試合方式が体験できる大会

大会のシステムは、昨年末の発表とこれまでのベータテストから、大きく変更された部分はないようだ。クライアント上の「Clash」タブからチームを組み、大会が行われる週末の夜にメンバーが集い、同じ技量のチームが集められたブラケットを戦ってゆく。ブラケット優勝を勝ち取れば、翌日の次のブラケットに進むことができる。3日間にわたる複数のブラケットを最後まで勝ち抜いて優勝すれば、最上級の賞品が手に入る。途中からの参加も可能であり、逆に途中で次のブラケットへの参加を辞退することも可能だ。気楽に参加できるカジュアルな大会を志向しているが、一方で時間を費やして勝ち抜き続ければ大きな褒賞が手に入るという幅広いプレイヤーのニーズを満たす仕組みになっている。

「かつてのランクチームよりも競技的な体験を」というコンセプトのもとに作り上げられたシステムは、まるでプロの試合を体験できるかのような作りになっている。チームメンバーは各日の試合開始前30分間に設けられている「ロックインフェーズ」の時間内にゲームにログインして集合し、参加申し込みを確定させなければならない。ロックインフェーズが終了するとブラケットの組み合わせが確定し、次に7分間の「スカウティングフェーズ」が始まる。スカウティングフェーズでは、相手チームのデータと実際の試合でのブルー・レッドサイドの振り分けが表示される。対戦相手の得意チャンピオンへの対策を立てる、ブルー・レッドで異なる戦略を用いるための話し合いを行うなど、短いながらも有意義に使っていきたい時間だ。

スカウティングフェーズが終了すると、実際の試合が始まる。「Clash」での試合はノーマルやソロキューといった通常のゲームとは違い、プロが行う試合と同じ「3バン&3ピック、その後2バン&2ピック」という形式で行われる。こうして初戦に勝利すればブラケット内の次の対戦に進み、敗北した場合は敗者同士の対戦へと進むことになるので、1日参加すれば最低2試合を戦うことになる。

大会を通した結果は、最終的な賞品に影響する。「ヴィクトリーポイント」は試合に勝つことで溜められるポイントで、このポイントが高ければ高いほど入手できる「フラッグ」が豪華になってゆく。ひとつのブラケットに優勝すると獲得できるのが「トロフィー」で、これはフラッグとともに大会後2週間サモナーズリフトをプレイする際に、マップ内に表示されるアクセサリーとなる。戦利品として獲得できる「Clashオーブ」には経験値ブーストやチームロゴが入っており、これも勝ち続けるほど内容が豪華になるようだ。

 

サブアカウント参加を防止

『LoL』ではかねてより「スマーフ(サブアカウント)」が問題になっている。サブアカウントで本来の実力を隠したプレイヤーが、本来よりも明らかに技量が劣るランク帯で暴れまわることで、ゲームの競技性が台無しになってしまう可能性があるからだ。

「Clash」は競技性の高いチームゲームモードであることから、スマーフ参加を防ぐことは非常に重要だ。今年4月に北米サーバーで行われたベータテストでは「SMS認証」を使ったスマーフ参加防止策が取られた。この仕様は正式ローンチ後も採用されており、参加に先立ってアカウントのSMS認証が必須となっている。公式サポート記事では、使用できるアカウントの中で最も高いランクの高いものを使っての参加が推奨されている。また大会後にスマーフであることが発覚した場合は、所属チーム全員が賞品没収の上で今後の「Clash」参加が禁止されるなど、重いペナルティが下されるとのことである。

ほかにも「サモナーレベル30以上」「名誉レベル2以上」「ランク振り分け決定戦完了済み」といった参加条件もある。ランク戦という競技的な『LoL』の基本を経験していることと、プレイヤーとして標準的な振る舞いを心がけていること、この2つが競技参加の前提として求められている。

 

日本サーバーの独自仕様

当初の発表時に懸念されていた法制上の問題は、やはり日本サーバーでの「Clash」実施に大きく影響した。仕様変更の公式告知によれば、海外ベータテスト時の参加チケット入手方法から「RP(ゲーム内有料通貨)」購入が消え、「BE(ゲーム内無料通貨)」購入およびミッション達成報酬での入手のみとなっている。ほかにも「複数チケットを参加に費やすことで賞品が増える」仕様がなくなっており、こうしたもともとの仕様が日本国内では賭博行為に該当していたと考えられる。チケット1枚でしか参加できないというのは、逆に考えればシンプルになり参加する垣根が下がったとも捉えられるだろう。

いよいよ始動する「Clash」。第1回となる「デマーシアカップ1」は来週末の5月25~27日開催で、チーム結成・エントリーは5月21日開始となっている。大会期間中はプレイ配信なども盛んに行われることが予想される。隔週で行われるお祭りを楽しみにしたい。

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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