わずか1分で世界がリセットされる1-bitアドベンチャー『Minit』配信開始。儚い命を繰り返し、ループからの脱出を図る

ゲームパブリッシャーDevolver Digitalは4月3日、ループ世界からの脱出を図る1プレイ1分の1-bitアドベンチャー『Minit』を発売した。プレイヤーが操作するのは、唇の尖った名も無き生命体。家の近くにある浜辺で見慣れぬ剣を拾ったことをきっかけに、目覚めてからわずか1分で死ぬという呪いにかかってしまう。

ゲームパブリッシャーDevolver Digitalは4月3日、ループ世界からの脱出を図る1プレイ1分の1-bitアドベンチャー『Minit』を発売した。対象プラットフォームはWindows/Mac/Linux(Steam/itch.io/GOG.com)および海外PlayStation 4/Xbox One。Steamでの販売価格は980円で、日本語は非対応となっている(文章量は少なめ)。

『Minit』の開発メンバーは4人。『Nuclear Throne』『Luftrausers』などで知られるVlambeerの共同創設者Jan Willem Nijman氏、Vlambeer作品や『Celeste』(B-Side)『Bleed 2』の楽曲を担当したJukio Kallio氏、Crows Crows Crowsの共同創設者Dominik Johann氏、そして『Horizon Zero Dawn』のプロデューサーを担当したKitty Calis氏(各業界における注目の若手を紹介するForbes 30 Under 30にも選出)と、そうそうたるメンバーのコラボレーションにより実現したプロジェクトとなっている。

プレイヤーが操作するのは、唇の尖った名も無き生命体。家の近くにある浜辺で見慣れぬ剣を拾ったことをきっかけに、目覚めてからわずか1分で死ぬという呪いにかかってしまう。命を落としては1日の始まりに戻るループ世界に囚われてしまったのだ。死んでは生き返り、また足掻いては死ぬという毎日をリピートしながら、呪いを解く方法を探す冒険に出る。

基本操作は移動・アイテムの使用・1日のやり直しの3つのみ。主人公はベッドから起きて1分で息絶えてしまうが、呪いの剣・じょうろ・懐中電灯など一度手に入れたアイテムは次回以降のループに持ち込める。増やしたライフやコインも同様。島の住人から依頼されたタスクも、その多くは一度済ませば繰り返す必要は無い。限られた時間の中で謎解きのヒントを探し、先へ進むためのキーアイテムを集め、時には主人公を攻撃してくる敵対生物と戦い、徐々に行動範囲を広げていく。

地下ダンジョンを探索するには懐中電灯、川や池を泳いで渡るには潜水用具。新しいアイテムを見つけると、それまで行けなかったエリアに進めるようになる

最初のうちは毎回主人公の家からループを開始することになるが、新しい寝床を見つけると次からはそこから1日を始められるようになる。同じ1分でも、スタート地点が異なれば動ける範囲も異なる。1プレイ1分という極端な制限がありながらも、砂漠・森・工場など訪れるロケーションはさまざまだ。

主人公が1分で出来ることは限られており、迅速かつ効率的な行動が常に求められる。例えば「カニを5匹倒してほしい」という単純な依頼でも、対象となるカニの居場所を覚え、手早く処理して依頼主の元に戻る必要がある。また、ゆったりとしたペースで話すNPCからヒントを聞き出すには、セリフを聞くことに丸1日を捧げなくてはならない。その日にやりたいことを1分で達成するにはどう動けばよいのか、という時間との戦いなのだ。 『Minit』はプレイヤーが1分でこなせる作業量の限界を計算し、余計な贅肉をギリギリまで削ぎ落としたミニマルなアドベンチャーゲームなのである。

呪いの元凶へと近づいていく主人公。NPCいわく、似たようなことが過去にも起きたとのことだが……

生と死を繰り返しながらパズルを解いていく『Minit』は、モンスターではなく時間に殺される一風変わった死にゲーとも言える。初見ではスムーズに進めても100回以上は死ぬことだろう。ちなみに一度クリアすると、60秒ではなく40秒で1日がリセットされる「ニューゲーム+」をプレイできるようになる。時間との戦いという側面が強い本作にはショートカットやスキップ可能な箇所も多く、最短ルートの開拓を目指すスピードラン用のゲームとしても可能性を秘めていそうだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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