Steam版『クロノ・トリガー』アップデート実施へ。不評のドット絵に加えて「原作のドット絵」を再現するグラフィック選択機能を実装予定
スクウェア・エニックスは本日4月3日、Steam版『クロノ・トリガー』のアップデートを将来的に実施していくことをSteamニュースにて発表した。アップデートは今後数か月にわけて複数回にわたり実施していく予定であるという。第一弾となるのは、グラフィックの選択機能だ。
4月前半には、現在の「高解像グラフィック」と呼ばれるビジュアルスタイルに加えて、原作版のドット表現を再現した「オリジナルグラフィック」を選択できる機能が実装されるという。プレイヤーの好みのビジュアルスタイルを切り替えて冒険できるようになるということだろう。そのほかの変更点は、アップデート配信時に告知されるようだ。あわせて、現在販売中の特典付き『Limited Edition』の販売期間を2018年4月30日まで延長すること発表されている。
Steam版『クロノ・トリガー』は、今年の2月に配信された往年の傑作RPGの移植タイトル。解像度は最大1920×1080に対応し、ニンテンドーDS向けリメイク版に実装された新要素も収録されている。全世界で人気の高いタイトルが電撃配信されたことに対し国内外は喜びの声であふれたが、一方でいくつもの不満が寄せられていた。
その不満のひとつが、グラフィックだ。オリジナル版を高解像度に対応させたことに合わせてかけられたフィルターが、原作の魅力であるドット絵表現を著しく損なっているという手厳しい意見が相次いだ。これを受け、海外のクリエイターがそれぞれSteam版『クロノ・トリガー』の問題点を提起するという動きも見せていた(関連記事)。またグラフィックだけでなく、一部UIがスマートフォン版のままであるといった点も不評とされるポイントのひとつである。
スクウェア・エニックスはこうした反応を受け、すぐさま「頂いた問題点についても把握しており、対応を検討している」と回答。今回の告知においても「お客様から多くのご意見、ご要望をいただいております。」とプレイヤーの意見に耳を傾けたことを示唆している。Steamニュースのコメント欄は対応に喜ぶ声も多くあるが、アップデートされず一部不具合が解消されていない(ただし非公式Modを導入すれば解消する)Steam版『ニーア オートマタ』の対応を求める声や、同様の“のっぺり”ビジュアルの問題を抱えているSteam版の旧作『ファイナルファンタジー』シリーズの改善を求める声も目立つ。
スクウェア・エニックスは、これまではPC版への対応の動きが重かっただけに、Steam版『クロノ・トリガー』の早期対応表明が持つ意味は大きい。今回の『クロノ・トリガー』が特例であるのか、気になるところ。スクウェア・エニックスは旧作新作含め、PCユーザーと今後どのように向き合っていくのだろうか。その動向に注目していきたい。