SWERY氏が手がけるオープンワールドADV『The Good Life』Kickstarter開始。借金返済を目指す「スローじゃない、スローライフゲーム」

『レッドシーズプロファイル』や『D4: Dark Dreams Don't Die』などのクリエイターとして知られるSWERY(末弘秀孝)氏率いるWhite Owlsは3月27日、借金返済生活アクション・アドベンチャーゲーム『The Good Life』の開発資金を募るKickstarterキャンペーンを開始した。

『レッドシーズプロファイル』や『D4: Dark Dreams Don’t Die』などのクリエイターとして知られるSWERY(末弘秀孝)氏率いるWhite Owlsは3月27日、借金返済生活アクション・アドベンチャーゲーム『The Good Life』の開発資金を募るKickstarterキャンペーンを開始した。本作においては昨年、Figにてクラウドファンディングをおこない約68万ドル(約7200万円)を集めたものの、初期目標金額には届かず失敗。今回は、当時の反省を踏まえての再挑戦となる。

https://www.youtube.com/watch?v=xrWOdfs8QDQ

『The Good Life』の主人公は、ニューヨーク出身のジャーナリスト「ナオミ」。大きな借金を抱える彼女はニューヨークの新聞社からの依頼を受けて、イギリスの“くっそド田舎”にある「Rainy Woods」という町を訪れる。そしてナオミは、「世界一幸福な町」だと言われているこの田舎町で生活し、お金を稼いで借金の返済を目指すことになる。

ゲームではプレイヤーは、いつでもどこでも誰に対しても写真を撮れるという。そして、その写真はお金に換えることができる。その手段のひとつは写真SNSの「Flamingo」だ。ここに写真をアップして「いいね」をもらうと広告費を受け取ることができる。風景や動物、ポートレートなど、“フラミンゴ映え”を目指してシャッターを切るのだ。Rainy Woodsはオープンワールドとなっており、季節や時間の変化がある。特定の時期だけのイベントなど、より多くの「いいね」をもらうための仕掛けもありそうだ。

二つ目の手段は、新聞社モーニングベルに写真を売り込むこと。Rainy Woodsには住民しか知らない何らかの秘密があるようで、それに関するものを写真に収めることができれば高く売れるという。ただし、ナオミはこの新聞社から借金をしているので、売れても借金の返済に回され手元には残らない。そのほか、アルバイトをしてお金を稼ぐこともできる。羊の毛刈りやミルク配達、バーテンダーやカジノディーラー、さらにはトレーダーから仮想通貨のマイニングなど、働き口はさまざま。本作は「スローじゃない、スローライフゲーム」をコンセプトにしているそうで、田舎暮らしを満喫しながらも、忙しい日々を送ることになりそうだ。

稼いだお金は借金の返済以外に、カメラのアップグレードにも使える。性能の良い機材を導入することで、よりクオリティの高い写真を撮ることができ、結果的にフラミンゴ映えに繋がる。そのほか、お酒を飲んだり競馬をしたり、家具を買ったりなど、日々の生活を楽しむためにも使える。本作にはライフ・スタミナ・空腹・眠気・飲酒・美容などのパラーメーターが搭載されており、たとえばファッションにお金を使ってナオミの衣服を着せ変えると、そういったパラメーターに影響する場合があるという。

本作の大きな特徴として、月に一度だけ犬や猫に変身できる。犬の姿では穴を掘ったり匂いを辿ったり、あるいは川や湖で泳いだりでき、一方の猫では高い所へ登ったりなど、それぞれ行動範囲やスキルが異なる。そのため、変身することで人間の姿のままでは撮れない写真を狙うことが可能になるという。しかし、なぜ犬や猫になってしまうのか。これもRainy Woodsの謎のひとつかもしれない。さらに、ナオミは殺人事件の現場を目撃してしまう。世界一幸福であるはずのこの町で起こったこの事件も、彼女の取材対象となるのだろう。

また、本作にはマルチプレイ要素もあるという。具体的な内容はまだ不明な点が多いが、ほかのプレイヤーの町を訪れることができるようだ。本作ではプレイヤーの行動によって、町の住人の行動や人間関係から物語の結末までさまざまな変化を見せるという。そのため、同じ人物でも自分のゲーム内ではただの住民なのに、友人のゲーム内では町長になっていたりということもあるそうだ。

冒頭で述べたように、今回の『The Good Life』のクラウドファンディングはFigの時からいくつか変更点がある。まず大きな違いは、パートナー企業が既についていることだろう。現時点では、ソニー・ミュージックエンタテインメントのインディーゲームレーベルUNTIES(アンティーズ)が本作のパブリッシャーになることが発表されており、またゲームコンサルタント会社ICO Partnersもプロジェクトを支援している。パートナーは今後さらに追加されていく可能性があるとのことだ。

そして、これらパートナー企業を得たことで、クラウドファンディングの初期目標金額が大幅に引き下げられた。Figでは150万ドル(約1億5800万円)としていたが、今回のKickstarterでは6800万円だ。前回集めることができた金額をやや下回るラインで、現実的な金額と言えるだろう。またゲームの開発も進められ、上の動画にあるようにグラフィックが進化している。そのほかいくつかの仕様にも調整が入っているようだ。なお、本作の開発には『パンツァードラグーン』や『ファントムダスト』などで知られる二木幸生氏のグランディングが携わっている。

Kickstarterキャンペーンは残り38日で、本稿執筆時点で2500人ほどから約1200万円が集まっている状況だ。3000円以上の出資でPC(Steam)版のゲームなどを入手でき、4000円以上の出資でPS4版を入手できる(共に500円割引のアーリーバード枠あり)。発売時期は2019年11月としている。このほかにもさまざまな出資プランが用意されているので、興味のある方はキャンペーンページをチェックしてみてはいかがだろうか。日本語での解説ページも用意されている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

記事本文: 6891