『オーバーウォッチ』任意のプレイヤーと同じチームになることを拒否できる「Avoid as Teammate」機能を実装へ
Blizzard Entertainmentは3月24日、『Overwatch(オーバーウォッチ)』の新機能「Avoid as Teammate」を発表した。チーム対戦FPSである本作では、仲間と勝利を分かち合うなど楽しい一面がある一方、チームメイトとの関係においてフラストレーションを抱えることも時に起こり得る。ゲームディレクターのJeff Kaplan氏は、そういった状況へのプレイヤーが取れる対応策として、この機能を用意したと述べている。すでにPTRサーバーでは導入されており、テストが実施されている。
「Avoid as Teammate」は、任意のプレイヤーが自分のチームメイトとなることを拒否する機能である。操作は、PC版のテキストチャット画面あるいはPC/コンソール版のソーシャルメニューにて、対象のプレイヤーを選択してオプションから「Avoid as Teammate」をセットするだけ。これで次回のマッチング時から、そのプレイヤーは自らのチームに入ることはなくなる。ただし、対戦相手としてマッチングすることはあるという。
このオプションに一度に登録できるプレイヤーは2人までで、有効期間は7日間となる。7日過ぎるとそのプレイヤーは自動的にリストから外れ、同じチームとしてマッチングする可能性があるが、登録しなおせばさらに7日間チームメイトから除外される。またソーシャルメニューでは、「Avoid as Teammate」にセットしたプレイヤーが別枠で表示され、いつでも自由に解除することが可能だ。
嫌がらせ行為や暴言を吐くなど悪質なプレイヤーに対しては、運営に通報すればBANなどの対応がおこなわれるだろうが、この「Avoid as Teammate」を使えば、そういった対応を待つことなく即座に自らのチームから排除できる。また悪質な行為ではなく通報するほどではなかったとしても、良い気持ちのしない言動により嫌な思いをする場合もあるかもしれない。Kaplan氏は、そうした時にもこの機能は有用だとしている。
ただし副作用として、「Avoid as Teammate」を使用した場合、マッチングの待ち時間が長くなる可能性があるという。一般的に、マッチングオプションを細かく設定した場合は待ち時間に影響するため同様の理屈だろう。Kaplan氏は、中級程度のレベルスキルであればあまり影響はないが、たとえば人口の少ないリージョンのグランドマスターが人の少ない時間帯にプレイした場合は影響は避けられないだろうとしている。除外登録できるプレイヤーを2人までと少なめに制限しているのは、こうした副作用を考慮してのことだそうだ。
逆に、もし自分が「Avoid as Teammate」に登録され、しかも多数のプレイヤーからおこなわれている場合は、ログイン時にそのことを知らせる警告が表示されるという。また同時に、入れるチームを探すためにマッチングの待ち時間も長くなってしまう。Kaplan氏は、ひとまずの有効期間である7日間のあいだに、なぜ皆から排除されたのか考えるようにしてほしいと述べる。
『Overwatch』では、過去に「Avoid This Player」という機能が実装され、のちに撤回されたことがある。こちらは任意のプレイヤーとのマッチングを拒否する機能で、今回の「Avoid as Teammate」に似ている。撤回された理由としては、特に上手いプレイヤーとはマッチングしたくないからといって排除登録する例が相次いだことにある。結果的にそのプレイヤーは上手いというだけでマッチングに長い待ち時間を強いられ、システムはスキルレベルの低いプレイヤーとマッチングさせることとなってしまった。
今回の発表がおこなわれたYouTube動画には、95パーセント以上が高評価を投じている。一方コミュニティでは、今回の「Avoid as Teammate」でも上記した「Avoid This Player」と同様のことが起こるのではないかと危惧する声が聞かれる。ただ、仮に排除登録されても対戦相手としてはマッチングするため、そのプレイヤーは気の合う仲間とチームを組むことでマッチングし難くなる問題は回避できそうだ。そのほか、一度に登録できるのは2人までという制限について少なすぎるという声もある。この点についてKaplan氏は、開発チームは実際にどういった影響が現れるのかを常にモニターし、状況によっては登録人数を増やすことも考えているとしている。この「Avoid as Teammate」機能は、「シーズン10」に合わせて実装する予定ではあるものの、準備が早く整えばそれを待つことなくリリースするとのことだ。