「日本アイドル」の光と影を描く管理シミュレーション『Idol Manager』本格始動、日本語対応も正式アナウンス。“成人向けコンテンツ”も計画中

インディースタジオGlitchPitchは、『Idol Manager(アイドルマネージャー)』のSteamページを公開した。『Idol Manager』は日本のアイドル界を舞台とした「アイドル管理シミュレーション」だ。成長や成功といった輝かしい部分も描かれる一方で、いじめや嫉妬、スキャンダルや嫌がらせといった影の要素もまた色濃く描かれるという。

インディースタジオGlitchPitchは、『Idol Manager(アイドルマネージャー)』のSteamページを公開した。あわせて3月27日よりKickstarterキャンペーンを開始することも発表している。同ページでは、ゲームの詳細情報が公開されているほか、日本語に対応することも正式に告知された。ただし、英語版より遅れて実装されるかもしれないとのこと。

『Idol Manager』は日本のアイドル界を舞台とした「アイドル管理シミュレーション」だ。対応プラットフォームはPC/Mac/Linux。本作は、アイドルと信頼関係を築き高みを目指す青春型の作品とは異なり、利益を得るためにアイドルを徹底して管理するというのがコンセプトとなる。成長や成功といった輝かしい部分も描かれる一方で、いじめや嫉妬、スキャンダルや嫌がらせといった影の要素もまた色濃く描かれるという。

プレイヤーは、小さな芸能プロダクションを営む経営者だ。課せられた使命は、新世代のアイドルを育て鍛え上げること。どんなアイドルをどのように起用するか、どんなスタッフを採用しどのようにサポートさせるかもプレイヤー次第。ただし、アイドルを幸せに“させ続ける”のは非常に難しい。ひとりのアイドルが商業的に大成功しても、プレイヤーの感情の優先やPR失敗によって、そうした成功はいとも簡単に泡となり、会社を窮地に陥れる。アイドル個人の問題だけでなく、ゴシップ雑誌や熱心すぎるファン、ライバルグループの存在がプレイヤーのプロダクションを付け狙う。これらの危険にどう対処するか、ビジネスベースでのマネージメント力が試されるのだ。

アイドルが“かつて存在していたとあるドイツの政党”の制服を着ていることから批判が寄せられるというどこかで聞いたような際どいネタも

ゲームとしては、オーソドックスなシミュレーションゲームとなっている。各アイドルを仕事やレッスンに割り当てて、成長させファンベースを拡大させていく。個々のアイドルのパラメータを考慮するだけでなく、グラビアを強く嫌がるといった仕事の好き嫌いも存在するのでうまくモチベーションをコントロールする必要もある。シングルを出したり、TV番組に出演したり、さらには海外展開をおこなうことで利益を拡大していこう。ただし過労は鬱病を呼び込む可能性があるという。鬱病による活動休止は、スポンサーとの契約打ち切りというリスクを抱えているので、こまめにケアすることが重要であるようだ。

こうしたルーチンワークを守りつつ、さまざまなトラブルを回避していく必要がある。というのも、本作には多くのランダム発生のサブイベントやサブストーリーが用意されている。たとえば、アイドル間の人間関係も調整することも必須。性格の相性を考えてグループを組む必要があったり、いじめに対して介入する場面もあるという。さらには前述したようなスキャンダルや嫌がらせにも対応する必要がある。アイドルのトラブルはモラルを大きく落とし、パフォーマンスに多大な影響を及ぼす。仕事に大きく差し支えることになるだろう。そうした面で、アイドルたちをシビアに管理していく必要もある。一方でアイドルを大事にしていても彼女たちが憤慨することも多くあるといい、そういった理不尽な場面での決断も多く迫られるのも本作の特色だとしている。

アイドルの氏名はどれもありそうなものに設定されており、こだわりが感じられる

得た利益によって事務所の拡大や強化することもでき、いわゆる“経営シミュレーション”的な要素も楽しめる。トレーニング施設だけでなく、カフェや劇場を作ることで利益を生み出せば経営も安定しアイドルを酷使することも少なくなるだろう。質の高いスタッフを雇用すれば、トラブルのリスクも回避できる。投資もまたアイドル管理において重要なのだ。

さらに興味深いのは、Kickstarterのキャンペーンが9000ドル(95万円)まで届けば「成人向けコンテンツ」が用意されるという。スキャンダルイベントはプレイヤーに想像の余地を残すものの、このコンテンツを追加することによりそうした“成人向け”の内容がアートで描かれるという。成人向けというのが何を指しているのかは不明であるが、よりディープな体験が提供されることは間違いない。

Kickstarterの出資向けのリワードとしては、12ドル以上出資すればゲームのコードが手に入るほか、180ドル以上出資すればアートブックといった特典のほかに、ゲーム中に発生するランダムイベントを考案することができる。300ドル出資すればサブストーリーを考案することが可能。出資者の欲望のままにイベントを作れるというのは、面白い試みだろう。

本作の開発者の中心人物であるMax Rogozin氏は、日本のアイドルとシミュレーションゲームの大ファンで、英語でも遊べるそうしたジャンルのゲームを作るべく、『Idol Manager』の開発を始めたという。ゲームの基本システムは完成しており、バランス調整やバグの除去に現在取り組んでいるとのこと。ゲームのアートワークも75%以上完成しているという。ストーリーやイベント制作はやや遅れているが、スケジュールには間に合うだろうと自信を見せている。

『Idol Manager』の発売は2018年内。Kickstarterの出資者向けの出荷時期を考えると、おそらく2018年12月になるだろう。海外から日本のアイドルを描くという異色のシミュレーション『Idol Manager』。Kickstarter始動も含めて、今後も続報をお伝えしていきたい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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