ロウソクに10秒間だけ灯をともすアクション『キャンドルちゃん』PS4/ニンテンドースイッチ版発売へ。開発元に進捗や名前の由来を聞く

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Spotlightor Interactiveは2月1日、『Candleman』をSteamで発売した。本作は、ロウソクの姿をした主人公が、遠い彼方に見える光を求めて暗闇の世界を冒険する3Dアクションゲームである。ロウソクである主人公は、自らに灯をともすことができる。その明かりで周囲を照らし、そして光に反応するパズルやギミックを動かしてステージを進んでいくのだ。ただし、灯をともせるのは1ステージにつき合計10秒間だけ。ロウをすべて燃やし切ってしまうと力尽きてゲームオーバーとなる。

本作は、シンプルながら手堅いアクションを基本に、この「10秒間だけ灯をともせる」というユニークなシステムによって「いつ、どこで、どれだけ灯をともすのか」という選択を求められる奥深さや、光と影が生み出す、美しくバラエティに富んだ世界観を融合して高い評価を得た。Steamでも、現時点で97パーセントが好評とする「非常に好評」となっている。

開発元のSpotlightor Interactiveは、中国・北京に拠点を置くインディースタジオである。中国では政府によってゲームコンソールの販売が長年にわたって規制されていたが、2014年から段階的に解禁。そしてマイクロソフトやソニーが進出し、Xbox OneやPS4をローンチさせた。『Candleman』はマイクロソフトのインディー支援プログラム[email protected]を通じて開発され、Xbox One向けに先行して発売されている。彼らは現行コンソールに参入した、中国インディー第1陣のひとつである。その『Candleman』がニンテンドースイッチ向けに開発中あるとの噂が流れていたので、
Spotlightor Interactiveの共同設立者である高鸣(Gao Ming)氏に、『Candleman』の進捗や噂の真偽を確かめるべく話を伺った。

――『Candleman』のXbox One版が発売されてから1年ほどになりますが、プレイヤーからの反響やセールス、また[email protected]を通じてのリリースについてはいかがでしたか。

高鸣氏:
プレイヤーからもメディアからも良い評価を得ることができました。現在ストアでは5点満点中4.5点を得ており、Metacriticのスコアも78点となっています。[email protected]からは、GDC 2016への出展をはじめたくさんサポートしてもらい、そして発売時にもXbox公式アカウントをはじめ、[email protected]の幹部の人たち、そしてPhil Spencer氏(Xbox事業責任者)らがTwitter上で本作をオススメしてくれました。こういったことが、『Candleman』のクオリティをXboxユーザーに知ってもらうことにつながったと思います。

ただ売り上げに関しては、期待していたものと現実とでは差があって、Xbox One向けのインディーゲームとして平均的なレベルに留まりました。まあ、我々として初めてのコンソールゲームだったので、これで上出来なのだと思います。

――以前お話を伺った際にニンテンドースイッチ版を検討しているとおっしゃっていました。あれから進展はありましたか?

高鸣氏:
実はすでに開発を進めていて、最適化も進みニンテンドースイッチ上でスムーズに動作しています。あとはパブリッシャーと契約を結ぶだけといった状況ですので、できれば今年中にはリリースしたいですね。

――ではこちらも日本での発売を?

高鸣氏:
ニンテンドースイッチ版が実現すれば、日本でも発売するつもりです。日本は我々にとって常に重要な市場ですから。子供の頃、私がプレイしていたコンソールゲームのほとんどは日本のゲームでした。もし日本のゲーマーが『Candleman』を楽しんでくれたなら、これ以上光栄なことはありません。

ただ、日本は中国のパブリッシャーにとって難しい市場でもあります。彼らのほとんどが、日本でゲームをリリースしても有意義な成果は得られないと考えているくらいですから。日本は、世界の市場の中にあっていつもミステリアスな場所なのですよ。ですので、今は経験のあるパブリッシャーを探しているところです。

――ところで、本作をストアで最初に見た時から気になっていたのですが、なぜ「Candleman」の日本語訳が「キャンドルマン」ではなく「キャンドルちゃん」になったのでしょうか?個人的には、かわいく健気な主人公にピッタリで気に入っています。

高鸣氏:
実はそれにはエピソードがあって、翻訳者が日本語への翻訳を終えて我々に提出したあと、日本語を喋れるマイクロソフトの中国人スタッフが、ある日「キャンドルちゃん」のことを指摘してきたのです。具体的に何を言っていたのかは忘れてしまいましたが、「キャンドルちゃん」という翻訳を本当に採用するのかどうか確認を求めていました。我々のチームには日本語を喋れる者はいないので、その翻訳者に尋ねてみたら、彼は何も問題はないから「キャンドルちゃん」を使うべきだと主張したので、我々は彼の翻訳を尊重することにしたのです。彼の翻訳がピッタリだと感じたということを聞けて嬉しいです。どうやら、彼はこの名前の翻訳にはとても気を使っていたようですね。感謝しないと!

――『Candleman』には無料DLCが配信され、新チャプターが追加されました(Steam版には最初から収録)。これでもうキャンドルちゃんの旅は完全に幕を閉じたのでしょうか。さらなるDLCや続編を作る考えはありますか?

高鸣氏:
無料DLCについては、本作の物語においてもゲームプレイにおいても、ゲーム全体の中の欠かせないパートであると位置づけており、実は当初から計画していたものなのです。逆に言うと、このDLC無しでは物語は完結しません。無料で配信したのはそういう理由からです。物語が完結したので、今のところこれ以上のDLCや続編を作る考えはありません。それよりも、『Candleman』の開発から得た経験を活かして、新しいプロジェクトにエネルギーを注ぎたいと思っています。また、リスクを避けたり利益を最大化させるために続編を作り続けることは、いちインディー開発チームとしての我々のスタイルではありませんから。

――では、すでに次の新作に取りかかっているのでしょうか。またコンソールでリリースするお気持ちはありますか?

高鸣氏:
ええ、本格的に開発を始めていて「3D-Platform-Crawler」と呼んでいます。『Candleman』での経験を活かした、リアルで深みのある物語を擁するアクションゲームにしようと思っています。ただし、今度はジャンプはできません(注:Crawlerとは、這って動くものという意味)。『Candleman』よりは短いゲームになりますが、より多くの物語を詰め込む予定です。ゲームジャムで作った作品が元になっていて、初期のプロトタイプはWeb上で配布していますよ(itch.io)。

我々にはコンソールでのゲーム開発や販売の経験の蓄積がありますから、この新作についてももちろんコンソール向けに発売するつもりです。ただ、次は最初からマルチプラットフォームでリリースする可能性について検討することになるでしょうね。

――期待しています。ありがとうございました。

Spotlightor Interactiveの次回作の初期プロトタイプ『Yet Another Exhausted Day』。男が床や壁をイモムシのように這って進み、枕を避けながらステージのゴールを目指す。ゲームジャムイベントLudum Dare 39に出品され、全体で9位、ユーモア部門では1位に輝いた

『Candleman』はSteam/Xbox One向けに日本語対応で発売中(1520円/1620円)。現在一部アジア圏のみで発売されているPS4版についても、日本や欧米で販売すべくパブリッシャーとの契約を済ませたところだそうで、年内には実現しそうだ。また、PS4 ProやXbox One Xへの最適化も計画しているという。ニンテンドースイッチ版の実現と合わせて期待して待ちたい。

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