『スーパーマリオ オデッセイ』新コンテンツ「風船探し」にて不正な風船隠しが報告される。問われる隠し手のモラル

『スーパーマリオ オデッセイ』の新コンテンツ「バルーンファインド」では、完成度の高いステージをあらためて堪能することができる。一方で、どこにでも不正行為をおこなうプレイヤーも存在する。残念ながら、すでに「バルーンファインド」でもそうした遊び方をするプレイヤーがでてきているのだ。

ニンテンドースイッチ向けアクションゲーム『スーパーマリオ オデッセイ』にて、先日2月22日に無料アップデートが実施された。無料アップデートの目玉となったのは「バルーンファインド」だ。「バルーンファインド」は、ネットワークを介して、各ステージでバルーンを隠したり探したりして遊ぶ、新たなゲームコンテンツ。隠す側は一定時間内にバルーンを隠し、探す側は隠した人々のバルーンを一定時間内に見つけ出す。ソーシャル機能を通じてステージの構造の理解や操作テクニックを競う、やりこみ要素であるといえるだろう。

『スーパーマリオ オデッセイ』の完成度の高いステージをあらためて堪能できるということで、多くのプレイヤーが楽しくこの「バルーンファインド」を遊んでいる姿が見受けられる。一方で、どこにでも不正行為をおこなうプレイヤーも存在する。すでに「バルーンファインド」でもそうした遊び方をするプレイヤーが残念ながらでてきているのだ。Venture Beatなどがその詳細を伝えている。

今回問題視されているのは、風船を隠す“隠し手”の手法だ。ほとんどのプレイヤーが知恵とを生かしテクニックを発揮して風船を隠しているが、絶対に見つけさせたくないがゆえに、入手不可能な場所に風船を隠すプレイヤーもいる。そうした不正が比較的多く目撃されているのは「ニュードンクシティ」。建物が特に多いこのエリアにて、通常のプレイでは中に入れない(Out of Bounds)建物の中に隠すというもの。『スーパーマリオ オデッセイ』では、コリジョンの判定などを利用し建物の中に入れるエリアが存在しており、これを「バルーンファインド」で使ったという流れだ。

任天堂もこうした不正を考慮しているのか、原則的には立入禁止エリアでは風船を置けないようにしている。また今回のアップデートによって「カックー」を利用したすり抜けなど、数々のグリッチが修正されている。しかしそれでも一部プレイヤーは、“穴”を見つけだしている。たとえば、「ニュードンクシティ」には立入禁止と判定されない内部エリアもあるようで、そうした一部エリアには風船が置かれ続けている。もっとも悪名高き風船隠しは、「キノコ王国」のものだ。お城の周囲の堀の水中にて隠されている風船は、どうやってもゲットできないとの報告が多数よせられており、コミュニティの間ではグリッチであると認定されている。

「バルーンファインド」は、風船が見つかるということを前提としているからこそ成立するコンテンツだろう。絶対に見つけられるはずだというコンセプトが、見つけてやろうというモチベーションを高めていく。つまり、風船が見つけられない場所に隠されているという報告が相次ぐと、プレイヤーは疑心暗鬼になってしまい、コンテンツの意義が薄れてしまう。遊び自体が台無しになってしまうのだ。

『スーパーマリオ オデッセイ』ではグリッチが多数報告されており、このグリッチを利用した遊びも生まれている。グリッチは、プレイヤーの楽しみの幅を広げることもあるが、それはあくまでシングルプレイに限っての話だ。オンライン機能を介してつながりを持てばグリッチは不正行為となり迷惑行為となりえる。redditなどコミュニティではこうしたグリッチの利用を悲しむ投稿もまたなされている。あくまでそうした不正を利用しているのはごく一部であるが、そうしたプレイヤーの不正は、ゲーム性を著しく損ねかねない。

大前提として、隠し手には探し手の気持ちを考慮し、こうしたルールを守ってもらいたいところだろう。一方で、隠し手には悪意なかったりモラルを理解できず、こうしたグリッチを利用する幼い子どもが含まれている可能性もある。やはりここは、任天堂による“穴塞ぎ”に期待したいところだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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