過酷な山を登る高難度2Dアクション『Celeste』本日発売、日本語に対応。すでに海外では絶賛の声が集まる

Matt Makes Gamesは1月25日、2Dアクション・アドベンチャーゲーム『Celeste』をSteamにて発売した。価格は1980円。同スタジオは『TowerFall Ascension』などで知られるインディースタジオで、本作は山登りをテーマにした作品となっている。

Matt Makes Gamesは1月25日、2Dアクション・アドベンチャーゲーム『Celeste』をSteamにて発売した。価格は1980円。同スタジオは『TowerFall Ascension』などで知られるインディースタジオで、本作は山登りをテーマにした作品となっている。海外ではPlayStation 4/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けにも発売されており、いずれもゲーム内は日本語表示に対応している。

『Celeste』の主人公は「マデレン」という女の子だ。彼女は、本作のタイトルにもなっている「セレステ・マウンテン」と呼ばれる山の頂上を目指してひとり旅をしている。地元の人間はセレステ・マウンテンについて、マデレンには危険過ぎると注意し、さらに「“なにか”を見ることになるかもしれない奇妙な山だ」と意味深な言葉を述べるが、マデレンはそれでも山頂に向かわなければならない、使命のようなものを抱えているようだ。

本作は山登りをテーマにしているが、ゲームプレイにて山道を登るというわけではなく、山のふもとから山頂にわたって点在するステージを順にクリアしていく形である。セレステ・マウンテンのふもとには廃墟となった街があり、中腹には謎のホテルがあるなどし、それぞれが特色あるステージとなっている。そして、各ステージでのゲームプレイはメトロイドヴァニアのようなダンジョン探索に近い。ステージ内のマップは部屋ごとに分かれており、一本道でない場面も多い。ゴールにたどり着くためにあちこち探索をしたり、あるいはマップ内に収集要素として配置されているイチゴを取るために、迂回してこなければならないこともある。

マップの中にはトゲの山や奈落など即死トラップがそこかしこにあるため、それらを避けるべく足場をジャンプしたり、壁を蹴って三角跳びをしたり、あるいは壁につかまってよじ登るなどしてマップを進んでいく。何度も死にながらトライ&エラーを繰り返して攻略するタイプのゲームだ。コンティニューは無限で、死んでも直前からすぐにやり直せる。なお、壁につかまったまましばらくすると、握力が限界になりズリ落ちていってしまうので注意したい。

またマデレンは地上あるいは空中でダッシュすることができ、本作のゲームプレイにおける肝となっている。これを使うことで、通常のジャンプでは届かない離れた足場や高い場所に飛び移ることが可能となる。さらに、ダッシュして体当たりすると崩れる壁も存在し、その先には隠し部屋があったりする。覚えておきたいのは、空中ダッシュをして壁につかまり、そこからふたたび空中ダッシュをすることはできず、一旦地面に下りる必要があること。この制限によって、攻略に頭をひねる場面があるだろう。ただ、マップ内には緑色のクリスタルが浮かんでいる場合があり、空中ダッシュして取得すると、もう一度連続して空中ダッシュが可能だ。マップの中には、これをうまく利用しないと進めない場面もある。

ゲームを進めるに従ってさまざまなギミックやトラップ、パズル要素が追加されていく。たとえば、序盤ではカラフルな星がきらめく模様の特殊なブロックが登場する。一見普通のブロックだが、ダッシュして突っ込むと反対側へ突き抜けていくことができ、場面によっては横移動だけでなく斜めや上下に突き抜けて飛び出すことも求められる。ただ、突き抜けた向こうに空間がないと押しつぶされて死んでしまうので、突っ込む方向や場所、またブロックが動いている場合はタイミングも重要である。

さらに、敵とも味方とも言えないマデレン似の奇妙な女の子も登場する。この人物が何者かについてここでは詳しくは述べないが、彼女はプレイヤーの操作を真似するようにマデレンの後を追ってくる。彼女に触れるとミスになってしまうため、足を止めることなくマップを進まざるを得ないが、一方でトラップにも注意しなければならず難易度がグッと上がる。場面によっては、プレイヤーの操作を真似するという特性を利用して、あえて足を止めてタイミングを見計らう必要もあるだろう。

ステージを進める中では、上述した女の子やほかのキャラクターとの出会いがあり、この奇妙なセレステ・マウンテンをめぐるマデレンの物語は展開していく。本作はジャンプとダッシュを駆使するだけのシンプルなゲームシステムだが、さまざまなギミックや、絶妙なレベルデザインによってプレイヤーのスキルを試す難易度の高い作品に仕上がっている。ちなみに、ステージ内では「B面」をアンロックできるアイテムが隠されており、入手するとさらに高難易度に作り変えられたステージに挑戦できる。また、PICO-8で制作し本作の原型となった『Celeste Classic』も、アイテムを獲得することでアンロックされプレイ可能になる。

画像左が通常面で、画像右がB面。同じステージの同じ場所でもこれだけガラリと変化し、難易度が跳ね上がる

一方で、本作にはオプションに「アシストモード」が用意されており、ゲームスピードを10パーセント刻みで半分まで落とせるほか、握力(スタミナ)が落ちないようにしたり、空中ダッシュを連続して出せるようにしたり、さらには即死トラップに触れても死なないようにもできる。本作は海外レビューにて満点を含む高い評価を獲得しており、難しいというだけで回避するのはもったいない。開発者としては、難易度の高さも本作のプレイ体験の一部であるとしてアシストモードの使用は推奨していないが、初心者にとってはありがたい配慮だろう。オプションには、ほかにタイムアタック用のタイマーを表示させる項目も用意されており、この『Celeste』は難易度の高さと相まってスピードランの題材としても人気を集めそうだ。日本語ローカライズも申し分なく、コンソール版の国内発売にも期待したいところである。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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