サイコロジカル・スリラー『Past Cure』国内PS4/Steam向けに2月24日発売へ。超能力で戦う現実世界と、超自然の恐怖が待つ悪夢を行き来する

ローカライズ企業のSticky Rice Gamesは1月23日、Unreal Engine 4製のサイコロジカル・スリラー『Past Cure』を日本語字幕付きで国内向けに発売することを発表した。発売日は2月24日で、国内版の対応プラットフォームはPC(Steam)およびPlayStation 4。

ローカライズ企業のSticky Rice Gamesは1月23日、Unreal Engine 4製のサイコロジカル・スリラー『Past Cure』を日本語字幕付きで国内向けに発売することを発表した。発売日は2月24日で、国内版の対応プラットフォームはPC(Steam)およびPlayStation 4。国内での販売価格はまだ発表されていない(海外向けには29.99ドルで販売予定)。

ドイツのゲームデベロッパーPhantom 8 Studioが開発する『Past Cure』は、超能力を駆使するステルスアクション主体の現実パートと、奇怪なパズルとクリーチャーに苛まれる悪夢パートに分かれた三人称視点のサイコロジカル・スリラーである。主人公イアンは3年前、ヨーロッパのどこかにある秘密施設内にて人体実験を受けていた。その結果、抑圧されていた力が引き出されると同時に、後遺症として悪夢と幻覚の連続に悩まされるようになる。しかも彼の頭からは過去3年分の記憶がごっそり抜け落ちており、どのような目的で能力が授けられたのか、思い出せずにいる。

しかし見えないはずのものが見え、できないはずのことができてしまう不思議な力は、イアンの精神を確実にむしばみ、彼を狂気へと導いていた。この不可解な状況を招いた黒幕に復讐すべく、そして自らの記憶を取り戻すべく、イアンは兄弟のマーカスと二重スパイのソフィアの助けを借りながら、ヨーロッパ各地で暗躍する。

https://www.youtube.com/watch?v=22NY4GZYRnU

※2017年7月に公開された海外トレイラー

現実パートでは対人戦のステルスアクション、悪夢パートでは化物から逃れるステルスホラーが体験できる『Past Cure』。前者は暗殺、銃撃戦、近接戦闘を組み合わせて攻略することになる。通常のステルスゲームとの違いは、主人公がマインドコントロールやテレキネシスといった超能力を操れる点だ。

たとえばイアンは、アストラル投射(意識を肉体から分離させること)を駆使することで、まるでドローンを操縦しているかのように、身体から飛び出した精神を動かして辺りを偵察できる。敵の配置や巡回ルート、監視カメラの位置を確認し、行動プランを練る。またテレキネシスで電子機器を破壊すれば、敵の注意を引くことができる。自分以外の生物・物体の動きをスローモーションにする時間操作系能力は、ステルス移動だけでなく、銃撃戦でも便利。じっくりと狙いを定めることで、銃撃の精度を高めることが可能だ。なお、こうした超能力は現実パートの戦闘だけでなく、悪夢パートのパズルを解くうえでも重宝する。

ただし、先述したように超能力の使用はイアンの正気を削り取っていくものであり、いずれその代償を払うことになる。目覚めていても、眠っていても能力に頼らざるを得ないイアンは、徐々に現実と夢の境界線が曖昧になっていく。

開発を担当するPhantom 8 Studioは、わずか10人前後の小規模スタジオ。リソースが限られる中、3Dスキャンとモーションキャプチャー技術を活用することで、ハイクオリティのタイトルを手頃な価格で提供しようと試みる少数精鋭のクリエイター集団だ。そんなPhantom 8 StudiosのプロデューサーSimon Gerdesmann氏は本作について、「インセプション」「ファイトクラブ」「ジョン・ウィック」の3作が出会ったような内容になると語っている(欧州PlayStation.Blog)。モーションキャプチャー時にはMMA(総合格闘技)の格闘家を招いたとのことで(PCGamesN)、「ジョン・ウィック」のようなスタイリッシュな戦闘シーンからなる復讐劇が待っているのだろう。またサイコロジカルな物語としては、「インセプション」「ファイトクラブ」のように主人公が見ている世界のどこまでが現実なのか、不鮮明になるような演出・展開が期待できそうだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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